肉好きを虜にする“幻の尾崎牛”と日本の自然派ワインを味わう愉悦

今泉の路地裏にある「ワイン食堂 根」は、以前UMAGAで、紹介した大名「肉屋うたがわ」の姉妹店。お肉をしっかり食べたい時に目指したいお店です。地域に“根”付くようにとオープンして11年、常にたくさんのお客で賑わっています。ここ数年でさらに肉や野菜など食材にこだわるようになったと聞いて訪ねてみました。

店内は白を基調とした明るくカジュアルな雰囲気で、カウンターとテーブル席が並んでいます。昼から夜まで通し営業していて、終日気軽に立ち寄れるのが嬉しいですね。

店長・石井嵩人さんにお話を聞くと「“食べて健康、飲んで健康”をコンセプトに、ここ数年で味はもちろん、飼料や飼育法にこだわる宮崎の尾崎牛と熊本のあか牛に特化するようになりました」とのこと。今年4月には新宮に精肉店、その名も「おいしい精肉店」をオープンしたことで尾崎牛とあか牛を部位ごとではなく一頭買いできるようになり、その日のいい部位をこちらの店舗でも味わえるようになったそう。また野菜も無農薬栽培の農家２軒と契約し、ワインも日本の自然派ワインが揃っています。

まずは「あか牛とトリュフのリエット」（1,210円）をオーダー。あか牛の力強い肉々しさを楽しめるリエットで、マデイラワインで加えた甘みがたまりません。トリュフやローズマリー、エシャロットも入り風味も抜群です。バゲットにリエットを塗って、さらにクルミやイチジクをオンして食べるとあっという間にバゲットがなくなってしまいました……。

そして、今回のお目当ては「宮崎県産特選尾崎牛ロースト」（100g3,850円〜／写真は100g）。「30〜40分ほどお時間いただきます」という言葉にワクワクしながら待っていると、美しい霜降りが心を鷲掴みにするローストが登場。低温の炭火を遠火にしてゆっくりじっくり火を入れた尾崎牛は、一口食べると濃厚な旨味が押し寄せるように広がる感動的な味わいです。とろるように甘い脂もサラッとしていて重たくならないのには驚きました。

この尾崎牛とは、宮崎で尾崎宗春さんが自家産牧草とビールのしぼり粕の飼料で育てている、珍しい単一生産者の和牛ブランド。上質な肉は海外のトップシェフからラブコールが絶えず、ほぼ9割が海外に輸出されてしまうため、国内では尾崎さんと直接取引しないと買えない超希少なお肉です。「自社の精肉店から届くので、その日に一番いい部位を驚くほどリーズナブルに提供できます」と石井さん。これは肉好きにとって嬉しい限りですね。

赤身が好きな方には「熊本県産井俊介さんのあか牛ロースト」（100g3,850円）がオススメです。北阿蘇の産山村の名水で井俊介さんが育てたあか牛は、肉味がしっかり濃くて食べ応え満点。サシが入ってジューシーな尾崎牛、肉々しいあか牛、どちらも味わいたい場合はそれぞれ75gなど2種オーダーすることもできますよ。

シメに選んだ「茄子のボロネーゼ1,650円」は、店で使う肉をミックスして挽いたガッツリ肉を楽しめるパスタで、肉の味を存分に楽しめるようにあえてトマト少なめで仕上げているのがポイント。特注のカラヒグ麺（低加水生パスタ）を使い、もっちりとしたかなり太めの麺にソースがよく絡む逸品です。

また自然派ワインの品揃えの良さも忘れてはいけません。本日のワインは12種類ほど揃うのですが、プッシュしたいのが北海道や長野などで極少量生産されている日本ワイン。「一般的になかなか手に入らない希少なワインをグラスで飲めるのがうちの強みです。日本のワインはやっぱり日本の食材と相性がいいですよ」と石井さん。昼も夜も同じラインナップなので昼のみもできちゃいます。

そしてもう一つ、あまり知られていませんが「ワイン食堂 根」には４階に個室があります。4階限定の飲み放題付きプラン1人5,000円があり、10名50,000円から予約できます（4日前までに要予約、定員25名）。予算に応じて料理内容やドリンクはアップグレードもできますよ。「ワイン食堂 根」の美味しいお肉と自然派ワインで、みんなでワイワイ楽しい時間を過ごしてみては？