九州最注目のパティシエが登場する「大丸福岡天神店」のバレンタイン
〜vol.2〜「atelier g.cacao(アトリエグラム・カカオ)」(福岡)
日々、バイヤーたちが九州を東奔西走し、新しい美味を届けてくれる「大丸福岡天神店」。2024年1月24日(水)〜2月14日(水)まで開催されるバレンタインイベントには、今、九州で最も旬と言われているパティシエたちのショコラが登場します。一体どんな人たちが、どんな思いでお菓子づくりに取り組んでいるのか? 熊本・福岡・長崎の各県で、オープン以来瞬く間に人気となった彼らのお店を訪ね、インタビューしてきました。第2回は福岡「atelier g.cacao」の松尾祐貴さんです。
23歳・未経験で覚悟をもってお菓子の道へ
天賦の才とたゆまぬ努力で10年後に独立
のどかな印象のJR原田駅を出た瞬間、目に飛び込んでくるモダンなファサード。この意外性に期待が高まる「atelier g.cacao」は、駅から徒歩30秒ほどで行けるショコラティエです。扉を開けると、ショーケースに入った艶やかで色鮮やかなボンボンショコラがズラリ。まるで外観がジュエリーボックス、ショコラが美しい宝石のような印象です。
オーナーシェフの松尾祐貴さんは筑紫野市出身。23歳で突如パティシエを志し、博多の名店「チョコレートショップ」の門を叩きます。
「お菓子の世界に入るのが遅くなってしまったので、専門学校に行くより現場で学んだ方が早いと考えました。修業するならば絶対に本格的に学べる店がいいと思っていたので、東京や関西の人気店などかなり食べ歩きましたが、最終的には「チョコレートショップ」が一番美味しいと確信して“未経験ですが働かせてください”と手を挙げました」と松尾さん。(以下太字部分、松尾さん談)
雑用から始め、寝る間も惜しんで働き続け、2012年には商品開発を担当するチーフに。2015年にはパリで開催された「サロン・デュ・ショコラ」でデモンストレーションを披露、2016年には「チョコレートショップ」の姉妹店であるパリ「レ・トロア・ショコラ パリ」のオープニングに参画するなどのキャリアを重ね、10年の修業を経て2017年に独立。生まれ育った筑紫野市原田に自店を構えました(2022年、現在の地に移転)。
「閉じ込め、放つ」。ショコラがもたらす幸福感を伝える
※施設より提供
商品ラインナップの豊富さで知られる「チョコレートショップ」で、松尾さんは焼き菓子からスタート。徐々に実力が認められ、生菓子、ショコラ、商品開発と順調にステップアップしながら、キャリアを重ねていきました。
「焼き菓子ができないと生菓子はできませんし、ショコラはその先にあります。ショコラは感覚ではつくれないお菓子で、パティシエにとって最も難しいものです。培った知識と経験がないと材料を配合できないし、その日の湿度や温度によって状態が変化する繊細なものなので、状態を見極める難しさがあります。一粒の中に美味しさを閉じ込め、口に入れて噛んだ瞬間にさまざまな香りや風味が放たれて現れるマリアージュを楽しんでいただけるよう素材の組み合わせを考えています」。
今回いただいたのは「ベルガモット」(300円)。一口噛んだ瞬間に、柑橘の爽やかな香りが弾け、口の中でカカオの香りと交わりながら優しく溶けていきます。素晴らしいマリアージュと鼻腔をくすぐるアロマに「ショコラとはこんなにも幸福感をもたらしてくれるものなのか」と、改めてそのチカラに感動します。
しっかりとした香りと風味が伝わる「atelier g.cacao」のボンボンショコラ。松尾さんは素材選びにも余念がありません。
「カカオに負けないインパクトを残すには素材の力が重要なので、常にいい素材を探しています。例えば、うちで使っている柚子は日本料理の名店でも使われている徳島の“木頭ゆず”。芳醇で酸味も強く、ショコラとの相性も抜群です。イチゴは嘉穂郡桂川町の契約農家から。甘味と酸味のバランスが絶妙なんです。そんな素晴らしい食材を求めて休日も生産者を訪ねることが多いですね。今、同級生(警固などにある飲食店「けごむす」を展開するオーナー)が、自分がつくった米を使った日本酒づくりにチャレンジしているので、その酒が完成したら使ってみたいと考えています」。
常に好奇心と向学心に溢れた松尾さんですが、そんな松尾さんのこだわりが評価された商品のひとつが「茶nomi」(2,000円・写真上)です。
「和洋を問わず福岡県下のスイーツショップが一堂に会したイベント「福智スイーツ大茶会」で、協賛企業のJALから「JAL賞」をいただいたボンボンショコラです。羽田空港の国内線ファーストクラスのラウンジでも採用されました。八女にある星野製茶園の抹茶を惜しみなく使い、中には木頭ゆずの香りをまとった濃厚な抹茶のガナッシュが入っています」。
スペシャリテとなっている「グラムカカオ」(700円)も、この店の実力を物語る逸品です。スイートショコラのムース、カルダモンカフェクリーム、トロピカルフルーツのクリーム、スパイスとキャラメルのクリーム、アーモンドキャラメリゼとシュトロイゼルのロッシュと、さまざまな香りと食感が複雑に絡みあっていますが、その一体感が素晴らしく、「全九州洋菓子コンテスト」のガトー部門賞に輝きました。
「パリのカフェで飲んだカルダモンコーヒーの美味しさにインスピレーションを得てつくりました。いろんな素材を一皿にまとめたフランス料理デセールのようなイメージのケーキなので、ぜひムースを球体の上から下まで縦にすくって食べていただきたいですね」。
大丸福岡天神店のバレンタインイベントでは
ボンボンショコラを“1粒から”購入できる!
※施設より提供
今回の大丸のバレンタインイベントでは、上記で紹介した「茶nomi」や「ベルガモット」をはじめ「ルビー」「ブルーマウンテン」など、選りすぐりのボンボンショコラ約10種が登場予定です。いずれも期待を裏切らない精鋭揃いなので「美味しいから食べてみて」と自信をもって贈れること間違いなし(もちろん自分へのご褒美とてしてもぴったり)。嬉しいのは一粒から購入できること。気になるフレーバーを何粒か味わった後、「あの味をもう一度」と思った時も気軽に購入できます。もちろん詰め合わせもありますよ。また、人気の「ロッシェ」(小490円・大1,130円)や焼き菓子なども並ぶので要チェックです。
ちなみに店名の「atelier g.cacao」には“スプーン1杯の数(g)グラムからでも大きな幸せを作り出す工房に”という松尾さんの思いが込められています。一粒のショコラがもたらしてくれる大きな幸せを実感すべく、ぜひ売場に足を運びましょう。
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店舗名
大丸福岡天神店(店舗写真)
ジャンル
- 複合施設
住所
福岡市中央区天神1-4-1 大丸福岡天神店 本館・東館エルガーラB2F
電話番号
092-712-8181(代表)
営業時間
10:00〜20:00
定休日
なし
喫煙について
店舗名
atelier g.cacao(アトリエグラム・カカオ)(店舗写真)
ジャンル
- スイーツ
住所
福岡県筑紫野市原田6-5-1
電話番号
営業時間
10:00〜19:00(土曜・日祝は〜18:00)
定休日
木曜、水曜不定
メニュー
グラムカカオ700円、モンブラン800円、キール800円、ボンボンショコラ300円〜、ロッシェ(小)490円(大)1,130円、ミルクオランジェ2,800円、ショコラフォンデュ2,378円
- ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
- ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
- ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
- ※OSはオーダーストップの略です。
- ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
- ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
- ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。
記事に関する諸注意
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