明治通りの地下鉄室見駅と藤崎駅の中間、やや室見駅寄りでしょうか。繁華街でもなく行き交う人もそう多くないのに、いつも賑わいを見せているお店があるとの噂を聞きつけました。2016年に開業した「やまに商店」です。調べると、今やほかに4つの系列店を経営するグループの最初の店舗というではないですか。これはとても気になります。うちからやや遠くはあるけれど地下鉄を使えばなんのその。さっそく行ってみました。
室見駅からてくてく歩いて5分ほどのところにお店はありました。店内の壁にはずらっとポスターやメニュー貼られ、これぞ大衆酒場!な雰囲気です。
「やまに商店」は、福岡を中心に店舗展開をしているアトモス・ダイニング出身の佐野幹夫さんがオーナーです。今、中心となってこの店を切り盛りしているのは大将の緒方健太さん。佐野さんとは小学校時代からの幼馴染で、「やまに商店」は2人で一緒に立ち上げたそうです。
「博多区のうどん居酒屋『つきよし』が大好きで、僕らもそんな手軽に利用できるお店を目指しました」と緒方さん。豊富な品揃えと手頃な価格でふだん使いできる酒場、家族も来やすいお店として地域に根付いていますが、「最近はもうちょっと大人酒場の要素を強めたくて、大人向けの創作メニューにも力を入れています」と話します。
グランドメニューは、雛鶏の半身を丸ごと唐揚げにした「はんみ」をはじめとした鶏料理、おつまみ、サラダ、野菜、肉、ご飯ものなどひと通り、数多く揃っています。定番メニューももちろんありますが、「鯛味噌きゅうり」(528円)、「ねぎだく豚タン」(748円)、「イカと青菜のイカ肝炒め」(638円)などオリジナルメニューが多いのが特徴的です。
緒方さんの「大人向けに」の思いは、季節の日替わりに表れています。「大衆酒場であっても季節を感じてもらいたいし、また日本酒によく合うメニューを日々考えています」との言葉どおり日本酒にもこだわりがあり、自ら厳選した日本酒を銘柄を変えながら出しています。その日本酒の品書きには、緒方さんの感想や合わせる料理などのコメントがびっちり添えられているので、日本酒好きの方は熟読必須です。
ならば今日は日本酒を飲みながら楽しもうと、相談しつつ料理を決めていくことにしました。
まず1品目は「日向夏とセリのしらあえ」(528円)です。「しらあえ」はレギュラーメニューですが、和える具材を時期で変える季節ものでもあります。日向夏の爽やかさが、今のじめっとした季節に嬉しいこと。その日向夏の酸味に、セリの苦味と和え衣の甘味がうまく絡まり一体化していく様はお見事です。また隠し味に煮切った純米酒を使っているそうで、なるほど日本酒との相性は抜群です。
2品目は「燻製さばポテサラ」(638円)です。皮目がツヤっと黄金色をした燻製サバは自家製で、皮のパリッとした食感の後にスモークの香りが鼻腔を抜け、そして身からじゅわっと甘い脂が染み出ます。ポテサラはメークインと男爵をブレンドしたもので、ポテトの風味とホクホク感がしっかりと味わえます。日本酒にももちろん合いますが、どちらも塩味がよく効いているのでビールのお供にもよさそうです。
そしていよいよ、子どもから大人までみんな喜ぶ名物「はんみ」(1,188円)の登場です。半身がまるごとトレイに乗って出されますが、もちろんそのままかぶりつくわけではありません。「ここは旨味たっぷりのモモ肉です」「ここは胸肉、ヘルシーですよ〜」とスタッフが説明しながら食べやすいサイズにカットしてくれます。そうそうこのお店、スタッフの接客もとても気持ちがいいんです。
「はんみ」はもちろん揚げたてなので、カットした部分から湯気が立ち上がるほど熱々です。火傷に注意しながらかぶりつくと、外はカリカリ、中は柔らかな絶妙な揚がり具合。細かく切り込みを入れて揚げてあるので、身の厚い部分も薄い部分も均等に火が通っています。
10数種類のスパイスとニンニクが効いてエスニックな味わいでうま〜い! 薄衣であまり油っこくないのもポイントですね。途中から「オニオン塩」をかけて味変し、最後まで楽しめました。私は連れとシェアしましたがボリュームがあるので、1人の方は代わりに「手羽先唐揚げ」(1本198円)をどうぞ。
最後に「名物 信州盛りそば」(968円)を注文しました。長野の製麺所から直送してもらっている生そばは、コシが強めでつるつるっとした喉越し。さっぱりと食べられるシメにふさわしい一品です。けっこう量がありましたがなにせそばはカロリーが低いので、罪悪感なく完食しました。
食事メインでもいいし飲みメインでもいい、友人や家族と来てもいいし1人で来てもいい。あらゆるシチュエーションにぴたりとハマる、まさに「近所にあるといいな」的なお店です。ちなみに夏に向けて、アジのなめろうをアレンジしたおつまみや、モツの辛味噌炒めといったスタミナメニューを考案中だそう。むむむ、ご近所さんを羨んでる場合ではありません。これから西方面に用事を作ってはちょいちょい立ち寄りたいと思いました。
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店舗名
やまに商店(店舗写真)
ジャンル
- 居酒屋
住所
福岡市早良区室見1-2-2 K’S室見駅アヴェニュー1F
電話番号
営業時間
17:30〜OS24:00
定休日
なし
席数
- カウンター6席
- テーブル20席
- テラス4席
個室
なし
メニュー
はんみ1,188円、手羽先唐揚げ1本・198円、燻製さばポテサラ638円、鯛味噌きゅうり538円、パリパリ冷やしピーマン418円、タレ焼き鶏バーグ748円、ふわとろにら玉とじ528円、かに味噌天ぷら3ケ・638円、名物 信州盛りそば968円
喫煙について
- ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
- ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
- ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
- ※OSはオーダーストップの略です。
- ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
- ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
- ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。
記事に関する諸注意
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