福岡の名ビストロ!フランスとスペインをまたぐ、バスク地方に魅せられて
ランチのガレット、肉・魚介・野菜料理、デザートまで何を食べても美味しい――!
今回は、そう私が愛してやまない一軒「BISTRO Babylon」をご紹介したいと思います。ここはフランス南部とスペイン北部にまたがるバスク地方の料理を楽しめるビストロ。2004年に室見で創業し、2020年に現在の地・赤坂へと店を移しました。
白い壁に赤褐色の窓枠といった“バスク様式”を取り入れた外観に、赤褐色の壁が印象的な店内も現地の雰囲気たっぷり! 内装はフランスバスクの南にある港町・サン=ジャン=ド=リュズにあるブラッスリーをイメージしているそうで、バスク地方の画家による作品も飾られています。
店を切り盛りするのは「バスク地方に魅せられた」と話す原井努シェフと奥様の増江さん。数々のフランス料理店で研鑽し、自身の店を開いた後に出合った「KINTOA豚(バスク豚)」の美味しさに衝撃を受けたことがきっかけだったと言います。
「あまりの美味しさに感動して“この豚を使いたい!”と調べたところ、たどり着いたのが、幻の純血バスク豚の飼育者であり、ハムやソーセージの加工職人としても知られるピエール・オテイザさんでした。オテイザさんの育てるKINTOA豚を扱うにあたり、放牧されている様子などを直接見てみたいと現地へ足を運んだことで、あっという間にバスク地方の虜になったんです。温暖な海と豊かな山々に囲まれたバスク地方は独自の文化が育まれていて、街並みは美しく、人々は親切。豚肉料理はもちろん、野菜や海鮮料理も絶品です。この写真は以前のものですが、コロナ前は2〜3年に一度はバスクを訪れて料理の研究を続けてきました」と原井シェフ。
さぁ、早速自慢の料理をいただきましょう。夜のアラカルトは仕入れた食材や季節によって変わりますが、伺った日のメニューはこんな感じ。海の幸を使った海バスク、山の幸で作る山バスクと、あれこれ目移りしてしまいますね。フランス側とスペイン側で共通するバスク料理もあれば、食材が微妙に違ったり、スペインバスクはタパス料理が中心だったりと様々な違いがあるそうで、それをアレコレ味わえるのが嬉しいですね。
まず注文したのは、4種類の「シャルキュトリー盛+チーズ」(2,750円)。写真の内容に加えて、おすすめのチーズも1種類付いてきます。スペイン産の生ハム・ハモンセラーノ、自家製のジャンボンブラン(ポークハム)や豚肉のリエットも旨味たっぷり。豚肉・豚レバー・鶏レバーの田舎パテには、隠し味にイチジクや柿などの季節のジャムを少し加えているそう。濃厚な旨味の中にほんのりと広がる優しい甘味がたまりません。お供には、底の平たいグラスに約20cmの高さから注ぐ微発泡白ワイン「チャコリ」やバスクビール(各880円)がおすすめですよ。
続いて外せないのは、バスクの名物料理「ピキオス」(1,650円)。焼いて皮を剥き、オイル漬けされたピキオスというバスクの赤ピーマンに、塩ダラとジャガイモのクリーム煮を詰めた家庭料理です。滑らかな口当たりとクリーム煮のコク、トマトソースの酸味が絶妙に合わさり、素朴ながらもクセになる美味しさです。
メイン料理は「オテイザさんのお家で食べた皮付き豚バラと白インゲン豆、野菜のブレゼ」(2,750円)をオーダー。「BISTRO Babylon」の名物であり、原井シェフの思い出の味でもある逸品です。塊の豚肉を一晩マリネして皮や表面を香ばしく焼き、それをインゲン豆や季節の野菜と蒸し煮にしたシンプルな料理なのですが、これが本当に美味しい! 余分な脂を取り除いているので重たさはなく、程よく弾力を残した肉の食感とムチッとした皮、とろける脂身、豚の肉汁を吸い込んだ野菜の滋味がじんわりと広がります。オテイザさんのKINTOA豚は現在手に入りづらく、この日は沖縄の皮付き島豚でしたが、島豚も格別の美味しさでした。
そして「BISTRO Babylon」のもう一つの楽しみはランチタイム。前菜や肉料理を楽しめるランチもありますが、なんといってもイチオシは蕎麦粉で作る「ガレット」のランチです。ガレットは、フランスの北西部・ブルターニュ地方の名物ですが、フランスバスクでも親しまれているそう。ブルターニュではグリュイエールチーズを使いますが、山羊や羊のチーズを使うのがバスク式。「BISTRO Babylon」では、ミックスチーズと山羊のチーズという2種類を使っています。香ばしく焼けた生地に、糸島産の卵、2種類のチーズ、自家製のトマトソース、野菜のオイル炒めをのせて包んだらスタンダードなガレットの完成です。
ランチはすべてドリンクとデザート付きで、ガレットのバリエーションは6種類。写真はサラダ(+330円)を添えた「自家製スモークサーモンのガレット」(1,650円)です。香ばしくモチっとした生地に、ミルキーなチーズや新鮮な卵、スモークサーモンの塩気が合わさって美味し〜。スペインバスクで作られている辛口のシードルとの相性も抜群です。デザートはとろとろのバスクチーズケーキでこちらも絶品。ちなみに「平日限定のガレットセット」は、本日のガレット・プチサラダ・プチデザート・ドリンクまで付いて1,100円という驚きの良心価格です。
気軽に、本格的な味わいを楽しめる「BISTRO Babylon」で、バスク地方の魅力をたっぷりと感じてくださいね。
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店舗名
BISTRO Babylon(ビストロ バビロン)(店舗写真)
ジャンル
- フランス料理
住所
福岡市中央区赤坂2-2-1 高木ビル1F
電話番号
営業時間
11:30〜OS13:30/18:00〜OS21:00
定休日
木曜、水曜のディナータイム
席数
- テーブル20席
個室
なし
メニュー
【ランチ】平日限定のガレットセット1,100円、自家製ベーコングリエガレット1,540円、本日のお肉料理ランチ1,925円 【ディナー】シャルキュトリー盛+チーズ2,750円、バスク名物ピキオス1,650円、ガチョウフォアグラのテリーヌ2,310円、オテイザさんのお家で食べた皮付き豚バラと白インゲン豆、野菜のブレゼ2,750円
喫煙について
- ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
- ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
- ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
- ※OSはオーダーストップの略です。
- ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
- ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
- ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。
記事に関する諸注意
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