コーヒーの街・福岡のロースタリー巡り【9】

久留米市の郊外で18年続く理由は、良い原料を真面目にコツコツと

公開日

ライター諫山力

カメラマン諫山力

久留米市

TOMOMO COFFEE

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以前ご紹介した直方市の「このみ珈琲」と同じく、東京にある「堀口珈琲」が運営するリーディングコーヒーファミリー(LCF)から生豆を仕入れている店が久留米市にもあります。それが「TOMOMO COFFEE」。久留米市の北野町という田園風景が広がる郊外にあり、北野町でも決して目立つことはない隠れ家的な立地です。

TOMOMO COFFEE 外観

店があるのは北野町を南北に貫く県道53号から少し脇道に入ったところ

ただ、店は2007年オープンと、今年で創業18年目。目立たない場所で、20年近く愛されているのには理由があります。それは純粋に品質の良いコーヒーを丁寧に真面目に焙煎し、おいしさを追求してきたから。

TOMOMO COFFEE 看板

唯一の目印はこの看板

店主の深町朋子さんはもともと会社員でしたが、30歳の時に一念発起してコーヒーの世界へ。焙煎や抽出のセミナーなどに参加しながら、ほぼ独学で知見を深めていったそうです。その過程で出会ったのがLCFでした。
「長く愛される店になるためには、良い素材を使わないといけないと考えました。いろいろなコーヒーショップを巡る中で堀口珈琲さんの味わいに感動し、LCFのメンバーに入れていただきました」と深町さん。

TOMOMO COFFEE コーヒー豆

興味があるお客さん向けに生豆の紹介も

当時、LCFに入るには店舗を構えていることが条件で、ほぼノープランでしたが、実家の田んぼだった場所に店を建て、開業に至ったそうです。すごい行動力!時にはこれぐらい思い切ったアクションも必要なのかもしれません。

TOMOMO COFFEE テラス席

店の周りは田畑

田んぼの中にぽつんと建つコーヒーショップ。最初は地元に暮らす人々が農作業の途中などにお茶を楽しみに利用する感じで親しまれ、喫茶利用をきっかけに少しずつ豆売りを伸ばしていったそう。
今ではカフェ利用は少しで、訪れるお客さんはほとんどがコーヒー豆を購入するのが目的。昨今、コーヒー豆の価格が高騰しているのは言わずもがなですが、「TOMOMO COFFEE」は現在もハウスブレンドは100グラム650円など、できる限り手ごろな価格で販売。ここ1年ほどでデイリー向けのブレンドでも100グラム800円、900円程度になっている店が多い中、この値段を維持していることに驚かされます。

TOMOMO COFFEE 豆売り

ストレートは2025年7月現在、100グラム700円〜

深町さんは「正直ギリギリの値段設定ですが、毎日ご自宅でコーヒーを淹れて飲んでいただくことを考えると、できるだけ価格は上げたくはないんです」と話します。
まさにこの姿勢こそ「TOMOMO COFFEE」の一番の魅力。深町さんのまっすぐで、飾りけのない人柄がよく表われているエピソードです。

TOMOMO COFFEE 内観

カフェスペース。店奥に小上がり席もある

コーヒーは中煎りの「青空の珈琲」、中深煎りの「緑の風の珈琲」といったハウスブレンド4種、シーズナルブレンド1種、ストレートコーヒーが同じ生豆の焙煎度違いを含めて15種とラインナップは多彩。
ちなみにストレートコーヒーの産地は、2025年7月現在、ペルー、ブラジル、ホンジュラス、グアテマラ、エチオピア、コスタリカ、ルワンダ、タンザニア、インドネシア。中南米、アフリカ、東南アジアとエリアは多岐にわたります。

TOMOMO COFFEE ドリップバッグ

ドリップバッグはほぼ全種用意

ラッキーコーヒーマシンの直火式焙煎機を昔から愛用しており、マシンの特性上、中深煎り、深煎りレンジのコーヒーが中心です。生豆の個性を焙煎によってしっかりと表現しながら、いわゆる“コーヒーらしい”味わいを楽しめるものが多いのが、多くのコーヒーラバーに愛されている理由。おそらくどの豆を選んでも、「コーヒーってやっぱりこの味わいだよね」という感想を抱く人は多いと思います。

TOMOMO COFFEE 焙煎機

直火式の特性も活かしながら、それぞれの豆に合った焙煎を模索

奇をてらわず、地道にコツコツと。派手さはありませんが、どこかホッとする味わいのコーヒーが揃う「TOMOMO COFFEE」。日々自宅でコーヒーを楽しみたいという人に、ぜひ足を運んでほしいと思います。

店舗名

TOMOMO COFFEE(店舗写真

ジャンル

  • コーヒー

住所

福岡県久留米市北野町中659-3

電話番号

0942-78-3787

営業時間

10:00〜18:00

定休日

水曜、第3日曜

席数

  • テーブル6席
  • 小上がり4席
  • テラス4席

メニュー

ドリップコーヒー(ホット・アイス)500円、コーヒーゼリーアイスのせ400円、コーヒーゼリー生クリームのせ250円

喫煙について

禁煙
  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。

記事に関する諸注意

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