上野万太郎の「この人がいるからここに行く」【第4回】
天神で異彩を放つ多国籍料理屋台の挑戦【2/3】
公開日
最終更新日
ライター上野万太郎
カメラマン上野万太郎
天神
Telas&mico(テラスとミコー)
上野万太郎
ここ10年間、カレー店と珈琲店やカフェを中心に年間外食はのべ1,100軒以上。本業の傍ら、外食写真日記的なブログ「万太郎.net」で福岡を中心とした飲食店の人々やお客さんと関わったエピソードを発信。著書は「福岡カフェ散歩」(書肆侃侃房/2012年)、「福岡のまいにちカレー」(書肆侃侃房/2014年)。
インスタID:mantaro_club
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再び、イギリスへの挑戦
状況を打開するために久保田さんは債権者に対して、もう一度イギリスに行き料理人として一から出直す挑戦をさせて欲しいと訴えた。必死の気持ちが伝わったのかそれが受け入れられ、再び渡英。
今度はロンドンの東部、ブリックレーン近くに住んだ。この地区はイスラム系やアイルランド系の移住者も多くアートやファッションでも若者や観光客に人気のある地区。特にカレー料理店が多い地区でもある。久保田さんは小さな飲食店から始まりいろいろなレストランで働いた。
5年半、寝る間も惜しんで働いた。腕がいいと評判になると新しい店からも声がかかり、ギャラやチップは日本の比ではなくなるのがロンドン。物価も高いが稼げるチャンスもある世界有数の都市である。最終的には「ZUMA」「Nobu」「Umu」などモダンジャパニーズの星付きレストランでシェフとしての経験も積んだ。 結局、日本での借金の半分を返すことが出来た。もちろん英会話も身に着けたし人脈も出来た。「ロンドンでの修業は技術的なことだけでなく、メンタル的にも相当鍛えられましたね。強くなれました。イギリスにはいつか恩返しをしたいと今も思ってるんです」と久保田さん。
「Telas&mico」開業
次はモナコのレストランでの仕事が決まっていたが、ビザ取得に時間がかかりそうだったため一時帰国。その間、福岡市内で友達の店を手伝っていたら評判になり繁盛した。友達から独立開業を勧められたが、一度失敗しているしまだ借金もあるので躊躇していた。しかしいつかはあの黒歴史を乗り越えなければ自分の将来は開けない、と一人で切り盛りできる小さな物件を探すことを決意。
モナコのレストランには期限付きで入社回答を待ってもらったので期限までに賃借物件が見つからなければモナコに行こう。そう思いながら探していた時に不動産屋から紹介されたのが、現在の「Telas&mico」がある中央区春吉の那珂川沿いの物件である。 家賃的にも広さ的にもどうにか一人で切り盛りできる条件だった。ここでの開業を決めた久保田さんはモナコの話を断り、再び福岡で勝負することになる。32歳の時だった。
メニューはロンドンで学んだ人気メニューを中心に提供する。モダンジャパニーズの寿司や、客からの要望が多かったフィッシュ&チップス。それに肉料理やブリックレーン地区で食べていたロンドン風カレー。 日本で馴染みのある欧風カレーはイギリスをルーツにすると言われているが、久保田さんが作るロンドン風カレーはその欧風カレーとは全く違い、イスラム系の人たちがロンドンに持ち込んで定着させたカレーである。玉ねぎやトマトのフレッシュ感もあり、優しいスパイス使いで日本人にも食べやすいもの。コフタと言われるラム肉のスパイス風味のハンバーグがのっているのが特徴だ。
その後、父親の作っていた担々麺のアレンジとして、パクチーがどっさりとのったパクチーラーメンを始めた。見た目がインパクトあるラーメンだが、もちろんパクチーをのせただけの映え狙いではない。父親から受け継いだしっかりとした作りの担々麺がベースにあるからファンが多いのだ。
久保田さんは、とりあえず3年は越えるよう頑張ろうと「Telas&mico」をスタートさせた。3年にこだわったのは、あの黒歴史が3年だったからだ。お店はグルメな人たちの中で評判になり順調に業績を伸ばしていった。気づいたら5年が経過していた。その頃には黒歴史時代の借金もほぼなくなっていた。ちなみに「Telas&mico」という店名の由来は、那珂川が見える2階席がテラスみたいなこと、そして妹が「mico」というアクセサリー店を時々ここで開いていることから来ている。「たまにお客さんから、『天照大神(あまてらすおおみかみ)と巫女(みこ)という日本神話から取られた店名なんですよね』と聞かれることがあるけど、全く関係ないです(笑)」と久保田さん。
続きはこちら
パクチーラーメンとフィッシュ&チップス
ロンドン風カレーと小池店長
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店舗名
Telas&mico屋台(テラスとミコー屋台)(店舗写真)
ジャンル
- 屋台
住所
〒810-0004 福岡県福岡市中央区渡辺通4丁目9 天神南(バス停横)
電話番号
営業時間
19:00~24:00
定休日
日曜、月曜(雨天時は休み)
席数
- カウンター9席
- スタンディング3名くらい
メニュー
国産ワイン550円、ホットワイン650円、日本酒700円、焼酎550円、コーヒー500円、スパイシー汁なしまぜ麺880円、糸島豚の手作りソーセージグリル1,000円、雷山豚の朴葉焼き1,400円、鉄串三種セット900円など
喫煙について
- ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
- ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
- ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
- ※OSはオーダーストップの略です。
- ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
- ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
- ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。
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