国鉄時代の筑肥線が、今とは違うルートを通っていたのはご存じでしょうか? 1981年(昭和56年)に福岡市地下鉄が開業するまでは、博多駅を起点に簑島(美野島)〜小笹〜鳥飼〜西新といった駅を経て、姪浜まで線路がつながっていました。僕は子どもの頃、博多から唐津まで汽車(当時は国鉄の列車をそう呼んでいました)で行ったことがあるのですが、思えば旧筑肥線を通っていたんですね。小笹駅の北側には県内最大級の約1,000戸を擁する「小笹団地」があり、住宅街と博多駅を結ぶ重要なアクセス路線でもあったようです。廃止後の線路跡は筑肥新道や梅光園緑道などに整備され、現在の小笹交差点近くには当時の駅前商店街の名残があります。警固から小笹に移ってきた「お食事の店 大﨑」もそのうちの一軒で、昭和の時代から半世紀以上の歴史を重ねてきた町食堂です。

場所は西鉄小笹バス停のすぐ近くで、地元スーパー「マルキョウ 小笹店」のはす向かいに掲げられた黄色い看板が目印です。鉢植えの花々に囲まれた入口の扉を開けると、天井から吊るされたオレンジ色のランプシェードが昭和を感じさせるレトロチックな空間。壁にはご主人と奥さんの趣味であるという風景写真や刺繍の作品が掛けられ、まるで親戚のおじさん、おばさん宅の客間に招かれたような気分です。そんな雰囲気が心地よく、しばしば通うようになりました。


メニューは日替わりをはじめとする定食がメインで、しょうが焼きやトンカツ、和風ハンバーグなどが650円〜850円と、値段まで昭和な感覚です。さらに、丼ものやカレー、焼きめしなどの一品料理に加えて、うどんやニューメン、焼きそばといった麺類まで充実。実は以前、ランチに定食を食べに行った際に、隣のお客さんが注文していた「和風ちゃんぽん」(630円)があまりにも美味しそうだったため、次回はこれにしようと心に決めていたのでした。

いつも気さくな奥さんに「今日は和風ちゃんぽんで」と注文すると、厨房でご主人が鍋を振る音が聞こえてきます。しばし、奥さんと世間話をしながら待つこと約10分。「おまちどおさま」と、平べったい漆黒の器から湯気を上げるちゃんぽんが運ばれてきました。


木製の丸いレンゲでスープを一口すすれば、鰹節と昆布の和出汁が香ります。キャベツ、モヤシ、ニンジン、キクラゲ、ミックスベジタブル、豚肉、アサリ、イカゲソ、かまぼこ、ちくわといった盛りだくさんの具材から旨みと甘みが染み出し、なんともやさしい味わいです。
中太の麺はスープを程よく吸い込み、ムニュッとした食感とともに滋味が口中に広がります。中国料理店や専門店とは違った気取りのない家庭的な味に心からホッとした気分になり、半世紀以上ご夫婦で営んできた町食堂を象徴するかのような一杯でした。

過日食べた「日替わり定食」(650円)は、サバの煮付け、小鉢2品、お揚げの味噌汁の一汁三菜に、ご飯と漬物というまさに王道の組み合わせでした。以前から気になっていながら未食の「だんご汁」もあり、次回は何を注文するか頭を悩ませそうです。

店舗名
お食事の店 大﨑(店舗写真)
ジャンル
- 定食・食堂
- 麺
住所
福岡市中央区小笹1-12-18
電話番号
営業時間
10:00〜14:00/15:00〜18:00
定休日
日曜
席数
- テーブル12席
個室
なし
メニュー
日替わり定食650円、だんご汁定食800円、トンカツ定食850円、和風ハンバーグ定食850円、親子丼650円、やきめし600円、カレーライス700円、オムライス700円、和風ちゃんぽん630円、やきそば650円
喫煙について
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- ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
- ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
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