筑後エリアの人気ラーメン店「我ガ」「しのわ」が今泉に初進出

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ライター上村敏行

カメラマン上村敏行

今泉

無化調醤油ラーメン しのわ 今泉店、麺屋 我ガ(GAGA)天神店

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「え!? あの名店がついに福岡市内に!」。
コアなラーメン好きにそう言わしめる「麺屋 我ガ」が8月23日、そして「しのわ」が9月17日、同じ今泉エリアに立て続けにオープンしました。前者は通称“小郡系ラーメン”の一角、後者は久留米では稀有な無化調醤油ラーメンで勝ち抜いてきた店です。果たして博多っ子の胃袋も掴むことはできるのか? 早速行ってきました。

無化調醤油ラーメン しのわ 今泉店(今泉)

本店は久留米市・東櫛原町にあり、初の支店を福岡市今泉にオープンした「しのわ」。
「久留米の人気店が福岡にやってきた」と聞くと、真っ先に“豚骨”を連想するかもしれませんが、同店は醤油一本。しかも、2002年の開業から屋号に掲げる通り、“無化調醤油ラーメン”を貫いています。

しのわ無化調ラーメン

無化調(無化学調味料)。昨今は「うま味調味料を使わない」と表現することが多いですがとにかく、豚骨ラーメンの聖地・久留米においての非豚骨、無化調の先駆け的存在、もっと言うと約20年も前にラーメンと自然派ワインを楽しむスタイルを打ち出した革新的な店。それが「しのわ」なんです。

僕自身、本店ができてすぐ取材で訪れていて、店主の稲益誠之さんに「もとより大のワイン好きで酒店を営んでいたこと」「豚骨一辺倒の久留米で化学調味料に頼らない醤油ラーメンで勝負したかった」との思いなどを聞いていたのですが、今回の今泉店の開業は本当に驚きました。なんてったって約20年越し、まさに満を辞しての福岡市初進出となるのですから。
なぜこのタイミングで? その経緯を教えていただきました。

しのわ店主平岡さん

まず、今泉店の店主となったのは平岡良崇さん(写真)です。18歳で料理の道に入りこれまで20年、和食を中心に腕を磨いてきました。修業先である春吉「藁焼 みかん」で働いていた時に出会ったのが、店にワインを卸している「I.N.U.wines」の稲益誠さんです。実は、誠さんは「しのわ」店主の息子。父の影響を受け、彼自身はワイン、それもヴァン・ナチュールの道に進んでいました。「高齢となり、いつまで続けられるか分からないオヤジのラーメンを熱意のある人に継いでほしい」。誠さんのその思いに応えたのが「みかん」をきっかけに親交を温めていた平岡さんだったというわけです。

「無化調であるからこそ、一滴まで大事にスープを取りたい」。
開業前に久留米の本店に通い、ラーメン作りをとことん学んだ平岡さんはこう話します。

豚骨と鶏ガラの肉系と多彩な魚の節、貝柱などで取る魚介系を別取りして合わせるダブルスープで、醤油は開業時から変わらず兵庫県「矢木醤油」を使っています。

「無化調醤油ラーメン」(800円)のスープを飲むと、いや〜、深い。九州の醤油ではないので、いい意味で“独特さ”を感じるかもしれませんが、素材の旨味が幾重にも広がり舌をたゆたいます。無化調だから上品繊細という感じでは決してなく、煮干し油、サバ油などのパンチも程よく効いた醤油ラーメン。麺は中太のゆるやかウェーブで約130gあります。豚骨の猛者ぞろいの久留米でも、長きに渡り存在感を放ってきたのもうなずける味ですね。

しのわラーメン海苔

また、ラーメンのバリエーションで「海苔ラーメン」(900円)も試してほしいです。
こちらの海苔は、最近こだわりの店でよく聞く柳川市「成清海苔店」の大判のものを使用。
別皿で添えられる海苔を好きなタイミングでスープに浸すと、しだいに“溶けて”いき、麺やチャーシューにトロトロと絡んできます。スープの表面は真っ黒くなりますが、これがまたうまいんです。

しのわ内観

夜は、店主の平岡さんのこれまでの料理の経験を発揮した「出汁巻玉子」(600円)、「明太さつま揚げ」(500円)、「揚鶏山椒スパイス」(500円)など一品料理の数々が揃います。
「いぶりがっこチーズ」(550円)などライトなつまみ共に自然派ワインをグラスで軽く一杯、なんて使い方ができるのもいいですね。ワインは大きなセラーに並ぶボトルから、グラスワインも白、赤、オレンジ、ロゼ、泡など多彩にあり1杯800円から頼めます。もちろん、夜も無化調醤油ラーメンが楽しめますよ。

久留米の「しのわ」を知る人だけでなく、知らない人も単純に「ラーメンもうまい今泉のワイン食堂」として気軽に利用してほしいですね。

しのわメニュー夜

麺屋 我ガ(GAGA)天神店 (今泉)

僕の「我ガ」との出会いは、2013年に「小郡本店」がオープンしてすぐでした。あの“超有名店”の初代・中原貞之・圭子夫婦のラーメンに親しんできた地元出身の店主がレシピを伝授されて開業した。という驚きのニュースは麺好きの間に一気に広がり、郊外の立地ながらすぐさま行列店となりました。“小郡系ラーメン”という言葉が出てきたのもこの頃からだったと記憶しています。

我ガラーメン(食事台入り)

真っ赤な辛味タレが顔の豚骨ラーメンのうまさはもちろんですが、僕は店主・古賀大順さんの独特な“世界観”が好きですね。
まず屋号がイイ! 数あるラーメン店の中でも個人的にお気に入りの字面と響きで、約10年前にでてきた時には膝を打ちました。これは「我が道をゆく」からきているのですが、“我が”をガガと読ませるのはなかなか思いつかない秀逸な命名だと思います。そしてトレードマークの燃えさかる太陽、竹を配した和モダンな店内、丼の表ではなく側面と底に力強く描かれた「我ガ」の文字など、どれも古賀さん自らデザインしたもので、彼の“勢い”“男気”がビシバシと伝わってきます。

我ガ丼ぶり1
我ガ丼ぶり2

さらには、「小郡本店」「久留米バイパス店」、そして新店「天神店」全てそうですが、店先にかかる白い暖簾の右隅を見てください。師匠である中原夫婦の名前をさりげなく掲げているんです。感謝の気持ちを忘れない。古賀さんのそういう人柄も好きですね。

我ガ外観2

大量の鹿児島産豚頭を20時間以上かけて炊き上げるスープは、クリーミーかつ濃厚な味わいで、そのうまさは「天神店」でも変わりなし! 僕は「味玉らーめん」(850円)と「高菜巻きおにぎり」(100円)のセットで満喫しました。
シャキシャキのみずみずしい高菜おにぎりが、まろやかな豚骨スープと合うんです。
子供も食べやすいようにと辛味タレの辛さを抑えてあるのも「我ガ」の特徴で、麺はしなやかなコシのある自家製の細ストレート麺を使っています。

我ガ高菜巻きおにぎり

「天神店」の場所は、今泉スクエア1階にある「もつ鍋 越後屋」の横の細いアプローチを進んだ奥。
店には6名テーブルの特別室が2室あり、当日朝から電話にて予約可能(チャージ料45分2000円)。「特別室は小さなお子様連れのファミリーにも使っていただければ」とのことです。

来福客を胸を張って連れて行ける豚骨ラーメン店が、天神エリアにまた一つ増えてうれしいですね。

我ガメニュー表

店舗名

しのわ 今泉(店舗写真

ジャンル

  • 居酒屋
  • ラーメン
  • ワインダイニング・ワインバー

住所

福岡市中央区今泉1-18-18

電話番号

092-753-6775

営業時間

18:00〜OS翌2:30

定休日

不定

席数

  • カウンター15席

個室

なし

メニュー

刺身盛り合わせ1人前1,500円〜、ちりめん山椒600円、冷やし担々麺1,000円、らーめん950円、馬刺し2,000円、フックチキン1,500円、ラムキーマカレー春巻600円、もろこし天700円、やみつきマカロニ700円、ぬかづけ500円、ポテサラ700円

喫煙について

禁煙

店舗名

麺屋 我ガ(GAGA)天神店(店舗写真

ジャンル

  • ラーメン

住所

福岡市中央区今泉2-5-6 今泉スクエア1階

電話番号

092-732-5658

営業時間

11:00〜24:00

定休日

第1月曜

席数

  • カウンター12席
  • テーブル12席

個室

2〜6名

メニュー

らーめん720円、味玉らーめん850円、チャーシューめん880円、高菜巻きおにぎり100円、焼き餃子3個210円、6個420円、水餃子2個160円、6個420円

喫煙について

禁煙
  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

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