あて巻き330円から！「これは通う」思わずうなった海鮮酒場

魚がうまい街・福岡には、数え切れないほどに魚推しの居酒屋がありますが……。またしても、い〜い海鮮酒場に出合ってしまいました。それも11月1日に開店したばかりの新店で、「博多 ほてい屋」の姉妹店というではありませんか。「博多 ほてい屋」といえば、福岡で10年以上続く人気の居酒屋、これは期待が高まります。

注目の新店の名は「ニカイノ魚」。場所は、上川端町・櫛田神社とキャナルシティのすぐそばです。赤い看板を目印に、ビルの2階へと上がりましょう。
「いらっしゃいませ！」と活気ある声が響く店内は想像よりも奥行きがあり、ゆったりとしたテーブル席とカウンター席が用意されていました。

早速お品書きを見てみると……むむむ、これは安いです！
料理は1品300円台からあり、「お造り」に「焼きもん」、「さんまのパテ」や「生うなぎパイ」といった気になる酒肴もめじろ押し。お酒のつまみにもなる細巻き寿司＝「あて巻き」は、何と19種類もあります。

加えて、ドリンクメニューにも驚きました。普通のレモンサワーは1杯209円から、焼酎は275円から、角ハイボールは308円。「青じそレモンサワー」や「ガリサワー」「かつおぶしサワー」といった大衆酒場的な一杯も揃っていて、これは酒欲をそそります。この他「天吹」や「山の壽」など、季節変わりの日本酒も6種類ほど揃っていましたよ。

メニューを見ながら、“こんなに安くていいんですか？”と思わず声を上げてしまいましたが、店長の吉川智文さんはにっこり。
「自分たちが行きたいと思える店、食べたいメニューを形にしました。『うまい！安い！早い！コスパ最高！』をコンセプトに掲げているので、なんとかギリギリの価格で頑張っています（笑）。その分、平日でもお仕事帰りにサクッと寄っていただいて、あれこれ飲んで食べて楽しんでもらえると嬉しいです」

さぁ、早速オススメをいただきましょう。
まずは「ニカイノポテサラ」(528円)を注文。何とイクラ、カニ、トビコがたっぷりとのっています。そして、ひと口食べて“これはちゃんとしたの使ってる！”とうなりました。イクラは臭みなく、カニはパサつきもなく、トビコは無着色でプッチプチ！　中心のポテサラは具なしのシンプルスタイルで、ほんのり甘い味付けが絶妙ですね。サラリとかけられた天カスもお店で揚げているもので、サクサクと実にいい仕事をしていました。

続いてはお店の名物でもある「あて巻き」を。“あて巻きが19種類もあるお店は、なかなかないですよね”と私が聞けば、店長の吉川さんは「かなり試作をしまして、これでも絞り込んだ方なんですよ」と笑顔に。

写真左は、うなぎの蒲焼と卵焼きを巻いた「うなぎ玉子」（418円）です。脂ののったうなぎもさることながら、玉子焼きにあおさが入っていたことにグッときます。「とろたく」は、1,078円とあて巻きの中で一番値が張りますが、その価値あり！　長崎県など九州産本マグロの中トロは質がよく、カリッとしたたくわんと海苔が美味しさをさらに引き立ててくれます。

お次は、吉川さんイチオシの「うなぎのかば焼き」(858円)を。「この価格でお出しできるのは、『博多 ほてい屋』で長らく信頼関係を築いてきた鰻専門の卸店のおかげです。うなぎ選びから焼き方、タレの味、本当にこだわりました」と、力を込めます。炭火で焼き上げた皮目はサクッと香ばしく、身はちょうど良い加減に脂がのっており、ふっくらとろりと美味しいです。1,000円アンダーでこのクオリティの高さとは、ちょっと驚きました。

そして最後は、数量限定の逸品「本まぐろ中とろ鉄なべ焼き」(1,408円)をオーダー。卓上ガスコンロとマグロ入りの鉄鍋、タイマーが客席に運ばれてきました。火にかけてまずは3分、ひっくり返して2分半、赤味噌ベースのタレと辛子を混ぜて絡めて出来上がり。中トロの表面はカリッと、中心はレアで、濃厚でピリッと辛い味噌の香ばしさもたまりません。ネギのうまさも相まって、日本酒が進む進む！

魚介の質が良くて価格は安く、思わず頼みたくなる気の利いた一品が揃う「ニカイノ魚」。お品書きを見た瞬間に感じた“この店きっといい店だ”という直感は、間違っていませんでした。これは通いたくなりますよね。みなさんも今夜あたり、ふらりと一杯いかがですか？