福岡カフェ巡り【1】

フレンチ仕込みの本格的な一皿に出会える西新の隠れ家カフェ

公開日

ライター森脇美奈

カメラマン森脇美奈

西新

café Connu(カフェ コニュ)

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福岡にはたくさんの素敵なカフェがあり、SNSなどを通してさまざまな情報を得ることができます。そのなかでも、実際に足を運んでみたいと思うカフェは何かしらの魅力が写真や言葉を通して伝わってくるものです。今回訪れた西新「café Connu」もそんなお店のひとつ。多くを語らずとも丁寧に作られていることが感じられるInstagramの料理やデザートの写真は興味をそそられずにはいられません。

cafe Connu外観
cafe Connu

2021年に、地下鉄西新駅から歩いて10分ほどの住宅街にあるアパートの1階にオープンした「café Connu」。店名の「Connu(コニュ)」には、フランス語で“知られている”という意味があり「言葉の響きを気に入って付けたのですが、多くの人に知ってもらえたらという思いも込めています」と店主さん。

cafe Connu店内
cafe Connu店内

以前は住居だったという空間は雰囲気よくリノベーションされています。配管や電気系統などは業者に依頼して、カウンターの造作や壁の塗り替えなどはDIYしたそう。店内にはテーブル席が2卓、テラスには1卓あり、タイミングによりますが、人気店なので休日は並ぶこともあるそうです。カウンターに並ぶドーナツやケーキ、焼菓子などはテイクアウトも可能です。

cafe Connu料理

店主さんは1年ほどフランスで暮らしたことがあり、またフランス料理店で働いていた経験からメニューにもそのエッセンスが散りばめられています。店内の黒板にその日のメニューが書かれた“Casse-croûte(カスクルート)”はフランス版のサンドイッチ。「サバサンド」(950円、スープ付き)と「パテドカンパーニュ」の定番2品のほか、1~2か月で内容が替わるカスクルートが1~2品用意されています。

cafe Connu料理
cafe Connu料理

カスクルートはどれも、一皿の料理を表現するというコンセプトで作られていて、「サバサンド」はエスカベッシュをイメージしているそう。お店のInstagramの写真を見るとその意味がよくわかります。

全粒粉を混ぜ込んで粒感ともっちり感を引き出した自家製パンに挟むのは、クミンやコリアンダーなどのスパイスをまぶして揚げたサバ、ビネガーで蒸し煮にしたパプリカやオニオン、セロリ、そしフレッシュなレタスやコリアンダーなど。説明を聞いているだけで食欲をそそられますが、実際に食べてみると酸味や甘味、旨味などさまざまな味わいが交錯し、調和の取れたおいしさが口の中に広がります。時折ホールスパイスの食感と香りを感じたり、ふと感じるソースのナンプラーがアジアンテイストを思わせるなど、食べていて楽しい一品です。一緒に提供されるスープの内容はその日によって異なり、この時はマッシュルームのスープでした。こちらも丁寧に作られていることが感じられる深みのある味わい。スープが入るオールドノリタケのデミタスカップも素敵です。

cafe Connu料理

季節に合わせて変わるスープも人気のメニュー。生の栗を茹でて中身を取り出すことから始めるという「栗のポタージュ」(1,600円、サラダ・パン付き)は、炒めたエシャロットにフォンブラン(鶏のブイヨン)を加え、ふんだんに栗を合わせて作られていて、栗の甘味やこっくりとした味わいが存分に引き出されています。表面に散りばめられた栗やベーコン、クルトンも味や食感のいいアクセントになっていました。

「フランス料理店で初めて働いた時に、なんでも手をかけて一から作ること、そして作られたもののおいしさに感動しました。フレンチをベースにした料理を作っているいまも、その時の気持ちを大切にしています」と語る店主さん。こちらの料理が創意工夫のうえ作られていることを感じられるのは、その経験に基づくものなのですね。

cafe Connuドーナツ

お菓子のメニューから、ドーナツもいただきました。ドーナツはシュガードーナツと、9月末~6月頃の涼しい時期限定のグレーズドドーナツがあります。「シュガードーナツ」(400円)は注文ごとに揚げたるためできたて熱々。フランスで親しまれる揚げ菓子「ベニエ」をイメージしているそうでもっちりとした食感です。異なる生地を使ったグレーズドはふわっとした食感の生地。グレーズドはレモン、アールグレイのほかにこの日は「キャラメルナッツ」(410円)がありました。どちらも甲乙つけがたいおいしさなので、両方味わってみることをおすすめします。

そしてやさしい口当たりのフォームドミルクや程よい苦みの余韻が心地いい「カフェオレ」(610円)は、パリのトラディショナルなカフェで飲んだものを思い出すような佇まいと味わい。薬院「cafe MARUGO(カフェマルゴ)」のシングルオリジンのコーヒー豆がドリンクに合わせて選ばれています。

cafe Connu店内
cafe Connuコーヒー

水蒸気圧で抽出する「マキネッタ」を使っているのもめずらしいですね。エスプレッソマシンとドリップの間くらいの濃さで抽出されるそうです。

カフェでありながら、手間暇を惜しまず作られた満足度の高い料理も楽しめる「café Connu」。人今後は席を増やしたり、料理を充実させていく構想もあるそうなので、再び訪れる日がますます楽しみになりました。

店舗名

café Connu(店舗写真

ジャンル

  • カフェ

住所

福岡県福岡市早良区西新6-10-10

電話番号

なし

営業時間

10:00~20:00(OS19:00)

定休日

水曜+不定休

席数

  • テーブル4席
  • テラス2席

メニュー

サバサンド(スープ付)950円、シュガードーナツ400円、コーヒー590円、カフェオレ610円、チャイ610円、クラシックショコラケーキ700円、チーズケーキ700円

喫煙について

禁煙
  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

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