飲食店ネット予約、多大なる客側のメリット

これまで通算何回飲食店の予約をしたかわかりませんが、仕事柄、飲食店を予約する機会はかなり多い方です。ネット予約が一般的になってきた今、思えば電話予約ってわずらわしいことがたくさんあって、一言で言えば「めんどくさい」ものでした。しかしネット予約を使い出すと、そのめんどくささはほとんどなくなっているといってよいかと思います。むしろ、今の予約のストレスは、ネット予約がない店があるということにすらなってしまっている自分がいます。

ネット予約サイトとして有名な「一休.com」は2000年に宿泊予約サイトとして始まり、2006年に飲食店予約に参入しました。また、2005年に飲食店検索サイトとして始まった「食べログ」は2012年にネット予約サービスを始めました。他にもたくさんのネット予約サイトがありますし、なかには店舗独自のネット予約システムを採用しているところもあり、飲食店をネットで予約するということは当たり前になってきています。
これだけ急速に普及してきたのは店舗側、客側双方にメリットがあるからに他なりません。特に店舗が予約サイトに加入する場合、手数料を取られるわけですからそれに見合うメリットがあると判断しているわけです。

今回は店舗側はさておき、客側のメリットについて書いてみたいと思います。
私もネット予約をよく利用しますが、一番ありがたいと感じるのは２４時間いつでも予約ができるという点です。電話で予約する場合、マナーとしてお店が忙しい時間に電話するのは避けますし、店にスタッフがいない時間は当然予約ができません。そう考えると予約できる時間というのは意外に短いものです。
自分がその店に予約しようと考えたとき、それが予約に適した時間であることはそう多くなく、数時間後に電話しよう、あるいは明日電話しようと考えることが多々あります。ところが電話してみると店が休みだったり、あるいは電話するのを失念したりして、それを思い出した時間がまた飲食店が忙しい時間だったりして、イライラすることも少なくありません。特に私のような自由が利きやすい仕事をしていてもそう考えるわけですから、会社員だったり、アパレル、美容師などの接客業だとなおのこと電話できる時間は制限されます。それが思いついたとき、ランチどきであろうが深夜であろうがいつでも予約できるという快適さ。これは本当にありがたいものです。

また、訪問する日時、人数、あるいはオーダーの言い間違い（予約時にコースを指定する場合）、聞き間違いを防げるのも大きなメリットです。私自身、日にちや時間を間違えて出かけたことはありますし、そういうケースを見聞きすることもあります。そんなとき、ネット予約であれば記録に残っていると争いを防げますし、事前に確認のメールが来たりするサイトもありますから、間違っていてもあらかじめ気づくというのもネットならではでしょう（もちろん事前に確認の電話をしてくれる店もありますが多くはありません）。
もう１つありがたいのは予約可能日がひと目でわかるということです。電話でいついつの予約をしたいと伝えた場合、満席と言われたり休業と言われたりして、「も〜、一体いつなら予約できるの？」と思うこともあります。ネット予約はそんなストレスもなくしてくれます。

最近、店の方とお話していると、ネット予約を採用していないことにより客をとりこぼすケースも見受けられると聞きます。つまり、そもそも店を探すときに予約サイト内で探したり、あるいは検索サイトなどで店を探した場合も、ネット予約がないと他の店にするということがあるわけです。確かに、若い世代などを中心に、日常でもコミュニケーションをLINEやメールで行い、電話をかけることが苦手な人は少なくありません。

また海外客にとってネット予約は日本人以上に助かるシステムです。会話をしなくても予約できるというのは双方にとってスムーズであり、細かな条件（チャージのこと、１ドリンク制のこと、キャンセルポリシーなど）を文字で伝えることができるためトラブル回避にもなります。ただし、外国人のネット予約にノーショー（連絡なしのキャンセル）が多いというのも1つの事実のようです。手軽さゆえなのか、文化の違いなのかはわかりませんが、それを嫌ってネット予約を採用するものの、英文は載せてないという店もあります。関連していえば、日本人であってもネット予約の方がキャンセルや変更をしやすいので、それらが多少増えることは否めません。

今回は客側のメリットについて書いてきましたが、ここに書ききれていないこともありますし、デメリットも全くないとはいえません。とはいえ、業態、席数、客単価などにもよりますが、これからますますネット予約が普及していくのは間違いなさそうですし、個人的にはどんどん採用する店が増えてほしいと願ってます。