グランドメゾン presents 「ハレの日レストラン」【手みやげ編/第1回】

【福岡 手みやげ】お出汁じんわり、笑顔ほころぶ「だしいなり」

公開日

最終更新日

ライター森絵里花

カメラマン平川雄一朗

渡辺通 だしいなり海木 手土産

渡辺通

海木 本店(かいぼく)

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四季折々の特別な日や大切な人へ、心を込めて選び、贈りたい――。それが「ハレの日の手土産」。こだわりの美味しさや作り手の思いが詰まった福岡の逸品を紹介していきます。

記念すべき第1回目の手みやげは、福岡市・渡辺通に店を構える「海木」の名品。絹のように滑らかなお揚げからこの上なく上品な出汁があふれ出す、唯一無二の「だしいなり」です。

渡辺通 だしいなり海木

1983年、日本料理店として大牟田で創業した「海木」。関東風でも九州風でもない「だしいなり」は、生粋の日本料理の職人である初代店主・岡林憲次さんが創業時に生み出したオリジナルの逸品です。
「大牟田でも親しまれている熊本県・南関町の名産品『南関あげ』の美味しさを表現したい。いなり寿司が苦手な女将(妻・幸子さん)も喜ぶような食感、味わいを作りたい」と、試行錯誤の末に作り上げたのがその始まり。コースのシメに提供したところ瞬く間に評判となり、この味を求めて県外からも客が訪れる名物となりました。

渡辺通 だしいなり海木 店内

2008年には現在の地、福岡市・渡辺通へ移転。やがて「病院で療養している父に食べさせてあげたい」という常連さんの声から、持ち帰り用の「だしいなり」の販売も始まりました。これを機に手みやげや贈答品としての人気が高まり、当時のJAL福岡→羽田便のファーストクラス機内食にも採用されることに。機内誌でも紹介され、東京、ひいては全国へその名を響かせます。

そして2019年、35周年の節目に日本料理店としての幕を閉じ、だしいなりの専門店に生まれ変わりました。同年9月には東京・日本橋室町に2号店の「日本橋店」も開業。「本店」(写真)、「日本橋店」共に店舗デザインは設計事務所「ケース・リアル」の二俣公一氏が手掛けており、凛とした空間が訪れる人を迎えてくれます。

渡辺通 だしいなり海木 店主

撮影:森絵里花

「派手さはなく、作り方はシンプル。だからこそ、素材選びから巻き上げまで、だしいなりを作るのは難しいです」。そう話すのは、父、母と共に店を盛り立てる2代目の岡林篤志さん。水分を含まず、パリパリに乾燥した「南関あげ」は非常に割れやすく、力が強すぎると破れ、弱すぎると油が抜けずに出汁の味を邪魔してしまうのだとか。厚みもそれぞれ微妙に異なるので、見極めながら細心の注意を払ってゆっくりと油抜き。カツオ節や昆布で丁寧に出汁をとり、それをじんわり煮含めて……と付きっきりで「だしいなり」のお揚げを仕込みます。

渡辺通 だしいなり海木

撮影:森絵里花

使用している「南関あげ」は、九州産大豆を100%使って作られた「だしいなり」専用の特注品。より滑らかで柔らかな質感、豊かな風味を追求していく上で納得のいく「南関あげ」がなく、篤志さんが揚げ職人に何度も交渉し、共に開発してようやく完成したものだそうです。

渡辺通 だしいなり海木

撮影:森絵里花

「揚げがたっぷりと出汁を含んでいるので、酢飯も通常のいなり寿司とは異なります。米選びから炊き方、出汁の味と調和する柔らかな酢加減、温度帯にも気を使いますね」と篤志さん。香りや食感を守るために作り置きはせず、注文を受けてから酢飯を包みます。ちなみに、この漆塗りの仕込み台は、余分な出汁が下に落ちるよう設計された特注品だそうですよ。

渡辺通 だしいなり海木 手土産

出汁を切らず、そっと巻き上げた「だしいなり」の美味しさは言うまでもありません。作りたてはほんのりと温かく、お揚げは驚くほどにもっちりと滑らか。口いっぱいに風味豊かな出汁の味わいが広がり、自然と頬が緩みます。
「だしいなり」は化粧箱4個入り(1,490円)と8個入り(2,980円)があり、事前に予約して買いに行くのがベスト。「本店」の当日予約は10時から受け付けており、売り切れ次第閉店となります。

渡辺通 だしいなり海木 手土産

神社の鳥居を思わせる朱色にキツネの顔をあしらった紙袋(写真・大110円)も素敵。「日本橋店」では新デザインの朱色の掛け紙、「本店」ではこれまで愛されてきた女将がデザインした白い掛け紙を掛けているそうで、こちらもおしゃれですね。

渡辺通 だしいなり海木 手土産

また、遠方の方に手土産として渡したい……そんな時は、気軽に持ち運びできる「海木 ほのじ」(1個1,080円)がおすすめ。「だしいなり」のお揚げを缶詰にした逸品で、温めればふっくら、じゅわりとしたお揚げと出汁の美味しさを楽しめますよ。
幼い子供から年配の方まで、食べた人を“ほっ”と優しい気持ちにしてくれる「海木」の「だしいなり」。日本料理の技と丁寧な手仕事が息づく、笑顔ほころぶ手みやげです。

この記事は積水ハウス グランドメゾンの提供でお届けしました。

店舗名

海木 本店(かいぼく)(店舗写真

ジャンル

  • 食物販店

住所

福岡市中央区渡辺通1-9-3 一丁目ビル1F

電話番号

092-738-6564

営業時間

11:00〜15:00 ※当日予約は10:00〜受付(売り切れ次第閉店)

定休日

日曜・祝日

メニュー

だしいなり4個1,490円、8個2,980円、おあげの缶詰「海木 ほのじ」1個1,080円

  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

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