脂がのって旨味濃厚なサワラを、多彩な料理で堪能！

「魚」に「春」と書くサワラ（鰆）は、春の季語でもあり、古くから春を告げるお祝いの魚。今回はサラワを満喫しに「和ごころ」へお邪魔しました。「和ごころ」は西鉄薬院駅から徒歩5分の魚料理が自慢の居酒屋で、店主の宮本斉明さんが作る九州をはじめ全国から仕入れた旬の食材を使った料理が楽しめます。「うちで仕入れるサワラは質の良い福岡産だけ。旬の時期は脂がのっているからシンプルに刺身で味わうのが一番です。淡白な身を生かしてさまざまな料理に合わせられるのもサワラならではの魅力です」と宮本さん。

まず注文したのは「サワラの煮揚げ」（1,000円〜）。サワラの旨味が溶け出さないようにサッと素揚げして油でコーティングし、表面をややパリッとした食感にします。揚げることでコクが増し、醤油や砂糖、みりんなどシンプルな味付けの甘辛タレとの相性も抜群です。

ツヤツヤとした「サワラの西京焼き」（1,000円〜）は、特製の味噌だれに一晩つけて焼いたもの。ほっくりとした身に味噌ダレが染み込みんでヤミツキになる美味しさ！　また「南蛮サワラ」（1,000円〜）は驚くほどのふわふわ食感で、玉子をたっぷり使った自家製のタルタルソースと甘酢が絡まり合い、口の中で幸せなハーモニーを奏でます。サワラはいいものが入った時だけに登場するので、必ず食べたい方は予約がおすすめです。多彩な調理法でサワラの奥深さを堪能してみては？

サワラは一年中収穫できますが、福岡では産卵前で栄養をたっぷり蓄えている1月から3月、11月から12月頃が旬とされています。春頃はさっぱりとした身が味わえ、旬の時期には脂がのった濃厚な旨味を楽しめます。

サワラは旨味だけでなく栄養価の高さも特筆すべき点。サバ科であるサワラはビタミンB２やカルシウム、マグネシウムなどさまざまな栄養素を持っています。さらに人間の体内では生成できない「必須脂肪酸」の1つDHA（ドコサヘキサエン酸）やEPA（エイコサペンタエン酸）も豊富なので、積極的に食べたい魚のひとつです。

サワラがよく水揚げされる、博多湾に浮かぶ玄界島では、釣り糸を垂らしたサオを船に固定し、船を走らせながら釣る「ひき縄漁」で収獲しています。漁師さんに話を聞くと、「豊かな博多湾で育ったサワラはとてもグルメなんです（笑）。北海道産の形のいいサンマをエサにして釣っています」と教えてくれました。漁港には体長１メートルほど、重さ３〜６キロほどのサワラが漁船から次々と揚げられていました。青く輝く身は丸々と太っていて見るからに脂が乗って美味しそう！

玄界島にはサワラをつかった郷土料理「サワラごはん」があります。ゴボウやニンジンなどの野菜とサワラを醤油などの調味料を使って炊き、ごはんと合わせた混ぜご飯で、島の集まりやお祝い事などで食べられているそうです。また福岡の飲食店ではよく刺身で提供されますが、実はサワラは傷みやすい魚で、刺身で味わえるのは産地ならではの贅沢なんだそう。メニュー表で見かけたらぜひ味わってみては？

この記事はふくおかさん家のうまかもんの提供でお届けしました。