昭和感を残す商店街があり個人商店も多く点在する美野島は、下町風情を感じるエリア。一方で新鋭のアートギャラリーなどもあり、個性的でディープな町という印象があります。そんな美野島に新しく、カフェ、中華、ミュージックバー、カラオケなど多面的な要素をもつ、「大人の遊び場」がコンセプトの複合施設が誕生しました。仕掛けたのは「博多水炊きとり田」「博多シーフードうお田」などの人気店を運営する会社・studio092というのですから、そんなの楽しい場所に決まってるはず! 期待を大きく膨らませて行ってみました。

場所は住吉寄りの美野島一丁目。下町っぽい町並みに現れる煉瓦の建物は、なんだかニューヨークのブルックリンや、ロンドンのイーストエンドの風景を彷彿させます。
この「STUDIO092」は構想から約4年を経て、自社ビルをリノベーションして作られたものです。「複数の専門店を手がける中で、いま一度、独立後の原点である『手島邸』のような余白と遊び心のあるお店をしっかりやっていかないとの思いがありました」と社長の奥津啓克さんは話します。1階、2階、3階、そして屋上まで、フロアごとに仕様と雰囲気を変え、さまざまなシーンで利用できるかつてないスペースになっています。
では、それぞれのフロアを見て回りましょう。

まずは1階のカフェへ。カウンター席をメインにテーブルもあります。外にはテラス席もありペット同伴もできるそうです。

2階はレストラン&バーです。ゆったりくつろげるソファー席と、バーをぐるっと囲むカウンター席があります。

ミュージックバーでもある2階は、壁にレコードがずらりと並び、DJブースもあります。ふだんはJ-POP中心に曲をかけていて、リクエストも受け付けてくれます。また他ジャンルの曲をテーマにする日があったり、ゲストDJを呼ぶイベントなどもやっているそうです。


3階は個室が2つあり、どちらもカラオケが装備されています。食事をプライベートに楽しんだり、カラオケと食事の両方を楽しむこともできます。個室は1室1時間2,200円(2025年6月から1室1時間3,300円)。個室プランもあるそうなので気になる方はお問合せを。


そして屋上のルーフトップテラスへ。テントが張られていて、グランピング感覚で過ごすことができます。テントの利用料金はありませんが予約制になっています。(空きがあれば当日案内も可能)
ここに来る前までは、フロア別に違う店舗で営業していると思ってましたが、実際は建物全体が一つの店舗になっていて、11〜18時がカフェタイム、18〜22時がレストランタイム、22時〜翌3時がバータイムということでした。つまりどの時間帯でも、気分に合わせて好きなフロアを選んで、コーヒーや食事が楽しめるのです。(※5月末時点では1階のみ営業は18時まで)
では、どのような食事が楽しめるか紹介していきましょう。

店舗からの提供
カフェタイムでは、コーヒーをはじめ八女茶やソフトドリンク、お酒も提供されています。

コーヒーは、厳選した複数のロースタリーの豆を飲み比べたうえで、美野島にある「豆の樹」にオリジナルでブレンドを作ってもらうことにしたそうです。ホットは浅煎り・中煎り・深煎りの3種類(各550円)。水出しで12時間かけて抽出するアイス(600円)もあります。

元フレンチのシェフが手がけるスイーツは本格派。写真の「スクラッチチーズケーキ」(750円)は生地に3種のチーズ、隠し味として「またいちの塩」が使われています。

「自家製MINIめんたいフランス」(400円)は、「とり田」特製の明太子、高千穂バター、全卵を使ったマヨネーズのフィリングがたっぷり挟んであります。パッケージが可愛くテイクアウトとしても人気。カフェで注文すると、オーブンでカリッと温めて出してくれます。
ディナータイムは、一転して中華料理を提供。
前菜、点心、温菜、麺飯と揃い、火鍋もあります。麺飯には、「とり田」のランチにも登場した「水炊きスープで炊いた シンガポールチキンライス」(1000円・大1300円)などもありました。

まずは、「おまかせ前菜」(5種2,000円)を頼んでみました。手前から時計回りに「よだれ鶏」「豚タンスモーク」「酔っぱらいキャンディチーズ」「煮干しのピーナッツ和え」「シャキシャキ!ピリ辛 辣油キューリ」。身が柔らかく花椒がピリッと心地よい刺激のよだれ鶏、旨味がぎゅっと凝縮された豚タン、紹興酒に漬け込んだチーズ……一品ごとに違う美味しさと個性が楽しめます。なお3種の「おまかせ前菜」もあります(1,300円)。

「トリュフ焼売」(2個600円)は、餡にトリュフを混ぜ、上にトリュフペーストをトッピング。トリュフオイルもかけてあり、それはもう香り豊かです。酢醤油などは付けずにこのままガブリ。豚肉の甘みにトリュフの香りが絡まり、中華というより洋食のような味わいです。

「甘酸っぱい!ベリー香る絶品叉焼」(2,000円)は、低温調理で柔らかく、噛むと肉汁がじゅわっと口に広がります。紹興酒とベリーを煮詰めたソースに絡めると、深み増し増しです。
なぜ中華なのか尋ねてみたところ、「中華って週に2、3回食べたくなりません? でも定番の中華をうちがやる意味はなく、この空間を目的に来てくれるお客さんにとって、料理の内容や味はどういったものが必要なんだろう?と最優先に考えてやっている中華です」と奥津さん。


店舗からの提供
また、奥津さんは最後に空間全体についても語ってくれました。「店舗全体をカフェと捉えているんです。自分たちが若い頃ってそれこそカフェの走りで、個性派オーナーが仕掛けるカフェがたくさんできていった時代でした。つまりカフェというものは、おしゃれで料理も美味しく、また何かしら情報発信もしていていろんな人たちの溜まり場や遊び場だったんです。今はそういったカフェはほぼなくなってしまったので、やっぱりいるよなって感じて。少し時間がかかるでしょうけど、ここがかつてのカフェのような存在になるといいなと思っています」。

たとえば、昼間は好きな場所を見つけてゆっくりしたティータイムを過ごす。夜であれば、ここでディナーを終えたあとそのまま、バータイムでお酒や音楽を楽しんだり、個室に移ってカラオケをしたりと2次会的に過ごすのもあり。天神や博多駅からやや離れていますが、その日その時の気分で気ままに過ごせる自由さは得難く、わざわざ出向く価値は大いにあります。なんなら居座って、ず〜っと遊んでしまいそうですが……。
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店舗名
STUDIO092(スタジオゼロキュウニ)(店舗写真)
ジャンル
- 中華料理
- スイーツ
- パン
- バー
- カフェ
- コーヒー
住所
福岡市博多区美野島1-4-1
電話番号
営業時間
11:00〜翌3:00(カフェタイム11:00〜18:00、ディナータイム18:00〜22:00、バータイム22:00〜翌3:00)
定休日
不定
席数
- カウンター25席
- テーブル36席
- テラス4席
個室
2-8名
メニュー
[カフェタイム]コーヒー550円、アイスコーヒー600円、涼み深むし水かぶせ茶500円、スクラッチチーズケーキ750円、自家製MINIめんたいフランス400円、濃厚バニラフレンチトースト1,200円
[ディナータイム]おまかせ前菜5種2,000円・3種1.300円、トリュフ焼売2個600円、海老ワンタンの青山椒旨醤油4個600円、チーズとぷりぷり大海老の絶品エビチリ6尾1,800円、甘酸っぱい!ベリー香る絶品叉焼2,200円、火鍋1人前3,800円(注文は2名様より)、水炊きスープで炊いたシンガポールチキンライス 1,000円・大1,300円
喫煙について
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