都心部のラビリンス。渡辺通5丁目の路地へ(前編)

公開日

ライター生野朋子

カメラマン生野朋子、弓削聞平

渡辺通5丁目

生野朋子

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都心部なのに、どこか懐かしい。今、一番気になるエリア「渡辺通5丁目」へ。「大丸 福岡天神店」から国体道路を渡って南側、「桜十字福岡病院」の手前あたりまでの区画で、福岡市営地下鉄「天神南」駅のすぐ側です。歩いてみると九州随一の繁華街の近くにありながらも、昔ながらの風景がそこかしこに。古い長屋や自転車屋、散髪屋など生活感のある店も並んでいます。

渡辺通5丁目
渡辺通5丁目

このエリアにはかつて「キャバレーミナミ」というビッグバンドをしたがえ、ショーやダンスで人々を楽しませていた大人の社交場がありました。1995年にその歴史に幕を閉じましたが、当時は「キャバレーミナミ」を中心に歓楽街の賑わいをみせていたのだとか。それ故に、今もこの界隈には古くからの飲食店が多く残っています。日が暮れ出すと艶っぽさを感じるのはその名残でしょうか? 春吉や中洲などとはまた違った色気が漂っている気がします。

そんな渡辺通5丁目にある路地に面白い変化を感じ始めたのが2年ほど前。そこは渡辺通りから新川橋の信号を渡って最初の曲がり角、まさに前述のキャバレーと名を同じくする居酒屋「みなみ」(元は食堂でキャバレーの従業員が訪れていたとか)を目印に右に折れたところです。新旧が交差するストリートの変化を振り返ってみたいと思います。

渡辺通5丁目

クラフトビールでニューウェーブ「ビアキチ」

ビアキチ

この通りの空気感を変えたのは、この路地に入ってすぐにある「ビアキチ」。2019年5月にオープンしたビアスタンドです。今でこそ世界中のクラフトビールが飲める店が福岡にもずいぶん増えましたが、希少な海外のビールも豊富に立ち飲みで楽しめる店として、たちまち人気店に。福岡でのクラフトビールブームを盛り上げた立役者です。

ビアキチ

ここで待ち合わせをして、2軒目に繰り出す出発点としても利用され、県外からの旅行客の姿もよく見られるようになりました。「勢いでこの物件に決めましたが、ここで良かった」と話すのは店主の小出祐太さん。空港や駅へのアクセスも良く、年中無休でいつでも来れる気軽さもクラフトビールを身近なものにしてくれていますね。

ビアキチ

タップは常時10種のビールがスタンバイ。「新発売のものはすぐに取り入れて、出し惜しみせずすぐに出す!」というスタンスで、メニューにははじめて見る銘柄がたくさん。120mlのSサイズからオーダーできて、飲み比べがとにかく楽しい。この日はラズベリーの酸味が効いた「ミッケラー スポンタン ダブル ラズベリー」(S900円)、フレッシュなホップのIPA「オムニボロ ゾディアック」(M950円)、コーヒーにラズベリーの余韻を感じる「ニーディープ ラズベリー モカ クリーム スタウト」(L1300円)をいただきました。 味のベクトルが全然違って、それぞれ美味しい! クラフトビール初心者からマニアまで幅広く支持されるのも納得です。

ビアキチ
ビアキチ

名物のアメリカンスタイルのピザやパテ、ソーセージなどのフードも充実。写真はサラミたっぷり「ペパロニ」(400円)、「お酒に合う糸島豚のパテ ド カンパーニュ」(ハーフ650円)。グラスに描かれた可愛い猫のキャラクターが若者にも人気で、毎夜「ビアキチ」の賑わいが路地を明るく照らしています。この通りをそれまで訪れていなかった層が訪れるきかっけになっています。

ビアキチ

春吉から移転した「山下ワイン食道」

山下ワイン食道

次に紹介するのは、移転をきっかけにこの路地色に染まった店。春吉から2020年に移転した「山下ワイン食道」です。2017年に春吉の店を閉じ、3年間の充電期間を経て再スタート。その間、店主の山下啓之さんはワイン造りを一から経験したり、そば打ちの勉強もしていたそうです。

山下ワイン食道

そして物件を探していた時に出会ったのが、小料理屋「季(とき)」。「お店を閉められると聞いて飲みに行ったんですが、雰囲気と味に惚れて。それから何度も通いました」と山下さん。この物件を借りることになり、2020年5月にカウンターがメインのダイニングバーに。しかも以前の女将・季さん仕込みの一品が食べられる店としてオープンしたのです。フランスの自然派ワインをメインに揃え、「王道・ポテトサラダ」(450円)、「だしまきたまご」(450円)などをお供に飲ませてくれます。好きが高じて本格的に打つようになったという「もりそば」(880円)も絶品です。

山下ワイン食道
山下ワイン食道
山下ワイン食道
山下ワイン食道

なんだか山下さん自身も前よりちょっと肩の力を抜いて、今の仕事を自分のスタイルで楽しんでいるよう。「30年やって来られたこの店を引き継げたことが宝。僕もこれから長くここで続けていきたい」。表の「季」の看板はそのままに、この通りの仲間入りを果たしました。

山下ワイン食道

他にも、割烹料理店「むら川」(2016年オープン)、カウンターでひとり利用もしやすい「ヤキニクコウシ」(2017年オープン)、肉をメインにしたイタリアン「酒と肉バル sora」(2017年オープン)、高砂の人気焼鳥店の2号店「焼き鳥 貴 2nd」(2020年オープン)などもこの通りを盛り上げています。その後もオープンはまだまだ続き、後半ではこの1年の間にオープンしたニューフェイスをご紹介します。

※後編は10月23日(土)公開です

店舗名

BEERKICHI(ビアキチ)

ジャンル

  • ビアバー
  • 立ち飲み

住所

福岡市中央区渡辺通5-14-21福美荘103

電話番号

なし

営業時間

15:00~24:00(土日祝日は13:00~)

定休日

なし

座席

  • スタンディング14名くらい

個室

なし

メニュー

クラフトビール600円~、ピザ300円~、前菜の盛り合わせ1100円、ソーセージの盛り合わせ950円

店舗名

山下ワイン食道

ジャンル

  • ワインダイニング・ワインバー

住所

福岡市中央区渡辺通5-15-8池田コーポ1階

電話番号

092-753-8312

営業時間

17:00~OS22:00(土・日曜は15:00〜)※ 要予約で13:00〜

定休日

水曜

座席

  • カウンター9席
  • テーブル8席

個室

なし

メニュー

席料450円、グラスワイン750円~、ボトルワイン4500円~、鶏レバーのパテ770円

  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

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