リレーエッセイ「トマトラーメン三味のここが凄い!」
冷麺にヤミツキ必至のパンプキンラーメンまで!?変幻自在な“健美ラーメン”

今年10周年を迎えた「トマトラーメン三味」。この10年間で豚骨の聖地・博多でラーメンの新ジャンルを確立しました。その魅力をUMAGAのライターがそれぞれの視点で紹介するリレーエッセイを10回の連載でお届けします。
第4回目は森絵里花さんです。
噂の「元祖トマトラーメン」もう食べた?

万太郎さんの記事で大胆な経営戦略について知り、デビさんの記事で食べ放題コースに驚愕し、木下さんの食レポを読んだら、もう「元祖トマトラーメン 三味」が気になって仕方ありませんよね? 私も一読者としてリレーエッセイを楽しく読み進めながら、ふと不安にもなりました。
「ここまで紹介したら、もうネタないんじゃない……?」と。

でも、そんなのはまったくの杞憂でした。訪れたのは、2016年10月に開店した2号店「元祖トマトラーメンと辛めん 三味(333)十日えびす店」。別名“健美ラーメン”とも呼ばれる野菜ラーメンの開発を行うセントラルキッチンを併設した店舗で、夏にぴったりの冷麺やヤミツキ必至の限定メニューが隠されていたんです。

入口に券売機があり、店内にはゆったりとしたテーブル席と1人でも立ち寄りやすいカウンター席を用意。平日の夕方、しかも外は土砂降りだというのに、親子連れから女子高生、仕事終わりのサラリーマンまで、幅広い世代で賑わっているのにも驚きました。
「冷麺」があるって知ってた?
さぁ、気になるメニューをいただきましょう。私は以前から「三味」を利用していて、朝方のトマトラーメンに癒されたり、時間とお金を節約したい時にUber(安い!)を注文して助けられたこともあります。10周年を記念した3種のラーメンが390円になる大サービス企画(※1)もチェック済み。

しかし、これは知りませんでした。
通年、冷麺(※2)を提供していたなんて! 冷たい丼に入って登場したのは「元祖トマト冷麺」(980円)。「アメーラ」や「アイコ」をはじめとしたフルーティーな銘柄トマトに豚しゃぶ、半熟卵、さっぱりシャキッとしたキムチなど具だくさんです。
※1=天神大名総本店は、平日8:00〜23:00まで。十日えびす店・博多駅東店・古賀駅店は、平日ランチ(〜14:00)限定で3種のラーメンが390円に!
※2=古賀駅店、水巻みどりんぱーく店は除く

焦しニンニク入りオリーブオイルをベースに、3種類の銘柄トマトと10種類以上の香味野菜をブレンドして開発されたスープは冷製にしてもおいし〜! トマトのみずみずしさやピュアオリーブオイルの風味がより際立つようで、ごくごくと飲み干したくなります。冷水でしっかりと締めた、弾力のある中太の卵麺も相性抜群。


「元祖豆乳ラーメン」をアレンジした「元祖豆乳冷麺」(980円)もありますよ。麺に馴染むよう、冷麺のスープには少しだけ胡麻ペーストも加えているそうですが、これもいい! クリーミーでまろやかなのに後口はサラッとしていて、身体にスーッと涼感が染み渡ります。
屋台料理もあるって知ってた?

福岡の屋台名物・焼きラーメンも「三味」にかかればこの通り。エビ、イカ、アサリといった魚介たっぷりの「元祖焼きトマトラーメン」(980円)に。キャベツや魚介の旨味が加わったトマトスープとそれをしっかり吸い込んだ麺がうまい! これはお酒のお供にも良さそうです。
トマトだけじゃないって知ってた?

続いては、何度も試作を重ねて完成したという「十日えびす店」限定のメニュー「元祖パンプキンラーメン」(680円)をチェック。これは個人的に衝撃でした、トマトじゃない……だと?
蒸したカボチャをピューレにして、野菜の出汁を合わせたスープはとろり滑らかでポタージュのよう。砂糖ではなくナチュラルなカボチャ由来の甘味にも驚きです。細麺にスープがよく絡み、スルッと食べられて、かなりクセになります。トッピングのホウレン草、豚肉、根付きの株ごと仕入れ、筋を取り、繊維に沿って縦切りされたフレッシュのセロリがまたいい仕事してる!

スープを飲み干してしまいそうになりますがグッと我慢して、締めにはイタリアのチーズ「グラナ・バダーノ」を加えたリゾット(+300円)に。こんなのおいしいに決まってるよ!と、思わず笑ってしまいました。甘い料理が苦手な方には向かないかもしれませんが、子供や女性はきっと大好きな味のはず。他の店舗でも提供したら大ヒットしそうなのに、それをあえてしないのがなんとも奥ゆかしいですね。手間かかってるもんなぁ。

「三味」で大人気のサイドメニュー「チャーハン」にキムチをたっぷりと加えた「キムチチャーハン」(650円)も「十日えびす店」限定。しっかりと鍋で煽っているので香ばしく、「グラナ・バダーノ」もよく合います。
細やかな気配り!
子供や女性にも優しいラーメン店

オリジナルキャラクター「とまプリ」や「超辛麺侍」をあしらった有田焼の丼。なかにはおみくじ付きやハロウィン限定デザインも
こんなに魅力的なメニューが隠れていたなんて、やっぱりすごいぞ、三味!
そしてさらに、料理以外でも“ここが凄い”と感じたポイントがありました。「元祖トマトラーメン 三味」は「“普段あまりラーメンを食べない”という女性や子供、健康を気にする方にもおいしく楽しんでもらいたい」と生まれたラーメン店。その思いが、接客やオリジナルデザインの丼、カトラリー、アメニティといったサービスにも息づいているんです。


食べやすさを考えた結果、レンゲは5種類(写真左)を揃え、メニューによって提供するものを変えています。しっとりした肌触りの高級ティッシュ(ローションティッシュ)や厚みのあるおしぼり、上質な紙エプロン、子供用の食器、その他女性用品など、アメニティも充実。「大名総本店」や「十日えびす店」といった女性の来店が多い店舗には、可愛い特注のハートのお箸(写真右)まで用意しているそうです。

「女性をはじめ、お客様の厳しいご意見が私たちの糧です。ラーメンやリゾットは、リリース前に女性のお客様にご試食いただき、そのアンケートを元にトライアンドエラーを繰り返し、ブラッシュアップさせています。ラーメンの塩分は創業時に比べて1/2の量に改良しましたし、実はカブなどの旬野菜を使ったラーメンも作っているんですよ」と宮下将司社長。女性が安心して足を運べるお店づくり、子供から大人まで楽しめるメニュー開発を常に心がけていると言います。こうしたホスピタリティの高さや真摯な姿勢が、長く愛されている秘密なんですね。
【おまけ】
万能トマトスープが、本当に万能だった!

木下さんの記事で紹介されていた「万能トマトスープ」(1袋390円・3袋セット1,000円)、私も気になって購入してみたところ……本当に万能でした!
トマト鍋はもちろんですが、鶏肉・お米と一緒に炊飯器に入れれば“プロっぽい香り”のするチキンライスに。麺を茹でずにフライパン一つで作る流行りのワンパン パスタ(写真)もびっくりするくらい簡単に出来上がり(1袋でライス3合分、パスタは約2人前作れました)。忙しい人の味方すぎるので、こちらもぜひチェックしてみてください。
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店舗名
元祖トマトラーメンと辛めん 三味(333) 十日えびす店(店舗写真)
ジャンル
- 居酒屋
- ラーメン
住所
福岡市博多区千代1-23-29 2号館(元祖トマトラーメンビル)1F
電話番号
営業時間
11:00〜23:00(ランチ〜OS14:00)
定休日
なし
席数
- カウンター11席
- テーブル39席
個室
なし
メニュー
元祖トマトラーメン・元祖豆乳ラーメン・元祖パンプキンラーメン 各680円、味噌辛麺720円、シメのチーズリゾット+300円、元祖トマト冷麺・元祖豆乳冷麺・元祖焼きトマトラーメン 各980円、キムチチャーハン650円
喫煙について
- ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
- ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
- ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
- ※OSはオーダーストップの略です。
- ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
- ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
- ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。
記事に関する諸注意
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