働き者のおばちゃんの屋台は雨の日も営業しているよ

「おばちゃん、久しぶりやねぇ。緊急事態宣言や時短要請の期間中は休んどったけん、久しぶりに働いたらキツイやろ？」
「いやいや、じっとしていると落ち着かんのよ。」
そう言いながら、おばちゃんは手を休めずにシャキシャキ料理を作っていた。
おお～っ、めちゃめちゃ元気やん。

ここ「屋台ひょうたん」は天ぷらがメインの屋台で、店主の吉郷マリ子さんは現在74才。中洲エリアで25年間営業していたが、2017年の屋台の再編成で昭和通りエリアに移動してきた。おばちゃんのサバサバした性格と辛口トークが大人気で、いつもお客さんで賑わっているよ。常連さんが多いが、初めての人でもおばちゃんが笑顔で迎えてくれるので、安心して屋台を楽しむことができる。

たいていの屋台は雨の日は営業しないが、ここは雨でも営業するから気合の入り方が違うね。大晦日でも営業していて、そういえば2年前の年末はここで年を越したなぁ。テレビやラジオに合わせてカウントダウンをすることもなく、いつの間にか午前0時をすぎていた。みんなでワイワイ年を越すのも良いけど、屋台で飲みながら、しっぽりと年を越すのも良いよ。

料理のオススメは、まずは「イカの天ぷら」(800円)から。天ぷらの屋台だから、やっぱり天ぷらを食べんとね。イカのほどよい歯ごたえとサクサクした食感が美味すぎる。

福岡のブランド鶏「華味鳥のモモ焼き」(700円)は旨味と歯ごたえが良い。

豚バラ好きなら厚切りの「豚バラ」(600円)は外せない。
ただし、ラーメンはメニューにないので注意してください。ラーメンを食べたくなったら、後で隣の屋台にはしごすると良いよ。

おばちゃんが近所のコンビニのパスタサラダを食べていたので、まかないを食べないのか聞いたところ、トイレを気持ちよく貸してもらえるよう、普段からそのコンビニで買い物をして、良い関係を築いているとのこと。気遣いもさすがです。

お客さんとの会計の時のやり取りも面白い。
「1,900円です。」
「え？　手羽入ってます？」
「あ、忘れとった2,300円ね。」

おばちゃんには、いつまでも元気でいてほしい。今年は久しぶりにここで年を越そうかな。

福岡市内の屋台は、2021年10月時点で閉店が1軒、新規が6軒となり、総数は104軒になりました。
第3回の公募で合格した6軒の屋台は8月ごろから営業を開始する予定だったが、コロナ禍の影響で10月の時短要請解除後から徐々に営業を始めている。

【天神エリア】
■「ばらかもん」：「ばらかもん」は五島の方言で「元気もの」の意味。五島出身の店主が名産のアゴだしを使った豚骨ラーメンやおでんを提供する、唯一無二の屋台。

■「博多でかごっま屋台 酔っきー (よっきー)」：鹿児島料理中心の屋台で、芋焼酎のラインナップも豊富。

■「あつまれ！ケンイチの森」：豆皿中華の屋台。

【昭和通りエリア】
■「Bajon (ばほん)」：「Bajon」はスペイン語で「空腹」の意味。スペイン料理など多国籍料理の屋台。

■「HEROs屋台 蒸上Jojo (じょうじょう)」：創作蒸し料理が特徴の屋台。ノンアルコールドリンクもある。

【長浜エリア】
■「元祖長浜びっくり屋台」※営業準備中：福岡のソウルフードのにんにくたっぷりの鉄板焼肉の屋台。

今回の新しい6軒はそれぞれ個性がはっきりしており、屋台に行くのが楽しくなりそう。