グランドメゾン presents 「ハレの日レストラン」【第66回】

カウンターでコース料理をお気軽に。高砂の隠れ家レストラン

公開日

ライター葉山巧

カメラマン平川雄一朗

kawamuraフォアグラ

高砂

La cuisine de KAWAMURA (ラ・キュイジーヌ・ド・カワムラ)

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リラックスした空気の中で、美味しいフレンチが食べたい──。不意にそんな欲求が湧いた時、訪ねたいのが高砂の「La cuisine de KAWAMURA」です。場所はホテルニューオータニ博多近くのビル2階。古めかしい階段や通路はどこかダンジョンめいて緊張しますが、こういう感じ、嫌いじゃありません。掛かる看板も控えめで、まさに知る人ぞ知る趣の一軒です。

kawamura店内

店内にはカウンター6席と、4名までのテーブル1卓を完備。狭苦しさはまるでなく、むしろ温かい繭(まゆ)のような雰囲気が居心地よさを物語っています。
そして、キッチンには歓待の笑みを浮かべる河村健志さんの姿が。かつて磨いたイタリアンのエッセンスも織り込みながら、理想の美味を追求するオーナーシェフ兼ソムリエです。最初に出会って10年以上経ちますが、料理への情熱と人好きする柔和な物腰は昔のまま。きっと「河村さん目当て」の常連も多いことでしょう。

kawamuraフォアグラ

さて、こちらでは7,700円と11,000円のおまかせコースを用意。記念日利用の場合は、客の要望を反映できる16,500円~22,000円のスペシャルコースがお勧めです。今宵、僕が予約したのも16,500円コース。まずはスペイン産栗のポタージュで幕を開け、次に温菜の甘鯛鱗焼きが供されます。ソースがわりに添えた、モン・サン・ミシェル産ムール貝のクラムチャウダーも格別でした。

そして3品目にはお待ちかね、店自慢のフォアグラが登場。ソテーした半生状のフォアグラを、マデラ酒の甘いソースでいただきます。卵黄と組み合わせるのが斬新で、甘み&とろみの相乗効果は想像以上。すき焼きにも似た口福が包み込む珠玉の一皿です。なお、このスペシャリテはすべてのコースに付きますよ。

kawamura魚料理
kawamuraパン

続く魚料理は、旬のポルニーチ茸とトラフグのパイ包み。単体で調理せず、あえて手間のかかるパイ包みにしたところに河村さんの“古典料理愛”を感じます。
パイを破ると立ち込める、茸の豊かな香りがたまりません。具材もシンプルにマリネすることで、逆に食材のインパクトを強めていました。「1皿に乗せる要素は3つまで。そのトライアングルが僕の料理の基本です」と河村さん。「食材への敬意もありますし、ただ“美味しい”だけじゃなく、お客様には“何が美味しかったか”を記憶してもらえたらと願っています」
また、一緒に出された自家製フランスパンもかなり印象的。10年以上試作して到達した味だそうで、パンマニアはこちらにも乞うご期待!

kawamura肉料理

終盤の肉料理は、見事に火入れした広島産の猪でした。河村さん曰く「広島〜岡山エリアは餌の質が良く、うまいジビエが多いんです」。その言葉に嘘はなく、上品な旨味と野生味が凝縮するヘルシーな赤身は絶品至極。ジビエという大自然の恵みに胸打たれる逸品でもありました。
ここまでのボリュームも満点ですが、不思議と「まだまだ行ける」気もします。バター類を惜しまず使うクラシック寄りの料理ですが、不思議と食後感が軽いのは、ソースなどの酸味で巧みにバランスを取るからでしょう。「KAWAMURA」に熟年ファンが多いのは、この快い余韻にも理由がありそうですね。

kawamuraデザート
kawamura店主

そんな充実のコースも、このバスク風チーズケーキで終幕。隠し味のゴルゴンゾーラが、酒にも良く合うアダルト感を醸していました。すべてを完食して思うのは、本当にどの料理も存在感が抜群なこと。河村さんが生むピースな空気も含め、なんとも忘れ難い一夜になりました。

3,800円のコースを提供する「グリルかわむら」として開業して17年。月日と共に進化を重ね、今や様々な目的で使えるレストランとなった「KAWAMURA」ですが、当時の親密さが不変なのは嬉しい限り。料理にも河村さんのたゆまぬ努力や信念が窺え、改めてエールを送りたくなります。
「食材高騰は続いてますが、なるべく原価をかけて皆様に喜んでほしい。その姿勢はずっと変わりません」。7,700円の値頃なコースを残したのもその現れで、特に「若い世代がフレンチや外食文化に触れるきっかけに」との想いを込めたとか。そうした慈しみが満ちる“気取らぬ隠れ家”に、一度足を運んでみませんか?

この記事は積水ハウス グランドメゾンの提供でお届けしました。

店舗名

La cuisine de KAWAMURA (ラ・キュイジーヌ・ド・カワムラ)(店舗写真

ジャンル

  • フランス料理

住所

福岡市中央区高砂1-22-1 アーク七番館2F

電話番号

092-210-4673前日までに要予約

営業時間

18:00~22:30

定休日

日曜、他不定

席数

  • カウンター6席
  • テーブル4席

個室

なし

メニュー

おまかせコース(前日まで要予約)7,700円・11,000円、スペシャルコース(3日前まで要予約)16,500円~22,000円、グラスワイン1,100円~、ワインペアリング3,300円(3杯)

喫煙について

禁煙
  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

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