グランドメゾン presents 「ハレの日レストラン」【第36回】

魚料理も格別!フレンチレストランの魅惑を伝える大手門の名店

公開日

最終更新日

ライター葉山巧

カメラマン平川雄一朗

ジョルジュマルソー魚2

大手門

RESTAURANT GEORGES MARCEAU(ジョルジュ・マルソー)

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2004年の開業以来、フランス料理の魅惑を伝え続ける「ジョルジュ・マルソー」。快い空気の中で、普段より特別な食事がしたい──そんな時、ここは最良の選択肢となるはずです。

ジョルジュマルソー外観

この夜、僕が訪れたのも、ささやかな記念日を祝うためでした。西中洲にあるカジュアル寄りの系列店「デフィ・ジョルジュ・マルソー」や、渡辺通の「パティスリー・ジョルジュ・マルソー」を利用したことはありますが、こちらの本店は初訪問です。快い高揚とともにドアを開けると、柔和なスタッフが迎えてくれました。

ジョルジュマルソー店内
ジョルジュマルソー店内2

格式と洗練が同居するフロアは、品の良いゴージャスさが好印象。ホッと心和むのは、天然素材の木と石を多用しているからでしょう。壁際のセラーにはワインボトルがズラリと並び、全部あわせた銘柄数は150以上に及ぶとか。
さて、今宵予約したのは11,800円のディナーコース。最近はコース1種類の高級店も目立ちますが、ここでは4種類から選べるので幅広い使い方ができます。当然、食材管理やオペレーションの難度も上がりますが、これはレストラン文化の普及に献身するオーナーシェフ・小西晃治さんの想いの表れだそうです。

ジョルジュマルソー店主1

長崎生まれの小西さんは、東京の実力店で腕を磨いた後、縁あって訪れた福岡で独立開業。1998年、警固に構えた「ビストロ炎(えん)」はほどなく人気店となり、さらに2004年、大手門に悲願のレストラン「ジョルジュ・マルソー」を構えます。が、最初の3年はかなり苦労したのだとか。
「福岡には5,000円ほどで楽しめる気軽な店が多く、レストランの経営は厳しいと痛感しました」と小西さん。その打開策に取った戦略が、当時フレンチ界ではまだ珍しかった“九州産食材の地産地消”であり、とりわけ徹底した魚へのこだわりでした。

ジョルジュマルソー前菜

そんな情熱を研ぎ澄ませたコースは、アミューズの後の前菜で、早くも客の心を掴みます。様々な食材を用い、コラージュのように散らした色彩のなんと美しいこと! 生命賛歌すら感じさせる瑞々しさに思わず見入ってしまいました。旬の野菜は、グリエしたり、出汁でマリネしたりと、すべて異なる技法で真価を発揮。そこへアンコウの肝と胃袋、マグロ、かぶらもちが食べ応えを加えます。

とても淡く、それでいて旨味がしっかりある味付けも絶妙。小西さんいわく「良いものを子供に食べさせたいと願う、親心を意識した一品です。他の料理にも言えますが、私は料理に塩をほとんど使いません。その代わりにコンソメ、フォンドボー、ブッフ、ヒュメ・ド・ポワソンなど、あらゆる出汁を取るのです」。膨大な仕事の根幹を支える優しさと愛情。その哲学が凝縮する、真に贅沢な定番品でした。

ジョルジュマルソー魚

これに続く魚料理は、ラタトゥイユのソースを添えたオコゼ。強火で短時間火入れして、プリッと仕上げた身のうまさときたらありません。そして、この美味しさの土台となるのが、先述した「魚へのこだわり」です。
鮮魚は主に唐津から届く活魚を使用。それに対して小西さんが、なんと自ら血抜きや神経締めを行うのです。その技術は水産庁のプロが認めたレベルで、これを魚屋に任せず、自前で行うことで、仕入れ値を抑え、極上の鮮度を確保できると言います。「ここまでやっているフレンチ店は全国でも少ないでしょうね」と小西さんが微笑みました。

ジョルジュマルソー肉2

肉料理は熊本産あか牛のロース、赤ワインソース添え。これもカリッとした表面の焼き具合と、しっとりした赤身のコントラスが珠玉です。「これは古典料理の一つですが、随所にイタリアンや和食などの技法を交え、料理をアップデートさせることも忘れません」と小西さん。「その先に目指すのは、福岡発のソウルフードです」
また野菜類を加えたベシャメルソースで作る特製グラタンや、ジャガイモのガレットなどの付け合わせも美味。細部まで隙のないクオリティでした。

ジョルジュマルソーデザート

モダンとクラシックが柔らかく融合するコースは、パティシエによるデザートで幸せなフィニッシュを迎えます。今日は紅玉のタルトタタン、サツマイモのクリームとマスカルポーネアイスクリームなど。上質な食事の幕切れにふさわしいスイーツです。

コースの品数は少なめですが、1皿ごとのボリュームは十分。「これも昔ながらのフレンチ様式ですね。こうした伝統も含め、レストランの様々な愉しみを次世代に繋げたい。それが今の私の夢です」。そんな小西さんの夢には、もちろん僕らが応援する価値があります。そのことを知る人々の輪が、この先もっと広がりますように!

この記事は積水ハウス グランドメゾンの提供でお届けしました。

店舗名

RESTAURANT GEORGES MARCEAU(ジョルジュ・マルソー)(店舗写真

ジャンル

  • フランス料理

住所

福岡市中央区大手門1-1-27大手門ウェルリバーテラス1F

電話番号

092-721-5857要予約

営業時間

11:45~OS13:30/18:00~OS23:00

定休日

月曜、その他不定休あり

席数

  • テーブル24席

個室

なし

メニュー

ランチコース2,900円・3,900円・5,900円・11,800円・スペシャル16,800、ディナーコース8,500円・11,800円・16,800円・スペシャル22,800円~ ※サービス料10%

喫煙について

禁煙
  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

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