心が優しくなれるモーニング。「朝トレネ」はじまりました

せっかくのお休みなのに、トゲトゲ・ツンツン・イライラ気分……。そんなブルーな日、ありませんか？　この日の私はまさにそれ。だから、自分のご機嫌とりに出かけたんです。今年の7月からモーニングを始めたという、警固の「trene（トレネ）」へ。

警固本通りをぐんぐん進み、筑紫女学園の手前の角をひょいっと曲がれば、緑に包まれた真っ白な一軒家が目の前に。この日はあいにくの天気だったのですが……。くもりでも雨でも、「トレネ」はやっぱり素敵。

開業13年目を迎えた「トレネ」は、「TAGSTÅ（タグスタ）」（渡辺通）や「townz（タウンズ）」（高宮）を手掛ける橋口靖弘さんと奥様の恵深（めぐみ）さんが営むカフェ・レストラン。まちの写真館「ALBUS（アルバス）」も併設しています。

ビンテージ感のある椅子やテーブルがセンスよく配された空間にも、気分が上がります。

「トレネ」の自慢は、うきは・リバーワイルドで育てられたりんご豚を使ったハンバーグや、旬野菜たっぷりのランチ。しかしオーナーの橋口さんはそれに加えて、ずっとトレネのモーニングをやりたかったのだとか。

ある日のモーニングメニューはこんな感じ。季節や仕入れによる食材を盛り付けるオープンサンド「SMØRREBRØD（スメアブロー）」、キッシュやテリーヌソーセージといった日替わりのメインものる「サラダプレート」など、約4種類がそろいます。

提供時間は土・日・月・火の9：00〜11：00。私は早起きが苦手なので、これくらいの“ゆるりスタート”もありがたい限り。

注文してぼーっと待つ時間も、何だか心地いい。誰かが、自分のために朝食を用意してくれている。それだけで、トゲトゲした気分がちょっと柔らかくなってきます。

どんより気分を吹き飛ばすような空色の器で登場したのは「スープとパン」（500円）。スープの内容はほぼ日替わりで、天然酵母のパンと季節の果物で作るジャムやコンフィチュールも自家製です。

この日は、バターナッツカボチャのポタージュでした。とろりとなめらかで、じんわりと柔らかな甘味。ナッツやピンクペッパーのアクセントも小気味よく弾けます。

「トレネ」では、南区高宮駅そばにアトリエを構える「錆枝（さびえ）」の器を使用しているそう。温かみある風合いにも、トゲトゲ気分がほぐされていくようです。

さて、この「ダーラナホース」（写真上）を見てしまったせいか、どうしても注文したかったメニューがもう一つ。橋口さんがかつて薬院大通で営んでいた「ダーラヘストカフェ」の人気メニューを、「トレネ版」として復活させたという「ノルウェーワッフル」（580円）です。

＊「ダーラヘストカフェ」は、惜しまれつつ閉店した北欧雑貨とエスプレッソを扱うカフェ。当時の福岡のカフェシーンを牽引する存在でした。

＊「ダーラナホース」は、「ダーラヘストカフェ」のアイコンだった木彫りの馬。スウェーデンの伝統工芸品です。

ノルウェーワッフルは他のワッフルに比べてやや薄く、カルダモンが混ぜ込まれているのも特徴。一口食べればモチモチとした食感と、スパイスの香りが優しくふわり。サワークリームで作るさっぱりとした「フィヨルドクリーム」や「季節のソース」（写真はハニーナッツといちじく）もよく合います。

プラス200〜300円でドリンクもセットに。窓の外に覆い茂った緑が、アイスコーヒーの氷に映って輝いていました。

モーニング2人前を1人でペロリと平らげ、トゲトゲした気分はすっかりまぁるく。おなかが満たされ、心も優しくなれるような「トレネ」のモーニング、ぜひ出かけてみてください。

キッチンをチラリと覗けば……う〜ん、フォトジェニック。階段下からの、このアングルも素敵。いつかは「ALBUS」で“写ルンです”の現像してみたいなぁと、憧れています。

※価格はすべて税別