酒場として食事処として、誰もが好きなスタイルで楽しめる天ぷら店

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最終更新日

ライター木下貴子

カメラマン木下貴子

なすびアイキャッチ

平尾

天ぷら なすび

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福岡で天ぷらといえば「博多天ぷら」として定着した定食スタイルの大衆店か、あるいはコース主体の高級店がほとんどでしたが、ここ数年、その中間に当たる天ぷら酒場が徐々に増え、天ぷらの楽しみ方のバリエーションを広げてくれています。そんななか、酒場のみならず食事処としても活用できるお店をUMAGAが見つけました。

なすび内観

店主・柿本博史さんは朝倉市のご出身。東京に出て飲食と無関係の職種で働いていましたが、28歳のときに「何かのプロフェッショナルになりたい」と思いたち、福岡に戻り「博多天ぷら たかお」に入社しました。「東京にいたときにずっと博多天ぷらのすごさを感じていたんです」と柿本さん。「たかお」で博多天ぷらのノウハウを学んだあと、「天ぷらをもっと極めたい」と江戸前の天ぷら屋や魚屋にも勤めトータル10年間で基礎を築き上げ、2020年に「なすび」を開きました。

なすびメニュー

博多天ぷらも江戸前の天ぷらも経験したうえで、柿本さんがやりたいと思ったのがまさにその中間に当たる天ぷらのお店でした。「昼はご飯物を主体に、夜は焼鳥屋のような感覚でふらっと入れる天ぷらとお酒が楽しめる店にしたくて」と話します。品書きを見ると確かにそのとおりで、「天ぷらおまかせ5種」が1,500円という手頃な価格です。「もちろん夜もお酒メインではなく、お食事処としても使っていただきたい」と、「活〆対馬産 炙り穴子刺し」(980円)、「季節野菜と豆腐の揚げ出し」(600円)といった天ぷら以外の一品物、「夜定食」(2,380円)などのご飯物も用意されています。

なすびメニュー

天ぷらは単品もありお好みで注文もできます。このメニューのほかにも、旬の食材による日替りのネタもあります。

なすびおまかせ

夜定食や丼ものにも惹かれましたが、今日はお酒を飲みたい気分です。お酒のアテになりそうな「おまかせ5種」をまず注文しました。おまかせは定番と旬の具材がミックスになっていて、この日は太刀魚、舞茸、ササミ大葉、海老、ダイコンです。
「薄衣はあまり食事向きではないので」と衣はやや厚めにつけられています。ですが軽やかにサックリ揚げられていて、しつこさがありません。素材の鮮度やもち味を損なわないよう注力して揚げられるため、たとえば太刀魚のふっくら感、舞茸の甘み、ふんわりしたササミ肉、海老のぷりぷり感など食感や旨味が最大限に引き出されているように感じました。ダイコンは一度炊いたものを揚げていて、これまたジューシーな美味しさです。なお写真は1皿に乗せていますが、通常は箸の進み方に合わせて数回に分けて揚げてくれます。

なすび本ししゃも
なすび柿

まだ食べられそうだったので単品から変わり種を2つ注文し、まずは北海道産の「本ししゃも」(490円)をいただきました。希少な本シシャモですが躊躇せず頭からガブリといただくと、繊維ある?と思うほどとろけるように繊細な柔らかさです。そして、写真を見るとここの天ぷらがいかにカラッと軽やかなのかがわかるはず。何せシシャモがヒレで立っているのですから。
次にいただいた朝倉産の「太秋柿」(200)の天ぷらは、「火を通すと柿ってすごく甘くなるんです」という柿本さんの言葉どおり自然のままでなんたる甘さ! サクっとした衣と果実のとろける甘みで、まるでアップルパイのようでした。
ほかにも「すいーとぽてと」(280円)や「手羽先」(350円)といった変わり種がいくつもあり、これからの冬場は白子や真牡蠣なども登場するそうです。

なすび天茶

そして最後に「おにぎり天茶」(700円)をいただきました。天茶というと天ぷらやかき揚げをご飯に乗せるのが一般的ですが、こちらはご飯にかき揚げの具材を混ぜておにぎりにし、それを天ぷらにしたものに茶出しをかけてあります。おにぎりの味自体に深みがあり、聞けば具材を7〜8種類も入れているとか。味もボリュームも満点です。

この価格帯で大満足でき、コストパフォーマンスの高いこと! コースも4,900円で小鉢、対馬産炙り穴子刺し、旬の天ぷら9品、シメのご飯物(「かき揚げ小天丼」or「おにぎり天茶」)というお得な内容で、次回はコースを試したくなりました。

酒場と食事処のハイブリッドなお店ゆえ、飲む人でも飲まない人でも、家族連れでも、誰もが各々のスタイルで天ぷらが楽しめます。また昼も定食や丼ものメインではありますが、天ぷらの単品もあり昼飲みもできます。さらには、その時々の気分やシチュエーションで使い分けられる、まさに「こんな天ぷら店がほしかった」と思えるようなお店です。

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店舗名

天ぷら なすび(店舗写真

ジャンル

  • 天ぷら

住所

福岡市南区大楠2-17-5

電話番号

092-521-0030

営業時間

11:00〜OS14:00/17:30〜OS21:00

定休日

水曜

席数

  • カウンター8席
  • テーブル24席

個室

なし

メニュー

天ぷらおまかせ5種1,300円、なすびコース4,900円、活〆対馬産 炙り穴子刺し980円、できたて厚揚げ460円、海老天むす490円、夜定食2,380円、上天丼1,780円、穴子小天丼800円、おにぎり天茶700円
【天ぷら単品】活〆対馬産穴子580円、キス580円、長崎産サバ290円、すいーとぽてと280円、手羽先350円、赤茄子250円、まるごとピーマン250円

喫煙について

喫煙可能スペース有り/屋外
  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

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