明るいうちから一杯もOK！古民家で手頃に炉端焼きを

西鉄薬院駅から徒歩約2分。薬院新川に架かる姿見橋の交差点から路地に折れ、さらに奥まった場所へと続く細道に入った場所にある「炉端 氷炭 薬院本店」。地図アプリを頼りにアクセスしても、道に出ている看板を目印にしないと見落としてしまうような、本当に目立たない場所にある炉端焼き店です。

まだ明るいうちから一杯やり始める東京・下町の酒文化を福岡にも根付かせたいと、約9年前の創業時から16:00オープンを貫いています。そして16:00〜18:30はハッピアワーで、生ビール、角ハイ、翆ジンソーダがすべて380円とお手頃になるということもあり、オープン早々お邪魔してきました。

店に入ってみると、焼き場を囲む形でカウンター席が配され、一人でふらりと立ち寄りやすい雰囲気。実際、仕事終わりにサクッと一人で飲んで帰る常連さんも多いそうです。

席に座るとお通し（300円）として季節の生野菜が出てきました。こちらの野菜は糸島の契約農家が育てているそうで、鮮度が違います。何も付けずに食べても野菜そのものの味わいが感じられて良いですが、添えられた自家製の肉味噌を付けて食べると、なおおいしい！　肉味噌の程よい塩気が野菜の甘味を引き立ててくれます。そしてうれしいのが、この生野菜は何度でもおかわり自由ということ。これは野菜好きにはたまりませんね。ちなみにこの日は青大根、紅芯大根、紫人参など、普段なかなか目にしない珍しい野菜が並んでいました。

生野菜をつまみつつオーダーしたのは、店の看板でもある炉端焼き。卓上のミニ七輪で焼きながら楽しむメニューで、大きく野菜、魚介、肉に分かれています。この日お願いしたのは「丸ピーマン」（180円）、「しいたけ」（280円）、「子持ちししゃも」（3本330円）、「厚揚げ」（280円）。中でも「丸ピーマン」はその名の通り、ピーマン丸々1個をそのまま焼いて味わうというもので、一度食べるとヤミツキになると評判だそう。確かにピーマンの甘さをダイレクトに感じられてクセになりそうです。ちなみに、お通しの生野菜を七輪で焼いて食べてもかまいません。

次は店長の宮内勇太郎さんおすすめの特選ホルモン焼です。こちらも自分で焼いて味わうメニューで、ミニ七輪の上に鉄板を置いて焼いていきます。「ミックスホルモン」（880円）、「コリコリミックス」（780円）など牛ホルモンをメインにしており、今回は人気No.1、2を争うという「上ハラミ」（1,580円）をチョイス。1人前ながらハラミが6切れのり、コスパ抜群です。塩、レモン、特製ダレの3種の調味料で味変しながらいただきます。噛むほどに旨味が染み出てくるのは厚切りだからでしょう。
一緒に「生レモンサワー」（580円）を注文すると、宮内さんが「レモンは当店の代表が糸島で栽培したものなんです」と教えてくれました。グラスの縁に塩を付けるスノースタイルで、新鮮なレモンのフレッシュな香り、爽やかな酸味が引き立ちます。これはホルモン焼きと相性抜群ですね。

次に定番の串焼きもいただきました。「かしわ」「ふりそで」「とり皮」「豚バラ」「砂ずり」の5種があり、すべて1本280円です。どれもネタが大きく、食べごたえがありますね。5本食べるとかなりお腹いっぱいになります。

最後に注文したのは“氷炭名物”を冠した「塩もつ煮込み」（580円）です。もつ鍋専門店も顔負けのプリプリとした牛の小腸を鶏ガラスープで煮込んだ一品で、お酒との相性は抜群。小腸は脂身が甘く、口の中で溶けていくほど柔らか！　ほとんどの客が注文するというのも納得のおいしさです。

古民家を改装した「炉端 氷炭」。店前にはテラス席もあるので、暖かい季節などは外で軽く一杯なんて楽しみ方も良さそうです。

※掲載している金額はすべて税別