ライブ感がたまらない！ 今もっとも勢いのある春吉の海鮮居酒屋

日本有数の漁場である玄界灘に面した福岡市は、全国的に「魚がうまい街」として様々なメディアに取り上げられているのは皆さんご存じのとおり。全国の漁港の中でもトップクラスの取扱高を誇る長浜鮮魚市場が都心のすぐ近くにあり、福岡市内はまさに海鮮居酒屋の超激戦区です。玄海の魚がもっとも美味しい旬を迎える時期を迎える年末年始にかけて、「UMAGA」が厳選する海鮮居酒屋をシリーズで紹介します。トップバッターは今もっとも勢いのある海鮮居酒屋の一軒である、春吉の「魚ト肴 いとおかし」です。

天神の都心からほど近い場所にありながら、”居酒屋ストリート”と呼んでも過言でないほどの賑わいを見せる春吉通り。その中ほどにある2階建ての古民家を丸ごと改装して2019年にオープンした「いとおかし」。扉を開けて店内に入ると大将の泊信志さんをはじめとするスタッフが、「いらっしゃいませ！」の威勢の良い掛け声で迎えてくれます。

この店の醍醐味は、ライブ感にあふれたオープンキッチンです。厨房内に設置された生け簀には壱岐や対馬、唐津など九州各地の漁港から直送された活魚が元気に泳ぎ、注文を受けてからその場で活け締めにして捌いてくれます。

なかでも圧巻は対馬沖の深海で獲れる対馬産活き穴子の造りです。カウンター越しの目の前で活き穴子を生け簀から取り出して串を打ち、見事な手際であっという間に透明感のある薄造りに。さっきまで活きていただけに、シャキシャキとした歯応えのある食感がバツグンです！

穴子のもう半身は、骨切りをして炭火でサッと炙ったタタキで注文しました。火を通すことことで身がふっくらと仕上がり、これまた別次元の味わいに。調理法を変えることで、活き穴子の美味しさを2度楽しめるという寸法です。

また、この店で絶対に外せないのが刺身の盛り合わせです。毎朝長浜市場で買い付けるのに加えて鹿児島の漁港からも送られてくる魚介は、とびっきりの活きの良さ。この日はカンパチ、本マグロ、マダイ、サワラ、クジラ、車エビ、サザエ、イクラ、ネギトロなどの10種類で1人前1,800円（写真は2人前）。白身や青物、赤身の魚は魚種によって炭火で炙ったものもあり、食べ飽きるなんてことはまずありません。

店名に「魚ト肴」と冠しているとおり、日本酒や焼酎に合うツマミも充実しています。大将の地元・屋久島名物の「鯖節らっきょう」（480円）は、スモークした半生の鯖節とラッキョウを合えた島の郷土料理。屋久島の芋焼酎や奄美大島の黒糖焼酎はもちろん日本酒にもよく合うので、酒好きの人は飲み過ぎ注意ですよ。

さらに全国から取り寄せる季節の限定メニューもあり、〆のご飯ものも握り寿司や土鍋の炊き込みご飯まで、まさに海鮮料理のオンパレード。屈指の人気店だけに夜は予約が取りづらいこともありますが、毎朝7時から営業している朝定食も狙い目です！