福岡市役所や大丸福岡天神店などがある都心のど真ん中・天神から、国道道路を挟んだ場所にある「天神南」エリア。以前、UMAGAの記事でも紹介しましたが、車がやっと1台通れるかという細い路地に個性的な店が続々とオープンして大注目を浴びているエリアです。
そんな場所で、およそ半世紀前から看板を掲げている寿司屋が「寿し処 うえ田」です。今では若者向けの店が多い中で、坪庭に植込みが設えられた風情のある佇まいが老舗の風格を漂わせています。
白い暖簾をくぐって店に入ると、年季が入って飴色に鈍く光る一枚板のカウンターに設えたネタケースには、新鮮な魚介類がズラリと並んでいます。つけ場に立つのは二代目の上田裕二さん。20代から創業者である父親の元で修業し、暖簾とともにその技術を受け継いでいます。
迎えてくれた女将さんに挨拶を済ませてカウンターに座り、まずはビールとつまみから注文。メニューは用意されていませんが、その日の仕入れから一品料理を作ってくれます。「タコブツ」は柔らかく煮た地ダコをワサビとごま塩で、「カツオのタタキ」はあっさりとしたポン酢の味付け。いかにも寿司屋のつまみというおもむきで、この後にぎり寿司へ臨む食欲と期待感を高めてくれます。
にぎり寿司は2,750円から4,070円というお値打ち価格で3種類のバリエーション。迷わず一番高い特上を注文すると、まずはトロの2枚付けから始まるのが先代の頃からのお約束です。続いては美しく松笠に飾り包丁を入れたイカ、炙った頭を添えた活車エビのおどり、コウトウネギとショウガを散らしたイワシなど。それぞれのネタに合わせて一貫一貫丁寧な仕事を施しているのも、築地で修業したという先代の技が受け継がれています。
後半戦は花びらのように開かれたアカガイ、ウニの軍艦巻き、白身のヒラメ、ふっくら炊いた煮穴子、そして卵焼きと続きます。しっかり握られたシャリは比較的小さめで、ネタの種類や切り方によって食べやすく形を変えているのも細やかな技。ガリの他に漬物が添えられており、日本酒と一緒ににぎりを楽しむ際にはちょうど良いアテになりますよ。
にぎり寿司だけでも大満足ですが、写真の鉄火巻き(600円)やカッパ、穴キュウなどの細巻きの他、太巻き、手巻きなども用意されています。もう少し食べたいという人は、気軽に相談してみてくださいね。
庶民的な町寿司でありながらも、店の隅々にまで凛とした空気がみなぎっていて老舗ならではの風格を感じさせてくれます。発展著しい周囲の喧噪を忘れて、ゆっくり寿司を楽しむことができる良店です。
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店舗名
寿し処 うえ田(店舗写真)
ジャンル
- 寿司
住所
福岡市中央区渡辺通5-16-42
電話番号
営業時間
12:00〜OS14:00/17:00〜22:00
定休日
日曜
席数
- カウンター12席
- テーブル12席
- 座敷8席
個室
なし
メニュー
にぎり2,750円、3,850円、4,070円
喫煙について
- ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
- ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
- ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
- ※OSはオーダーストップの略です。
- ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
- ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
- ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。
記事に関する諸注意
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