グランドメゾン presents 「ハレの日レストラン」【第63回】
より自由に磨き抜かれたフュージョン料理。あの美食店が装いも新たに進化
2013年に桜坂で創業し、2016年には住吉に移転。常に変化を続けながらその歴史を重ねてきた「欧割烹 清水」。そんな福岡のグルマンならばご存知の方も多い美食店が2024年3月に移転し、さらに進化したフュージョン料理店として生まれ変わりました。
店主の清水美明さんが新天地に選んだのは南区清水。那珂川に架かる清美大橋から小道に入った先、隠れ家とも言える静かな住宅街の一角に「せい」はあります。今回“欧割烹”という冠を取ったのは「フランス料理と日本料理の掛け合わせだけではない、もっと視野を広げたフュージョン料理を表現したい」という思いから。清水という住所をあえて選んだわけではないそうですが、不思議な導きを感じますね。外界と内界を分かつ、境界石の役割を担う大岩は耳納連山から採石された耳納石。シンプルながらに重厚感のある、独特の雰囲気を纏った外観の佇まいに惹かれます。
木の戸を引いた先には格子戸に挟まれたアプローチがあり、客席への入口はさらにその突き当たり。そっと扉を開くと店主の清水さんが笑顔で迎えてくれました。数寄屋造り……かと思えば、床には深紅の絨毯、正面にはイタリアの大理石が。「和でも洋でもない、融合」という清水さんの世界観が表現された空間デザインにも引き込まれます。
「住吉の店舗よりもぐっと席数を絞り、料理やサービスはさらに細やかに。空間もよりプライベート感たっぷりに、4名という少人数でも貸し切れるような特別なお店を造りたかったんです」と清水さんは移転の理由を話します。
おまかせのコースは13,200円と握り鮨が付く17,600円の2種類で、共に前日までの予約制。価格は握り鮨の有無や食材の内容、グレードよる違いだそうで、今回は17,600円のコースをいただきました。
コースの構成も季節や食材に合わせて変化しますが、この日はコンソメのジュレにとうもろこしの擂り流しと雲丹を添えた冷菜に始まり、続く2品目には「鰻 白芳香酢飯」が登場。器の上段には鰻の蒲焼き、下段には鰻と山芋とろろ、酢飯が隠れています。鰻は清水さんの代名詞とも言える真空低温調理を施した後に炭火で炙っているので、表面は香ばしく、身そのものは小骨などを感じさせないとろりとした口当たり。山椒の代わりに添えたハラペーニョの酢漬けや白芳香酢(ホワイトバルサミコ)を使った酢飯も、新鮮な驚きと清涼感を与えてくれます。
続いて3品目の「鶏魚 菠薐草」は、長崎県五島灘で水揚げされた新鮮なイサキにズッキーニの浅漬けとホウレン草のピュレを合わせた一品。イサキは皮面だけを炭火でサッと炙っているので、口に入れた瞬間にじんわりとした脂の甘味が広がり実に美味です。瑞々しいズッキーニとまったりとしたホウレン草の旨味、佐賀のへベスや天草のオリーブオイルの香りも心地よく調和。火を直接当てたイサキの皮は剥いでいるので、それぞれの風味が炭の香りや皮の食感に邪魔されることもありません。
料理は「蛤 蕎麦掻き」「泥障烏賊(アオリイカ) 鮑」と続き、6品目には「真羽太 赤茄子」が供されました。これは出汁の中でポシェ(蒸し煮)したマハタに炭焼きの赤茄子を合わせた一品。コラーゲン豊富なマハタのプリッとした食感が引き出され、肉厚な赤茄子のジューシーな食べ応えもたまりません。ブイヨンにオイスターソースを加えてコクを出したソースやゴマの葉を加えた薬味も名脇役。フレンチ、アジアン、日本料理といった多彩なエッセンスを融合しているのに過度さはなく、シンプルに素材のおいしさを引き立てているのに驚きました。
そして、7品目に5貫ほどの握り鮨が供され、続く肉料理として登場したのは大分県・朝地町で育てられている「朝地ラム」のサーロイン。真空低温調理で肉の芯温をギリギリのところまで上げ、仕上げの炭火で完全な状態に持っていくのが清水さんのスタイルです。「朝地ラム」は歯切れ良く中心はしっとり、噛むほどに肉汁や旨味がじゅわり。ラム特有のクセはなく、くたくたに柔らかく火入れした那珂川の農家直送のアスパラガスの甘味や赤ワインソースが寄り添います。
コースはこの後、締めに黄金穴子の天ぷらといった季節の食材と共に供する自家製麺、最後に旬果のデザートが出て終幕。なお、ブルゴーニュを中心としたワインや日本酒も多彩に揃っているので、美食だけでなく美酒に酔いしれることもできますよ。
また、夜と同等のコースであれば昼の時間帯も予約可能だそう。自由に洗練された「せい」のフュージョン料理と、新たに誂えた7席のみの密やかなる空間は、ハレの日を一層特別なものにしてくれるはずです。
この記事は積水ハウス グランドメゾンの提供でお届けしました。
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店舗名
せい(店舗写真)
ジャンル
- その他レストラン
- 日本料理
住所
福岡市南区清水2-1-57
電話番号
092-260-3888 (前日までに要予約)
営業時間
17:00〜入店20:30 ※夜と同等のコースであれば昼の時間帯も予約可能
定休日
不定休
席数
- カウンター7席
個室
なし
メニュー
おまかせコース13,200円・17,600円、日本酒1杯700円〜、ブルゴーニュ白ワイン1杯1,500円、ブルゴーニュ赤ワイン1杯2,200円、ボトルワイン10,000円〜
喫煙について
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- ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
- ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
- ※OSはオーダーストップの略です。
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- ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
- ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。
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