十人十色、福岡の餃子あれこれ【1】

1日に5,000個も仕込む、博多が誇る老舗の一口餃子!

公開日

最終更新日

ライターモリカワカズノリ

カメラマンモリカワ カズノリ

旭軒_餃子

博多駅

旭軒 駅前本店

  • x
  • LINE
  • お気に入りに登録する

福岡の餃子シーンを語る上で、忘れてはいけないのが「旭軒」です。小ぶりながら餡がぎっしりと詰まり、絶妙な火加減で焼き上げられた餃子は、最高なお酒のパートナーですが、酒飲みならずとも博多っ子にとっては大切な食文化の一つなのです。
そんな、今なお愛され続けている老舗の魅力を紹介します!

旭軒_外観

「旭軒」は昭和29年創業の屋台がルーツです。現在は2代目店主の松尾秀雄さんが、昭和39年から屋台に勤めて以来、ずっと餃子を焼き続けています。店内は餃子専門店では珍しいほど広く、コロナ禍で席数を減らしたとはいえ50席を確保。老舗ならはの気軽な雰囲気だから、一人でもふらりと立ち寄りやすく、どこか家のような居心地の良ささえ感じます。

旭軒_内観

酢モツやサラダといった小鉢はあるものの、メインのメニューは「焼餃子」「水餃子」「手羽先」のみ。このシンプルなメニュー構成も長く愛される理由なのでしょう。中でも、やはり基本は「焼餃子」(10個360円)。長さ6cmほどの片手ですっぽりと握れてしまうほど小ぶりサイズが特徴の博多名物「ひとくち餃子」です。1日に約4,000〜5,000個(400〜500人前)も仕込むという人気の餃子、そのおいしさの秘密には、「皮」「餡」「焼き」という3つのポイントがあるそうです。

旭軒_餃子

まずは「皮」ですが、厚みを約0.3mmという極薄にすることで、具材を邪魔せず餃子の旨味をダイレクトに味わうことができるのだとか。そして、その皮に包まれているのは、肉や野菜など14種類の素材を混ぜ合わせた餡。松尾さんは、「大事なのは素材のバランス。つなぎを一切使わず、肉、タマネギ、キャベツといった主要な素材のほか、その他の具材と調味料をも含めて、絶妙な分量を計算しているからうちの餃子はおいしい」と、その秘訣を教えてくれました。

旭軒_餃子仕込み

そんなこだわりが詰まった皮と餡を使って、朝から職人たちがその日の分をせっせと仕込んでいきます。皮の作り手と餡を包む人とで担当が分かれ、目で追うのがやっとなほどどんどん作られる様は、まさに職人技! ずっと見ていたいほど、見事な流れです。

そして、一つ一つきれいに包まれた餃子を焼くのも熟練の技です。
黙々と餃子を焼き続けるのは、この道50年以上の経験を積んでいる松尾さん。年季を感じる焼き台は、一度に約250個(25人前)も焼くことができ、厚さ15mmの鉄板と6連バーナーの力によって、大量注文にも対応しています。
焼き時間は5分程度。まずは、表面を軽く焼き、その後油を回し入れて蒸し焼きにします。そうすることで、ベタッとせずに表面が程よくカリカリに仕上がるのだそうです。

旭軒_大将

油を使うことで重たくなる印象があるかもしれませんが、むしろ、余分な油がつかないように良いタイミングで鉄板から上げ、酢醤油をつけて食べることで想像以上にさっぱりといただけるというわけです。人にもよりますが、1人で20個、30個は軽くたいらげるのが基本です。
実際に食べてみると、程よくパリッとした薄皮といろいろな具材が織りなす食感が心地よく、白ごはんやお酒に合うしっかりとした味付けがたまりません! 添えられた千切りキャベツもポイント。キャベツを合間に挟みながら食べることでサッパリとして口がリセットされ、また新鮮な気持ちで餃子を楽しめます。
一つ食べてはビールを一口、柚子胡椒をつけた餃子でまたビールを……。相思相愛の組み合わせにもう箸とビールが止まりません。

旭軒_水餃子

途中で変化をつけて「水餃子」(10個360円)を挟むのも博多流。茹でることでモチモチとした皮と餡の食感が「焼餃子」とは異なり、「水餃子」ならではの味わいが魅力です。特に具材の食感をよりダイレクトに感じることができるので、ぜひ食べ比べてみてください。ちなみに、時間が経つと水分が飛んでしまうので、できたてをすぐにいただきましょう。

旭軒_手羽先

また、餃子を焼いている間は、カウンターに置かれた「手羽先」(1本92円)の唐揚げをつまみながら待つというのも「旭軒」のスタイル。「焼餃子」もさることながら、この「手羽先」が好きで通っているという人も多いほど、クセになる一品です。
こちらも冷凍は一切せず、前日に醤油ベースのタレにつけた手羽先をその日の朝に一度に仕込むのだといいます。1日に多くて500本も仕込み、1人で何本も食べてしまうほどヤミツキにさせる秘訣は揚げる時間です。中温で30分、じっくりと揚げることで、皮下油が全部抜け、揚げたてではなくてもおいしく食べられるように仕上がっています。
下味がしっかりとついた身が柔らかくて、アルミホイルの持ち手がついている分食べやすいから、止めどなくいつまでも食べていられる一品です。
きょうは熱々で食べましたが、この「手羽先」、冷めても、いや、冷めているからこそのおいしさもあるんです。

旭軒_メニュー

まだ明るい15時から営業しているので、0次会や昼飲みにもおすすめです。また、「焼餃子」と「手羽先」は持ち帰りもできるので、おうちでゆっくりと店の味を楽しむのもいいですよ!

店舗名

旭軒 駅前本店(店舗写真

ジャンル

  • 餃子

住所

福岡市博多区博多駅前2-15-22

電話番号

092-451-7896

営業時間

15:00〜OS23:30

定休日

日曜

席数

  • カウンター11席
  • テーブル50席

個室

なし

メニュー

焼餃子10個360円、水餃子10個360円、手羽先1本92円、小鉢(酢モツ、マカロニサラダ、きんぴら)270円、生ビール470円

喫煙について

禁煙
  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。
デビ高橋の肉まみれ 11/3(日)~11/4(月)

人気記事ランキング

  • 24時間
  • 1週間
  • 1ヶ月
  • ワンタップでUMAGAにアクセス!
  • メルマガ会員募集