グランドメゾン presents 「ハレの日レストラン」【第58回】

照葉に降誕!世界基準に挑む、九州ガストロノミーのフレンチレストラン

公開日

最終更新日

ライター葉山 巧

カメラマン平川雄一朗

小岸前菜

香椎照葉

KOGISHI

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博多湾に浮かぶ人工島、アイランドシティの照葉は福岡でも特殊なエリアです。端正にデザインされた居住区は秩序と静寂に満ち、完成途上の未来都市のよう。そんな“何か”が始まりそうな場所にふさわしいフレンチレストランが、2023年11月にオープンしました。
かつて「オーグードュジュール メルヴェイユ博多」の料理長時代にミシュラン一つ星を獲得し、前衛的な料理でフーディーたちを唸らせた小岸明寛さんがオーナーシェフを務める「KOGISHI」です。

小岸店内

店舗より提供

KOGISHI個室1
KOGISHI個室2

都市高速を使うと意外に近く、天神から車で15分ほど。ランプを降りる直前に見えた、夕映えの街並みがなんとも幻想的です。

さて、到着し入店すると、そこは白とグレーを基調にした無垢な空間。円形テーブルに「クリストフル」の純銀カトラリーが輝く、無駄のない内装にもやはり“未来”を感じます。
個室も1部屋あり、そちらにはプラチナのショープレートや「クリストフル」の高級ライン「ジャルダン・エデン」を配置。より豪奢な舞台が整っていました。

KOGISHIシェフ

アイランドシティという立地に洗練を極めたインテリア。そこへ艶やかな料理が加わって、めくるめく“小岸劇場”は完成します。

「九州の大地を表現した料理を介し、フレンチの常識をアップデートするのが私の目標です」と柔和な笑顔で語る小岸さん。そのキャリアは華々しく、修業先は東京の「タイユバン・ロブション」をはじめ、フランスの「アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ」「ピエール・ガニェール」「ミシェル・ブラス」といった三つ星レストランに及びます。
さらにNY、モナコ、スペイン、スイスで研鑽し、「ななつ星in九州」にも料理を提供する実力者が独立に選んだ地はここ福岡。佐賀出身者としての九州愛と、「メルヴェイユ」時代に知った九州の豊かな食材が決め手だったそうです。

KOGISHIアミューズ2

そんなガストロノミーへの想いもこもる全9品のディナーコースは28,000~55,000円。福岡では高額ですが、少なくとも僕はそれだけの価値を感じました。今宵の28,000円コースで味わった感動が、かつてなく劇的だったからです。

その始まりを告げるのは、4皿の豪勢なアミューズ。左下は44℃で火入れしたサーモンのコンフィや、61℃で火入れした鶏胸肉のショーフロワなど、1℃単位の温度にこだわる5点盛り。隣の赤蕪のムースとじゃがいものガレット風は、思わぬエアリィな食感に不意をつかれました。左上は香味あふれる嬉野産「水田のチーズ」のグジェールで、右上は故郷のムツゴロウのパウダーを練り込んだチュイルです。

明らかにアミューズの概念を超えた力作は、見目麗しく、白一色の店内でくっきりと浮き立ちます。しかも器は海外のグランシェフも愛用する佐賀の「カマチ陶舗」製。その佇まいはモダンな工芸品そのものでした。

KOSIHI前菜

そして、もちろん「メルヴェイユ」時代に話題をさらった「ガルグイユ」も堂々登場。爽やかな高原の一部を切り取ったような前菜は、各々異なる味を入れた野菜や花を大皿に盛り、温かいソースで香りを立たせた百花繚乱のスペシャリテです。

仕込みに10時間はかけるという、使用食材や調味料はなんと80種以上! 素材の組み合わせにより無限の風味が生まれる面白さ。原初的な歓びを誘う澄んだ野趣。この優雅なご馳走こそ、「KOGISHI」最大のもてなしなのです。

これは元々ミシェル・ブラス氏のスペシャリテで、小岸さんは同氏直伝のレシピを九州産食材でパワフルに再構築。新たに「九州の大地」と名づけたこの一皿に、僕は完全に心を奪われました。この優美な体験の記憶は、何年経っても鮮やかに蘇りそうです。

小岸魚料理

これに続く魚料理も一筋縄ではいかない逸品。まずは5枚におろしたヒラメの間にホタテのムースとオマールの身を挟み、菜の花のシートで巻いた後47℃で蒸し焼きに。そこから生まれるソフトな歯触りは言葉にならない快さです。隣にはちりめんキャベツで巻いたヒラメも置かれ、食べ比べを楽しみました。

KOGISHI肉

宮崎産黒毛和牛のヒレ肉は、高温と低温で交互に火入れすること3時間。ヒラメと同様、繊細な温度調整が赤身に与えるセクシーな弾力が見事です。黒トリュフやバターを用い、冬らしく濃厚に仕上げたソースの風味も絶妙でした。

食事を終えた後も、芳醇な余韻と高ぶりはなかなか収まりません。小岸料理独自の、純度の高い贅沢さは九州屈指ではないでしょうか。
「フランスでは郊外に名店が多く、国内外からお客様がわざわざ足を運ぶのですが、ここもそんな世界に通じる存在にできたらと思います。福岡や九州の観光振興にも貢献できますからね」
聞けば、「評判の〈九州の大地〉が食べたい」と海外からの予約も入っており、その夢は早くも動き始めた模様。一度かかれば解けない魔法を持つ小岸さんの料理が、福岡グルメ地図をどう塗り替えるのか。アイランドシティで始まった挑戦の行方が本当に楽しみです。

この記事は積水ハウス グランドメゾンの提供でお届けしました。

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店舗名

KOGISHI(店舗写真

ジャンル

  • フランス料理

住所

〒813-0017 福岡県福岡市東区香椎照葉6丁目3−12 プライムメゾン照葉 クロススタイル WEST1F

電話番号

092-692-6666前日までに要予約

営業時間

12:00一斉スタート/18:00または18:30一斉スタート

定休日

第1・3火曜、水曜

席数

  • テーブル14席

個室

1〜6名

メニュー

ランチコース22,000円、ディナーコース28,000円・38,000円・55,000円 ※昼夜共サービス料10%

喫煙について

禁煙
  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

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