先日、今年1月にオープンした「スパイスと酒 ルーデンス(仮)」に行ってきました。ここはスパイス料理、クラフトビール、クラフトジンを主役にした“スパイス酒場”。それぞれ人気のジャンルゆえ、この三本柱はかなり魅力的ですよね。そう聞くだけでも食指が動く、かなりキャッチーな店なのです。
訪れたのは警固のビル5階。以前は「MEGUSTA」系列の「SPICY MEGUSTA」が入っていた場所で、夜空を間近に望む立地が路面店にはない浮遊感を与えてくれます。カウンターとテーブル席を配置し、1グループにつき1品つまみがサービスされる立ち飲みコーナもありました。酒場を名乗るにふさわしい、フランクで明るい空気も好感度大です。
この珍しい“スパイス酒場”を営むのは、昨秋まで大名にあった「NOMAD」で店長兼料理人を務めた辻勇志さんです。当時も主役はスパイス料理とクラフトビール&ジンで、「僕が大好きだったものだけ集めました」と辻さん。「そのテーマは、もちろんここでも変わりませんよ」
「ルーデンス(仮)」を立ち上げたきっかけは、「NOMAD」の閉店前に縁ができた「MEGUSTA」オーナーの落水研仁さんに、「このテナントを使ってみたら?」と言ってもらえたこと。こうして初めて自分の店を構えた辻さんは、これまで以上に料理のブラッシュアップに没頭する日々だそうです。
「これからもっと増える予定です」というメニューは、現在アテ的なものが中心。専門業者が仕入れる海外のスパイスや希少なオイルを取り寄せ、自身のフィルターを通した多国籍感満載の料理を形にしています。
さて、最初のオーダーは日替わりの「アチャール三種盛り」(1人前650円)。この日はスパイスが香るオイルに漬けたカキ、春らしい苦味と甘味が凝縮する菜の花、直前に温めて出すピクルス風のキノコ3種という組み合わせでした。三者三様に個性があって、バランスの取れた味わいにビールもぐいぐい進みます。
早くも多くのファンがいるという「炭火串焼」も、2種類一度に注文しました(各1本600円)。上はケバブを思わせる「ラムつくね」で、粗挽きラム肉をジューシーに焼きあげ、ヨーグルトソースで食す1本。クミンやパプリカなどのスパイスが、ラム特有の野趣に爽やかさを加えています。
「猪ねぎま」は半身で買った猪を店でさばき、ネギを挟んだものです。快い弾力に満ちた赤身は塩だけを振って焼き、脇に添えた自家製のスパイス七味と青唐辛子味噌でいただきます。すると上質な野生味に、彩度と深みが加わってうまさ倍増! 「ラムつくね」と同じくボリューミーで、肉料理としての醍醐味もたっぷりです。
最後のシメも、もちろんスパイス料理で決まり。そう、定番1種と月替わり1~2種から選べる自慢のカレーです。ライスも120gと適度な食べきりサイズ。今宵は月替わりの「ペコラムキーマ」(900円)を選びましたが、あぁ、その旨辛さときたら!
ラム肉で仕込んだキーマに、やはり羊由来のペコリーノロマーノチーズをかけた別名「羊すぎるカレー」の出来は最高でした。ホールで5種、パウダーで7種のスパイスから生まれる軽やかな辛さも好印象。月替わりなのが惜しまれる、専門店クオリティの逸品です。
「カレー専門店でも良かったけれど、やっぱりお酒と楽しんで欲しいので」と辻さんが微笑みました。その在庫も国内外のクラフトビールが約10種、クラフトジンはなんと30種以上の充実ぶりで、しかも次々に入れ替わるため“一期一会”の銘柄も多いとか。ビール&ジン党には目の離せない店になりそうですね。
それに、足繁く通うべき理由がもう一つ。「あくまで今は間借りなので、良い物件があれば1年をめどに移転します」と辻さん。つまり、店名の(仮)は期間限定という意味なのでした。ならば僕らも「その日」まで、地上5階の“スパイス酒場”を大いに満喫しましょう!
※メニューは値段変更の予定あり
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店舗名
スパイスと酒 ルーデンス(仮)(店舗写真)
ジャンル
- ダイニングバー
- カレー
住所
福岡市中央区警固2-14-1セントロード警固5F
電話番号
営業時間
18:00〜フードOS翌1:00、ドリンクOS翌2:00
定休日
水曜、隔週火曜
席数
- カウンター6席
- テーブル6席
- スタンディング6名くらい
個室
なし
メニュー
ラムつくね600円、猪ねぎま600円、アチャール三種盛り650円、台湾風うずら味玉400円、ペコラムキーマカレー900円、親鳥炭火焼チキンカレー800円、クラフトビール1,200円〜、クラフトジン800円〜 ※値段変更予定あり
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- ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
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- ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
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