春吉の人気和食店が赤坂へ移転。古き良き“ごはん屋”でほっこりと

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最終更新日

ライター葉山巧

カメラマン葉山巧

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赤坂

めしや 女とみそ汁

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丁寧な料理と接客で、10年にわたり客たちを癒してきた春吉の「めしや 女とみそ汁」。そんな人気和食店が、5月末にその灯を消しました。久々に覗きに出かけ、閉店に驚いた方も多いのでは?
が、ご安心を。実は建物の老朽化により赤坂へ移転済み。8月末からリスタートしているのです。

新生「女とみそ汁」は、筑紫女学園にほど近い、赤坂はなみずき通りから少し入った場所にありました。ユニークな店名も前のまま。女将の福味睦さんによると、作家・平岩弓枝氏の同名小説にちなんだ屋号だそうです。「昔、その小説のモデルになったというお店が清川にあり、父がそこの大ファンで。常々“あんな素敵な店を出せたらな”と語ってました」。その父とは、かつて一世を風靡した名店「たらふくまんま」の大将・菊池俊徳さん。後進育成にも尽くした福岡グルメ界のレジェンドです。

女とみそ汁スタッフ

惜しくも50代で逝去した菊池さんですが、その遺志は家族やスタッフに受け継がれました。亡くなる直前に「こんな店をつくってくれ」と託した夢は、娘の睦さん(写真左)や大将の奥さん、当時の弟子で睦さんのご主人でもある福味昌一さん(左から2人目)らの手で成就します。
「この店のテーマは“ほっこりするごはん屋さん”。美味しい魚料理やお惣菜、できたてのみそ汁などをお楽しみ下さいね」。睦さんがそう語る、どこか懐かしい匂いの「女とみそ汁」は2014年に開業しました。

女とみそ汁店内1

さて、カウンターとテーブル席のある空間がこちらのメインダイニング。カウンターの上には風格ある皿が飾ってありますが、これは「こだわりの器にも注目を」とのメッセージです。実際、味わいある作家ものがふんだんに登場するので、器愛好家の方は乞うご期待!

女とみそ汁大皿

移転前から好評を博す、きんぴら、手羽煮、南蛮漬けといった約10種の大皿料理も健在です。一見素朴ですが、どれも手間暇かけた美味揃い。ふわりと香る「古き良き食卓」の趣がたまりません。
まずはこれらをいくつか頼み、柳橋で目利きした天然魚介の料理を待つ……というのが王道の過ごし方。地酒をお供に、気の置けない時間がゆったりと流れます。

女とみそ汁肉じゃが

メニューもなかなか豊富な品揃え。でも、まずはこれがマストでしょう。菊池さんの代表作の一つで、「柳町 一刻堂」などの「たらふくまんま」卒業生にも継承された「和牛カルビ肉じゃが」(1,000円、写真は2オーダー分)です。
6時間かけて仕込むカルビの圧倒的なうまさに加え、ニンジン、ジャガイモ、タマネギもコクと旨味がたっぷり! 売切御免の傑作料理ですよ。

女とみそ汁アジフライ

同じく、熱々の「アジフライ」(4つ入り/1,850円)も超お勧め。近海産のアジに生パン粉をまぶし、高温&短時間でざっくり揚げた逸品です。自家製ラッキョウ酢とピクルスを加えたタルタルソースも名脇役で、一口食せば即陥落。世は空前のアジフライブームですが、職人仕事が生むこの一品には貫禄や円熟さえ感じます。

女とみそ汁おにぎり1

そして、もちろんシメは「おにぎり」(400~600円)と「みそ汁」(500~600円)の黄金コンビ。どちらもメニューは10種前後ありますが、今宵はシンプルな「しお」(400円)と「なめこ」(500円)を選びました。

新潟産の指定銘柄米を使うおにぎりは、周囲をしっかり閉じた形に整える“菊池流”です。「父が考案した握り方で、こうすると中心部の米がふっくら立つんです」と睦さん。煎り塩が引き立てる、まろやかな甘みも特筆ものでした。

さらに、注文後に1杯ずつ仕立てるみそ汁がまた秀逸。つるりとしたなめこの舌触りや、香りづけの大根おろしも絶妙なアクセントです。

女とみそ汁テーブル
女とみそ汁店内3

ともあれ、移転後も良い意味で変わらぬ「女とみそ汁」にひと安心。「でも、一つ大きな変化がありました」と睦さんが目を細めます。近隣が文教地区や住宅街のため、ファミリー層の来店が増えたのです。新たに設けた半個室も、使い勝手を広げた要因でしょう。

そして最後に「今後はお子様連れでも気軽に来れる、ちょっぴり贅沢なごはん屋さんを目指します」と頼もしい一言。「元々“めしや”ですから、お酒抜きでも大歓迎ですよ」。この種の店に縁遠かった人も笑顔になれる、和やかなオアシスになりそうですね。そんな“素敵”が形となって、菊池さんの夢が、いま赤坂で花開こうとしています。

女とみそ汁メニュー1
女とみそ汁メニュー2
女とみそ汁メニュー3

店舗名

めしや 女とみそ汁(店舗写真

ジャンル

  • 日本料理

住所

福岡市中央区赤坂3-10-49 赤坂山愛マンション2F

電話番号

092-713-6056

営業時間

17:00~OS23:00(日曜16:00~OS22:00)

定休日

月曜、月1回日曜

席数

  • カウンター8席
  • テーブル26席
  • 掘りごたつ12席

個室

なし

メニュー

アジフライ(4つ入り)1,850円、しおおにぎり400円、みそ汁(なめこ)500円、刺盛2,800円~(注文2人前より)、和牛カルビ肉じゃが1,000円、菊池豚ロースカツ2,200円、なすのそぼろ煮800円、手羽煮400円、車海老天むす1,400円

喫煙について

禁煙
  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

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