福岡の食を支える中村学園卒業生のお店【11】
豊前裏打会系うどんとワインが進むイタリア料理!住宅街に佇む愛され店へ
今回ご紹介のお店
うどん 高浜や(田隈)
Pecora(草香江)
福岡の食を支える「中村学園」の卒業生
2024年に創立70周年を迎えた、“食の中村”こと「学校法人中村学園」。1954(昭和29)年に「福岡高等栄養学校」を開校したのがそのはじまりで、多くの料理人や食産業に携わる人材を輩出していることで有名です。
中村学園三陽高等学校
UMAGAでは70周年を記念し、卒業生が営む店や活躍する店をご紹介しています。連載11回目は、弾むような食感の絶品うどんやワインが進むイタリア料理で地元客に愛されている2軒のお店を訪ねました。
透明感あるツヤツヤ麺が絶品!
豊前裏打会の流れを汲む「うどん 高浜や」
おいしいうどんを求めてやって来たのは田隈の住宅街の一角、福岡歯科大学の側に店を構えるこちら。2018年4月のオープン以来、豊前裏打会の流れを汲むうどん店として人気を集めている「うどん 高浜や」です。最寄り駅は地下鉄七隈線「賀茂駅」で、お店の前には共用8台、第2駐車場には2台分の駐車場も完備。お昼時ともなれば、駐車場はパンパン、店内は満席の繁盛店です。
カウンターとテーブル席を備える店内は明るく清潔感があり、入口の券売機で食券を買うシステム。表の看板だけでなく、店内にも「豊前裏打会」の認定証が掲げられていました。
「豊前裏打会」とは北九州小倉南区の「津田屋官兵衛」の創業者・横山和弘さんを中心に、うどんを愛する人が集い発足されたうどん一派のこと。「豊前裏打会」の公認店で修業した店主のみが加盟を許されており、「麺に熱い想いを吹き込んだ一品を提供すること」と「いつも新しい個性を発信し続ける情熱を持ち続けること」が約束事なのだそうです。
店を営むのは「中村学園三陽中学校・高等学校」出身の店主・髙濵裕太さん(写真中央)。田隈の本店を任されている店長の香川さん(写真右)と、スタッフの松岡さん(写真左)も笑顔で迎えてくれました。聞けば3人は同級生で「中村学園三陽高校」のテニス部出身だそうです。
髙濵さんは「豊前裏打会」の系譜を継ぐ「うどん和助 本店」で10年に渡り腕を磨き、30歳で独立を果たしました。「高浜や」を開業するにあたり、“力を貸してほしい”と声をかけたのが、かつて「うどん和助」で共に働いていたこともある香川さんだったそうです。「中村調理製菓専門学校」卒業の松岡さんは長らく飲食業に携わっており、髙濵さんが誘い続けて遂に昨年末から合流。髙濵さんは2023年佐賀県唐津市に開店した「唐津店」を、香川さんと松岡さんは本店を……と、息の合ったチームワークで店を盛り上げています。
「うどんは知るほどに奥深く、難しい。だけどこの難しさが面白くて、日々試行錯誤の連続です」と髙濵さん。麺は店内で手打ち、熟成し、茹でたてを提供するのが「豊前裏打会」の鉄則で、「高浜や」では特に熟成に神経を注いでいるそう。季節や天候ごとに水や熟成庫の温度を見極め、湿度管理も徹底。じっくりと熟成させて「豊前裏打会」特有の美しく透き通るような麺を生み出しています。
それでは、自慢のうどんをいただきましょう。不動の人気No.1は「ごぼう天うどん」(650円)。「豊前裏打会」といえば、丸く繋がった大輪の花火のような「ごぼう天」が有名ですが、「高浜や」では2種類のタイプから選ぶことができます。一つは「うどん和助」仕込みの“丸く繋がったタイプ”で、もう一つは“1枚ずつバラバラに揚げたタイプ”です。今回は後者の“バラバラタイプ”をオーダーしてみましたが……山盛りな上に塩まで添えてあるなんて嬉しい〜! サックリ、ホックリ揚げたてで、これで650円はお得すぎませんか?
艶やかな麺はぷるんと弾むような弾力で、舌触りは実に滑らか。噛めばしなやかなコシがあり、もっちり、ツルッとした喉越しもたまりません。加えて、羅臼昆布・カツオ節・サバ節・ウルメいわし節などを独自に配合し、毎朝とる出汁も風味豊か。ひと口、またひと口と飲み干したくなるおいしさです。
さらには「高浜や」の看板メニュー「揚げなすとひき肉ぶっかけ」(980円)もハズせません。色よく揚げられたナスはジューシーで、甘辛く炊いた挽肉と相性抜群。羅臼昆布とカツオ節の旨味、特注の醤油の甘味やコクが効いたつゆが麺にしっかりと馴染み、こちらもヤミツキのおいしさでした。
温・冷と多彩なうどんに加え、丼物からおつまみメニューまで揃い、夜は家族連れや晩酌目的の方も多いそう。訪れる度に「次は何を食べよう?」と楽しみが尽きない「高浜や」へぜひ出かけてみてください。
旬食材を活かした逸品がズラリ!
ワインが進むイタリア料理店「Pecora」
続いては、地下鉄七隈線「六本松駅」から徒歩5分ほどという好立地にあるイタリア料理店「Pecora」を訪れました。六本松エリアの住宅街・草香江で愛され続けて、今年で10周年。店内にはオープンキッチンに面したカウンター席と、ゆったりくつろげるテーブル席を配し、1人客から家族連れまで、気取らずに立ち寄れる雰囲気が魅力です。
にこやかに迎えてくれたのは「中村学園三陽高校」出身のオーナーシェフ・岸田英憲さん。岸田さんは料理上手な母の影響もあり、食材を見るのが好きで、中学生の頃から料理人になるのが夢だったと話します。高校卒業後は「中村調理製菓専門学校」へ進学し、その後、北天神にあったイタリア料理店「イル・ボッコーネ」で3年、東京・南青山にあった「リストランテ・アカーチェ」でも3年半ほど研鑽。独立を視野に入れ帰福してからは、西中洲の「フィオーレ」などでも腕を磨き、2015年7月に独立を果たしました。
「ペコラ」はイタリア語でひつじを表す言葉です。
「当時、修業先の『アカーチェ』には『トラットリア・ペコラ』という姉妹店がありました。僕が福岡に戻る頃、残念ながら閉店してしまったのですが、大好きなお店だったので“大切にしたい”という思いも込めて、名前を受け継がせてもらいました」と岸田さん。
「肩肘を張らずに、料理やワインを楽しめるお店でありたい」と、料理はアラカルトを主体にしています。前菜、パスタ、炭火焼きの肉料理など、イタリアの郷土料理をベースにワインが進む一品を揃え、旬食材で作る黒板メニューも魅力的。早速おすすめをいただきました。
こちらは、スプマンテや白ワインに合わせたくなる「季節のフルーツとモッツァレラブッファラのカプレーゼ」(950円)。果物は季節ごとに変わり、この日はジューシーな洋ナシとイチゴが登場しました。水牛乳製のモッツァレラ・ブッファラは通常のモッツァレラよりもお値段が張る分、濃厚でクリーミーな味わいも段違い! 果物、チーズ、香り豊かなオリーブオイルに至るまで、妥協のない素材選びが光ります。
続いての「フランス産焼き栗とベーコン、トリュフのケークサレ」(990円)は、外側がザクッ、中はしっとりホロリ。表面に塗ったいちじくジャムや焼き栗のほんのりとした甘味、パルミジャーノチーズやベーコンの塩気、トリュフオイルの豊かな香りがとりどりに広がり、ヤミツキのおいしさです。岸田さんが「ワインのために作りました」と話す通り、これは白・赤、どちらのワインにもよく合う〜!
パスタはロングパスタに加え、ショートパスタも7、8種類を用意。晩秋から春先にかけ、ブロッコリーのおいしい季節には「ブロッコリーとアンチョビのオレキエッテ」(1,500円)がお目見えします。くたくたに火を入れて甘味を引き出したブロッコリーがモチモチとした“耳たぶ型”のオレキエッテに絡み、こちらもワインがどんどん進みます。
カプレーゼやケークサレはもちろん、冬は牡蠣と里芋のグラタン、春先はフレッシュのイカ墨を使ったイカ墨パスタなど、季節ごとの料理にファンが付いている「Pecora」。
「イタリア料理は素材が命。食材費の高騰は厳しいけれど、質を落としたり、中途半端な仕事をすればすぐ味に出てしまいます。お客さんにこれからも喜んでもらいたいから妥協はできません」。岸田さんのそんな姿勢が、10年間愛され続けている所以でしょう。
最後にワインもチェック! イタリアに絞り、北から南まで産地のバランスを取りながらセレクトしているというワインはボトルで約150本、グラスでも5種類ほどが揃います。5,000円台というお値ごろのものからプレミアムな1本まで多彩にあり、ハーフボトルの種類が充実しているのも嬉しいですね。
20:30〜22:00まではグラスワインとおつまみがセットになったお得な「ワインセット」(1,200円、 1,800円)も用意。「おひとりでも、ワイン1杯だけでもお気軽にどうぞ!」とのことなので、ぜひふらりと立ち寄ってみてください。
この記事は「学校法人中村学園」の提供でお届けしました。
類似の記事
店舗名
うどん 高浜や(店舗写真)
ジャンル
- うどん
住所
福岡市早良区田隈2-33-11
電話番号
営業時間
11:00〜OS15:30/17:00〜OS21:00
定休日
水曜
席数
- カウンター7席
- テーブル14席
個室
なし
メニュー
ごぼう天うどん650円、天ぷらうどん(7種別盛り)950円、めんたい釜玉うどん880円、揚げなすとひき肉ぶっかけ980円、ごぼう丼セット850円、おつまみ500円〜
喫煙について
店舗名
Pecora(ペコラ)(店舗写真)
ジャンル
- イタリア料理
住所
福岡市中央区草香江1-4-5 エリーナプラザ六本松1F
電話番号
営業時間
17:30〜フードOS21:30/ドリンク・ワインセットOS22:00、日曜〜OS21:00
定休日
月曜
席数
- カウンター5席
- テーブル16席
個室
なし
メニュー
季節のフルーツとモッツァレラブッファラのカプレーゼ990円〜、トリッパのピリ辛トマト煮込み1,320円、ペンネアラビアータ1,100円、仔羊の炭火焼き3,300円、グラスワイン770円〜、ワインセット(ワイン1杯+おつまみ)1,200円
喫煙について
- ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
- ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
- ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
- ※OSはオーダーストップの略です。
- ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
- ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
- ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。
記事に関する諸注意
- ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
- ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
- ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
- ※OSはオーダーストップの略です。
- ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
- ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
- ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。
人気記事ランキング
- 24時間
- 1週間
- 1ヶ月