グランドメゾン presents 「ハレの日レストラン」【第51回】

九州の旬が花開く、ラグジュアリーホテルの日本料理レストラン

公開日

ライター葉山巧

カメラマン平川雄一朗

幻珠八寸1

大名

幻珠(げんじゅ)

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熱い視線と期待を浴びて、ザ・リッツ・カールトン福岡がデビューしたのは今年6月のこと。その威風堂々な姿は早くも天神の新ランドマークとなっています。
世界的ラグジュアリーホテルだけに、無論グルメにも贅沢な愉しみがたっぷり。それは18階のレストラン「Viridis」や、24階のバー&ラウンジ「Bay」の訪問でも証明済みですが、もう一つ訪ねるべき店がありました。それが18階で客を迎える日本料理レストラン「幻珠」です。

幻珠鉄板焼
幻珠鮨

フロアは会席・鮨・鉄板焼と3つの独立したスペースに分かれ、とくに東京の一つ星店「鮨 将司」がプロデュースする鮨は、すでに予約困難な人気ぶりとか。鉄板焼はカウンター8席、鮨はカウンター10席を持ち、高層階ならではの絶景が一望できます。会席・鮨共用の個室もあり、そちらは最大8名まで利用可能です。

幻珠店内1
幻珠店内2

鮨と鉄板焼にも惹かれますが、今宵は会席にて20,000円コースを予約。通されたテーブル席はゆったりした空間で、博多織をモチーフにした装飾がモダンな輝きを加えています。ガラス越しには街の灯と大濠公園が見え、心潤う非日常を描いていました。
なお、こちらも2~12名収容の個室が用意され、最近はお食い初めや顔合わせなどの慶事に重宝されるそう。大事な瞬間を祝うのに最高のチョイスでしょうね。

幻珠先付

さて、今宵のコースは全7品。「その土地が秘めた素晴らしい食材を紹介する」とのコンセプトを掲げ、店名にも“至宝”を冠した「幻珠」の料理にも、九州の魅力が余さず盛り込まれます。

その先陣を切るのは、志賀島の天然車海老、糸島のわさび菜、宮崎産椎茸を用いた先付。半生に茹でた車海老と、おひたしにした椎茸という旨味の濃い具材を、酸味と清涼感あるゼリーが包みます。ゼリーは枕崎の鰹節をベースに、ラディッシュや酢を加えたもの。残暑厳しい夜には嬉しい、爽やかな1品目でした。

幻珠椀物

蓋をあけた途端、ふくよかな香りに襲われる椀物も印象的。博多スギタケ、白舞茸、黒あわび茸など9種ものキノコを投じ、一口ごとに異なる風味と食感が楽しめます。秋の味覚を「喰らう」ような勢いある一杯ですが、それを優しく中和する淡い出汁が全体に気品を添えていました。

幻珠シェフ

どの料理も旬の食材を主役にし、たおやかに美味を花開かせたものばかり。「これぞ和食の醍醐味」と鮮やかな手際に唸っていたら、その風雅な世界を生みだす料理長がまだ30歳と聞いて驚きました。

早良区西新生まれの中島弘貴さんは、京都の名店「和久傳」で技法を学び、その元料理長が営む東京の「銀座ふじやま」でさらに精進。そこで手にした目標が、日本古来の“侘び寂びの美”を感じる料理でした。
「だからこそ、僕は何より引き算を大切にします」と中島さん。そんな職人の技術と感性に惚れたのが、このホテルの総料理長・早坂心吾さんです。偶然の縁から中島さんと知り合うや、すぐに自ら「幻珠」にスカウト。「四季折々の風景が目に浮かぶ料理」──中島さんの持ち味を、早坂さんはそう表現します。

幻珠八寸2

その言葉を裏付ける好例が、一品一品が強い存在感を放つ八寸です。この日は焼魚のカマス、イカとタイの酒盗、ムカゴと銀杏、佐賀の白石蓮根、サツマイモのレモン煮など。それぞれに意図や役割を持たせた構成で、酸味や塩味の均衡が取れた味わいも好印象です。また八寸には珍しく、焼物・揚物はしっかり温かいままで提供。そんな些細な気遣いからも、食材や客への慈しみが伝わる気がします。

幻珠揚物

これは福岡産の春菊とハモを刻み、道明寺粉をまぶした豊年揚げ。小品ながら軽快な歯触りが楽しめます。「これから始まる稲刈りに合わせ、豊作を祈願する一品のイメージで作りました。こういう文化的に根ざした料理を、もっと前向きに取り入れたいですね」と中島さん。

その後も冷菜、炊き合わせ、銀鮭の炊き込みご飯に栗大福と、「日本料理」に期待するすべてがコースの随所に詰まっていました。日本人の琴線に触れてやまない柔和な味は、穏やかにたゆたう音楽のよう。外国人ゲストにも、この料理は良き食文化のアンバサダーになるはずです。
「インターナショナルホテルの役割として、それは常に意識しますね」と中島さんも言葉に力を込めます。いずれは「福岡で独立を」と夢見る俊英ですが、その日まではこの店で、陶芸や農業なども含めた九州クラフトマンシップを結集し、数々の“至宝”を見せてくれるでしょう。

この記事は積水ハウス グランドメゾンの提供でお届けしました。

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店舗名

幻珠(げんじゅ)(店舗写真

ジャンル

  • 日本料理
  • 寿司

住所

福岡市中央区大名2-6-50福岡大名ガーデンシティ ザ・リッツ・カールトン福岡18F

電話番号

092-401-8882レストラン予約

営業時間

11:30~OS14:00/17:30~OS21:30(会席)

定休日

なし

席数

  • テーブル32席

個室

2〜12名

メニュー

ランチコース7,000円・11,000円、ディナーコース20,000円・30,000円 個室室料/ランチ22,000円・ディナー33,000円

喫煙について

禁煙
  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

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