昼はカフェ・夜はバー。スパイスで刺激のある毎日を

大名の路地奥に広がるのは、奥深いスパイスの世界。2020年10月に「SPICE STAND & GALLERY BEM」としてリニューアルし、それまでの国産ウイスキーのバーとしての営業に加えて、昼はスパイスカフェもスタート。チャイやスパイスティー、スパイスコーヒー、クラフトコーラなど、スパイスにこだわった一杯に出会える。

おすすめは一杯立ての「チャイ」（650円）。アニス、カルダモン、シナモン、クローブ、チリなどを使用したスパイシーなミルクティーだ。「挽いてみてください」と渡された真鍮のスパイスグラインダーでゴリゴリとスパイスを潰すと、爽やかなスパイスの香りが立ってきた。オーダーごとに挽いて淹れる本格的なスタイルで、ポットを高く上げて注ぐ様子も見ていて楽しい。

淹れ立ての「チャイ」は飲めばピリッと刺激がありながら、ミルクの優しい甘みに包まれ、至福の時間。1ポットで2杯楽しめる。寒い日にはチリを多めに効かせるなど、配合をアレンジしてくれるのも嬉しい。

さらにメニューにあるスイーツには、見慣れない「マーラーカオ」の文字が。台湾の蒸しパンで、福岡で食べられる店は珍しい。塩麹の入ったふっくらモチモチの生地に、チャイやシナモンなどの風味を添えてアレンジしている。写真は「シナモン風味の小豆とデーツのマーラーカオ」（350円）。
他にも「ビーツとストロベリーのスムージー」（700円）、自家製の「クラフトコーラ」（650円）など気になるメニューがたくさん。テイクアウトも可能だ。

店主は、カレーが人気の薬院の喫茶バー「回kai」を営む佐野いずみさんで、夜はご主人の俊彦さんがカウンターに立つ。「スパイスはカレーだけではない、と伝えたくて」と、配合やレシピを試しながら、メニューを開発。その可能性を佐野さん自身も楽しんでいるよう。

夜はグッと照明を落として、隠れ家感のあるバーに変身。スパイスを漬け込んだウイスキーも並ぶ。

2階にはギャラリースペースもあり、写真やイラストなど様々な展示やイベントが行われている。「スパイスとアートで心に刺激を与えて、みなさんに元気になってほしい」と佐野さん。気軽な立ち飲みスタイルで新境地を拓く”スパイススタンド”は、様々な刺激をくれる五感に響くパワーチャージスポットだ。