心躍るおやつがズラリ。アメリカンなベイクショップが美野島に！

博多駅に近い場所にありながらも、道を一本入ると雰囲気はガラリ――。鮮魚店や青果店が並ぶ美野島商店街を中心に、老舗食堂や町中華、酒場も点在するちょっぴりディープな美野島エリアが大好きです。新店もじわじわと増えており、今年は複数の店舗が集う「美野島BASE」や「小鉄ノスパゲテイ」、ナチュールワインを楽しめるスタンドバー「haus」なども開店。密かな盛り上がりを見せています。

今回お邪魔したのは、今年の4月、そんな美野島商店街の一角に開店した焼き菓子専門店「oh my BAKE！」です。生パスタやサンドイッチが人気のカフェ「sandish（サンディッシュ）」の隣に位置し、聞けば姉妹店なのだそう。「sandish」をご主人と共に営むパティシエの大原真由美さんが手がけるアメリカンベイクの専門店とのことで、ワクワクしながらやって来ました。スタイリッシュなガラス戸を引いて中に入ります。

店内は白と黒のアメリカンタイルを敷き詰めたオシャレな雰囲気で、常温と冷蔵のショーケースが据えられていました。焼き菓子はトレーとトングを使って自分で取るセルフスタイル。大きなクッキーやマフィンをはじめとした、古き良きアメリカの家庭で作られるような焼き菓子がズラリと並んでいます。

大原さんは米軍基地もある長崎県佐世保市出身で、子供の頃はガールスカウトに所属してアメリカのお菓子作りや文化に親しんできたそう。
「中村調理製菓専門学校を卒業後、フランス菓子店などでパティシエとしての経験を積んできましたが、私が一番心ときめくのはアメリカンベイクなんです。姉がアメリカで洋菓子店を営んでいることもあり、私もいつかはベイクショップをやりたい！と長年描いてきた夢を形にしました」と、開店のきっかけを話します。

アメリカのお菓子と聞くとすごく甘いものを想像しますが、「oh my BAKE！」の焼き菓子は素材を生かした素朴な味わいが自慢。ザクザク食感の「チョコチップチャンククッキー」（300円）や「マフィン」（350円）など、どれも甘さは控えめで防腐剤や添加物も一切使用していません。

また、アメリカにはビーガンクッキーやグルテンフリーのお菓子も数多くあるそうで、「oh my BAKE！」でもグルテンフリー・ギルトフリーの焼き菓子を一部販売。「アレルギーを持つお子さんも多いので、アメリカで出合ったスタイルを再現しながら安心安全なお菓子を届けたいと考えています。毎日のおやつに、１枚からでもどうぞ」と、大原さんはにっこり。

さらには焼き菓子だけでなく「ブルーベリーベーグル」（300円）や「クロワッサン」（150円）といったパンも数種を用意。揚げたてのもっちり生地に自家製のカスタードを詰めた「ドーナツ」（280円）も人気です。

冷蔵のショーケースには「バスクチーズケーキ」（400円）をはじめとした生菓子や、アメリカ菓子で定番の「カップケーキ」（380円〜）が並んでいます。実は私、カップケーキには苦手意識があったのですが、これは美味しくてびっくりしました。空気をたっぷりと含ませたバタークリームは軽やかで、生地はふわふわ程よくしっとり！　「バスクチーズケーキ」もトロリと滑らかで、食べ心地は想像以上に軽やかです。

写真右上の身体に優しい天然由来の材料のみで作ったというバナナたっぷりの「バナナケーキ」（280円）も大好きな味わいでした。個包装のクッキーやギフトボックスも用意されており、手土産やちょっとした贈り物にもおすすめですよ。カップケーキの上にあしらうカラフルな「スプリンクル」（トッピング用シュガー）をデザインしたオリジナルのショッピングバッグも可愛い〜。

ニューオープンの焼き菓子店というと若い女性で賑わっているイメージですが……さすがは美野島、絶え間なく訪れるお客様の年齢層も実にさまざまでした。「この間のチーズケーキ、カミさんが感動してまた食べたいって言うけん買いに来たよ」というご年配のお父さんや、「お世話になっている看護師さんたちに配りたいの」と焼き菓子を楽しそうに選ぶ奥様の姿もあり、何だかほっこり。毎日でも食べたくなるアメリカンベイクが並ぶ、下町の「oh my BAKE！」へぜひ出かけてみてください。