和食料理人が選び抜いた上質牛が手軽に味わえる“知らなきゃ損！”の焼肉店

忙しい日々を送っていると、無償に肉が食べたくなるときがあります。しかも、しっかり“食べた感”のある上等な肉を、値段を気にせずに食べたいだけ。今まさにそんな気分だったので、以前から肉好きの友人におすすめされていた「焼肉 はやと」におじゃしました。
平日だったせいか駅前にしては少し静かな通りにあり、いかにも知る人ぞ知る穴場的な雰囲気ですが、窓から店内をのぞいてみると若者たちも多そうなので、気楽には入ってみることに。

メニューを見ると「新鮮なお肉を新鮮なうちに。鮮度にこだわる当店では冷凍肉の取り扱い、肉の冷凍保存を一切行っておりません」と、表紙に力強く書かれた文字が目に飛び込んできます。初めてなら7品目が入った「和牛盛合せ」（4,378円）がおすすめとのことなので、そちらをオーダー。待つこと数分、皿に盛られた肉の分厚さにびっくり！　これはもう焼肉というよりはステーキ。確かにステーキと書かれているものもありますが、そうでないものもかなりの厚さで、肉の色もさしの入り方も見事です。日によって変わりますがこの日は和牛イチボ、シンタマ、和牛上ハラミ、カメノコ、赤身ステーキ、ザブトンステーキ、ロース薄切りと赤身を中心とした盛り合わせです。

分厚いので「焼くのが難しいそう……」とつぶやいていたら、「好きな焼き加減で食べたらいいんですよ。焦げないように返したり、火から離れたところに置いたりしながら焼くと上手く焼けますよ」とオーナーの古屋隆二郎さんが優しくアドバイスしてくれます。どちらかというと焼けた方が好きなので、中がちょっとだけ赤いくらいでいただきます。タレは焼肉ダレ、ステーキソース、酢ダレの3種。普通なら一口で食べるところ、あまりの大きさにどうしようか迷ってしまいますが、ここは一口でいかせていただきます。ハラミは、ほどよく脂の旨味も感じられ、それなりに噛み応えもありますがとても柔らかです。
盛り合わせは一度にいろいろな部位が食べられ、それぞれに味や食感の違いがあって、きき酒ならぬきき肉をしているみたいで楽しくなります。盛合せは2人でもちょっと多いかなというぐらいですが、単品でも1皿約120gと結構なボリュームだそうです。

肉の質のよさは実感したので、大好きな「ホルモン盛合せ」（1,736円）も期待に胸を膨らませながらオーダーします。小腸、丸腸、牛レバー、牛ハツ、上ミノ、豚ナンコツ……、ホルモン好きなので見ても食べてもそれなりに質のよさが少しはわかるつもりですが、こちらのホルモン最高です！　特に上ミノと牛レバーはなかなか出会えない美味しさでした。

店内にはおすすめメニューを手書きした黒板があり、どことなく居酒屋を思わせます。実はオーナーの古屋さんは、もともとあの伝説店「たらふくまんま」で経験を積み、その後上人橋で居酒屋「松の湯」を営んでいた和食の料理人なのだとか。その後、うどんや焼鳥などいろいろな店を手掛けた後、7年前に高砂で「焼肉 はやと」をスタート。現在そちらの店は人にまかせ、1年半前にここ博多駅前店をオープンしました。
「メニューにも書いているように、うちは冷凍肉は使いません。その日仕入れた肉を丁寧に処理し、質が変わらないように真空にして冷蔵しておき、オーダーが入ってから切るので鮮度には自信があります。下処理もそうですが、肉は切り方ひとつでも見た目も味も全然違ってくるんです」とさすが職人。良質な素材を見極め、それをもっとも美味しく食べさせる技はどの料理にも共通しているんですね。

シメは「和牛肉吸い」（748円）を注文。福岡では珍しい大阪名物・肉吸いは、和風出汁に肉や豆腐、玉子にネギが入ったスープ。実は博多座の裏の「ニクスイハヤト」も古屋さんの店だとか（ほんとにいろいろなことされてますね！）。ごはんを入れて和風クッパにしてもおいしそう。
今回は盛合せにしましたが、「はやと特選コース」（3,850円）も古屋さんが厳選した肉がもりもり出てきてかなりオトクだそうです。90分の飲み放題付きだと6,050円。次はこれにしよっと。