小麦粉から新しい麺文化を作り上げる「吟麦製麺」のアクション【前編】

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最終更新日

ライター山田祐一郎

カメラマン山田祐一郎

吟麦B

美野島

吟麦製麺

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宗像市で製麺所「山田製麺」を営む、異色のヌードルライター・山田祐一郎さんが、焼きそばの人気店「バソキ屋」が始めた製麺所、そして併設の麺屋さんを取材。まず前編は製麺部門の熱きチャレンジについてです。

もっと多くの人々に楽しく小麦を!

新しい麺文化を作り上げたい――その壮大な夢への第一歩がこの空間なのだと分かり、思わず背筋が伸びた。
10月4日にオープンした「吟麦製麺」は美野島商店街から一歩、路地に入った場所にある。運営しているのは福岡発の人気焼きそば専門店「バソキ屋」。代表・山中正さんが「吟麦製麺」開業を計画したのは5年ほど前のことだ。
「元々、バソキ屋で使う麺を自社の工場で製造していたんです。自家製麺に取り組む中で膨らんでいったのが小麦への思いでした。昨今、グルテンフリーであったり、アレルギーの問題であったり、小麦を避けるような声を聞くようになりました。そのことに疑問を感じたんです。小麦自体が悪いわけではない。工夫すればもっと多くの人たちに小麦を楽しんでもらえると思いました」と山中さんは言う。

吟麦A

こうして研究を重ねて完成させたのが、オリジナル配合の小麦「吟麦(ぎんむぎ)」だ。全粒粉など数種の小麦粉を独自の配合でブレンドすることにより、小麦粉が本来含有する味や香り、そして食感が堪能することができ、さらに高い栄養価も併せ持たせている。製麺所を営む身としては、その覚悟にたじろいだ。自家製麺から一歩、先をいく、小麦のクオリティにまでこだわってオリジナル小麦を作り上げてしまったのだから。大企業ならいざ知らず、中小企業の規模でそこまでするのかという驚きしかなかった。

吟麦C

「吟麦」を使った麺をどれだけ美味しくできるか

「吟麦」を単体で使うこともあれば、ゆくゆくは蕎麦粉をブレンドして蕎麦ライクに、またデュラルセモリナ粉を合わせてパスタライクに、というように、麺の可能性をさらに追求していくと山中さんは教えてくれた。ただ、そういった展開における可能性の追求はあくまで枝葉にあたる。「吟麦」そのものの可能性の追求こそが山中さんの本道。「例えば製麺の過程での熟成時間や太さや長さといった形成の工夫、完成した麺においても茹で方、合わせるスープで全然印象、そして味わいそのものがガラリと変わってきますから。単純にいえば、この吟麦を使った麺をどれだけおいしくできるか、そこは徹底的に取り組んでいきます」と語気を強めた。山中さんの言う「新しい麺文化を作り上げる」という言葉は、小麦という麺における根っこの部分から、麺業界というシーンに一石を投じるという意味なのだ。

吟麦O

現在は開業直後ということもあり、11:00〜15:00という昼営業のみだが、ペースが掴めてきたら朝、そして夜の営業も開始したいという山中さん。「吟麦」を使ったパンをはじめ、衣に取り入れた唐揚げ、皮に用いた餃子の試作など、来る日のために、水面下で準備を進めているのだという。

吟麦D

ちなみに、この「吟麦製麺」は実際に「吟麦」の魅力に食べて触れられるアンテナショップという側面のほかに、「吟麦」を自社のみならず卸用にも加工する製麺工場「吟麦製麺所」としての顔もある。山中さんは「打ち合わせを重ねた上でオリジナルの麺を卸すほか、業務用として「吟麦」の小麦粉そのものを飲食店の方や製麺所の方にも取り扱ってほしいなと考えています」と笑顔を見せた。

【後編】では、「吟麦製麺」の店舗で提供されている麺料理を紹介しつつ、「吟麦製麺」の底力に触れていきます。

店舗名

吟麦製麺(店舗写真

ジャンル

  • ラーメン

住所

福岡市博多区美野島1-9-20

電話番号

092-292-4211

営業時間

11:00〜15:00

定休日

なし

席数

  • カウンター5席
  • テーブル20席

個室

なし

メニュー

吟麦そば400円、吟麦中華そば600円、吟麦ざるそば600円、吟麦辛そば800円、焼きそばパン380円(ソフトドリンク付き500円)、クラフトレモネードソーダ500円、オーガニックコーヒー400円

喫煙について

喫煙可能スペース有り/屋外
  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

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