高級路線から少しカジュアルになった隠れ家的なワインダイニング

ここは警固四つ角近くのタワーマンションの地下にある隠れ家的な店で、看板などはない。フランス料理を楽しむこともできるし、ワインバーとしての利用もできる使い勝手の良い店だ。

「あれ？今日は牛島さんはおらんの？」
「オーナーはラ・シゴーニュの方にいますよ。最近配置換えになったんです。」
いつもは平尾にあるビストロ「ラ・シゴーニュ」の店長をしている穴井さんが、珍しく「ル・フラマンローズ アムリタ」にいた。

穴井さんは大分県玖珠町の出身で、学校を卒業後、湯布院の温泉宿が運営しているイタリアンに3年ほど勤めていたが、その店が閉店するタイミングで、料理長から牛島さんを紹介されたそうだ。福岡で牛島さんの店「ル・フラマンローズ」に入店し、料理を担当していたが、10周年の時に店名が「ル・フラマンローズ アムリタ」に変更された1年後にサービス担当に変わった。その後、26歳の時に新しくオープンする「ラ・シゴーニュ」の店長を任されてから約7年が経った。

今回オーナーの牛島さんが「ラ・シゴーニュ」へ、穴井さんが「ル・フラマンローズ アムリタ」に配置換えになった理由だが、2023年4月に「ル・フラマンローズ アムリタ」が20周年を迎えたのを機会に、30代の若い人たちにも洗練された空間で気軽にワインや料理を楽しんでもらいたいという意図らしい。
それに伴い、メニューもペアリング主体のコースからアラカルトメインに変更されており、チャージも1,000円から500円に下がり、10%のサービス料もなくなった。また、営業時間も25時までだったのが27時まで延長された。
確かに北欧のヴィンテージ家具が配された洒落た空間でのコース料理は、ちょっと敷居が高かったかもしれないが、これなら若い人たちも入りやすくなるのかもしれない。

「ラ・シゴーニュ」や「クジャクカリー」などで提供されていた「おさむ師匠カレー」は匂いなどの理由でここでは提供されないようなので、ちょっと残念。
「クジャクカリー」ができる前は、牛島さんがここでカレーの仕込みをしていたので、朝4時くらいにお邪魔して、出来立てのカレーを試食させてもらったこともあった。
出来立てのカレーは、まだスパイスが馴染んでいなくて尖った感じが新鮮だった。

名物の「ズワイカニとカニみそのフラン」（1,800円）は健在で、安くなったぶん、少しポーションが小さくなったが、クリーミーなフランとコンソメジュレ、カニみそが合う！

「フォアグラテリーヌとパンデピス」（1,500円）は「ラ・シゴーニュ」の人気メニューで、フォアグラの入荷が安定してきたので、メニューに加わったようだ。

「シーフードのマカロニグラタン」（1,200円）も「ラ・シゴーニュ」の人気メニューで、シーフードと２～３種類のショートパスタが入っている。

ワインも今まではブルゴーニュのみだったが、他の種類も飲めるようになり、グラスワインの価格も1,800円からだったが、1,300円からと安くなっている。

近々、早い時間帯限定で1万円のペアリングコースの提供を予定しているらしいので、これも楽しみだ。