都心部のラビリンス。渡辺通5丁目の路地へ(後編)

公開日

ライター生野朋子

カメラマン生野朋子

渡辺通5丁目

生野朋子

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前編に続いて、渡辺通5丁目の路地へ。この路地が注目された理由の一つは、福岡を代表する人気店の姉妹店が相次いで出店したこと。前編の「ビアキチ」も入る年季のはいった建物「福美荘」がいまアツいんです。

「名門」の鶏料理で一杯、〆にはラーメン

名門

「福美荘」の一番左、昨年12月にオープンした「名門」は鶏料理と中華麺の店。店主は大手門の「焼とり 鳥次」や「博多水炊き専門 橙」を営む小林龍治さんです。無類のラーメン好きで、「鶏を使った一品を食べて飲んで、最後の〆にラーメンが食べられる酒場を作りたい」との願いをここで叶えました。昼は中華麺専門店として自家製麺を使用した中華麺を3種楽しめ、夜はお酒と一品料理も出す酒場に。

名門

夜のメニューには「とり焼き」(550円~)、「とり揚げ」(550円~)、「とりバターソテー」(850円)など自慢の鶏料理に加え、「つまみメンマ」(350円)、「ニラおかか」(350円)といった酒飲みのツボをおさえたものも。「姉妹店では出せないものを用意しました」と小林さん。

名門

おすすめの「とり焼き もも焼」(600円)をいただくと皮目はバリッと香ばしく、中はふっくらジューシー。さすが、鶏を知り尽くした店ならではの焼き加減です。自慢の「醤油ラーメン」(850円)は鶏出汁と醤油がベースのスープに、自家製のもっちりとした麺がよく絡みます。スッと喉を通る滋味深いスープがなんとも美味で、〆にぴったり。日によっては昼のみの「鶏煮干しラーメン」「醤油つけ麺」が夜にオーダーできることもあるそうです。

名門

「大手門から離れて中心部で店を開きたいと思っていた時に、この界隈が気になったんです。『雷橋』や『やきとり六三四』などの出店で人の流れが生まれたように、この路地でそんな存在になれたら」と小林さん。この街に根付いていく過程を見守っていきたい。そんな気持ちにさせてくれました。

秘密の和食店「にるご」

にるご

さて、次の店はお隣。看板がなく、前のパーマ屋の装いをそのまま残した秘密の店、「にるご」です。今年5月にひっそりとオープン。創作的なビストロ料理とワインを楽しむ「ヨルゴ」や「餃子のラスベガス」の姉妹店ですが、こちらはコースを主とする和食店。店名の通り、出汁で“煮る”という和の技法を駆使した一品でもてなしてくれます。

にるご

コースは4950円で12品ほどが提供されますが、新感覚の味わいに思わず唸る逸品揃い。例えば、1品目に出てきた「じゃがいも素麺」は素麺のように細く切ったじゃがいもを茹でて、もずくと一緒に冷たい出汁に浸したもの。旨味をまとい、シャキッとした食感を残したじゃがいもがたまりません。この幕開けに期待がグッと高まります。

にるご

パッと見シンプルなおでんにも「にるご」ならではの工夫が。大根に添えられたからし味噌には刻んだ奈良漬のアクセント。玉子の黄身は一度くり抜いて味噌と出汁を合わせて再構築。おでん出汁には鶏ガラスープで旨味をしっかりと効かせてあります。

にるご

さらに断面が美しい「鰯の磯部巻き」、三つ葉とかんぴょうを巻いて焼いた「だし巻き玉子」、米ぬかで炊いた「角煮」など和食の美味しさを再認識させてくれる料理を経て衝撃の〆の一品へ。

にるご
にるご

「とおめし」と名付けたその一品は、炊き立ての白飯に豆腐をのせて、熱々の出汁をたっぷりとかけたもの。存分に満たされたはずのお腹にスルスルと入っていきます。パーマ屋の扉の先にこんな食体験が待っていたとは。

にるご
にるご

「このエリアはアクセスが良くて、立地抜群。そして何より景色がいい」と店主の川瀬一馬さん。古くからの人達が作り上げてきた雰囲気を変えずに、新しいことを始めようと、敬意を払ってオープンしたのが、大人が集う和の店でした。密やかで、ほんのり色気のある空間。ずっと前からここにあったような装いで、控えめなあかりを灯しています。

そんな話題の店が並ぶ「福美荘」ですが、路地を進めば歴史を重ねた小料理屋やスナックが点在しています。1980年創業の「焼鳥まことちゃん」、おばんざいの「八女本家」、食事と酒の「こけし」、ちょっと先の方(渡辺通3丁目)には小料理「留々」、スナック「よっちゃん」と雰囲気のある看板が並び、タイムスリップしたような感覚に。「キャバレーミナミ」全盛の頃はどんな通りだったのかなと思いを馳せます。まさに新旧が交差するパラレルワールド! 交互にはしごするのも楽しいかもしれません。

渡辺通5丁目
渡辺通5丁目

唯一無二の路地でしたが、隣の路地ものぞいてみると大豆を使ったヘルシードーナツ「ツバメドーナツ」、酒と蕎麦「まきの」、日本酒に合う小皿コース「やまさん」と良店揃いじゃないですか。ハマるべきエリア、渡辺通5丁目。実はもうひとつグルメなストリートがありますが、それはまた別のお話。次の機会に、またここで。

店舗名

名門

ジャンル

  • 居酒屋
  • ラーメン

住所

福岡市中央区渡辺通5-14-21福美荘1F

電話番号

092-775-8625

営業時間

11:30~OS15:00/17:00~OS23:00

定休日

日曜

座席

  • カウンター9席
  • テーブル19席

個室

なし

メニュー

とり焼き550円~、ゆで鶏700円、手羽揚げ650円、本日のラーメン850円(昼は750円)、そぼろ丼ミニ350円

店舗名

にるご

住所

福岡市中央区渡辺通5-14-21福美荘1F

電話番号

092-515-0668

営業時間

12:00〜14:30/17:00~23:00

定休日

不定

座席

  • カウンター15席
  • テーブル5席

個室

5名

メニュー

おまかせコース4950円、生ビール・日本酒・焼酎・ノンアルコール各660円

  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

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