寒い季節は、昼からおでんと熱燗で身も心も温まろう

「デビ高橋の昼飲みでほろ酔い」の昼飲みとは、明るいうちからお酒を飲むという事で、ここではランチタイムや夜より少し早めの15～16時くらいからお酒が飲める店舗を紹介します。

寒い季節になると、おでんと熱燗という言葉を聞いただけで、なんだかソワソワしてしまう。しかも昼からこれらを楽しめる店があるなんて最高だ。
ここ「おでんショップとし」は、けやき通りに面したマンションの奥にあるので、存在を知らないとたどり着けない店なのだ。隣りには「いでの上料理店」や「寿し處 石ばし」があるので、それを目印にすればわかりやすいかもしれない。

女将の岩村佳代子さんは、仕出し弁当や巻き寿司などの食品会社をやっていた祖母の影響で、自然な流れで飲食業の道に進んだようだ。20代後半にカナダへレストラン経営、栄養学のプログラムで留学したり、大手焼肉チェーンに勤めて全国を転勤したりしていたが、縁あって2022年2月3日、「薬院ハシゴ横丁」に「おでんショップとし」をオープンした。前々から和食の店をやりたかったので念願がかなったという。店名は、影響を受けた父方の祖母の名前から付けたとのこと。それから約1年8ヶ月後の2023年10月6日に現在の場所に移転した。

昼の時間帯は、女将さんは仕込みもしていて、なかなか話ができないようなので、昼飲みには2～4名で行くのがオススメだが、もちろんおひとり様でも大歓迎とのこと。
おでんは和風と洋風の2種類あり、和風はあご（トビウオ）と昆布を使った出汁で、旨みとコクがある。洋風の方は、こんがり焼いた海老の頭にコンソメを合わせた出汁で、香ばしさと旨みがある。どちらもしっかりした味つけだから、出汁だけでも酒がすすんでしまう。

「ほっこりおでんミックス5種」（990円）は、大根、玉子、こんにゃく、厚あげ、牛スジの人気商品が入ったもので、単品で注文するよりもちょっとお得だ。迷ったらとりあえずこれを注文しておけば間違いない。

「洋風おでんセット」（1,320円）は、じゃがいも、レタス、ブロッコリー、海老、手羽先、ハンバーグが入ったもので、ポトフのようなイメージだ。
おでんに合わせる熱燗の日本酒は鳥取県の「日置桜」（コップ・825円/1合・1,210円）で、THE・日本酒といった感じの力強い味わいだ。
いろいろな日本酒を試してみたい人には、田中六五や風の森、日置桜の「日本酒飲み比べセット」（1,100円）もある。

おでん以外に一品料理もあり、「鶏のからあげ」（4コ・748円）は、熱々でジューシーだし、大刀洗町の馬刺し専門店から買い付けた「国産馬刺し」（1,500円）は希少部位のタテガミと赤身の2種類で、冷凍していない生の馬刺しだから肉質に弾力があり、しっとりした食感で旨みがある。タテガミを煎り酒につけて食べると、口のなかでとろける脂をさっぱりといただけて最高だ。その他、季節ごとに期間限定の商品があるのも楽しい。

11月ごろからは金沢が発祥のカニのおでん「カニ面（めん）」（4,400円）が登場する。「カニ面」と呼ばれる「香箱蟹」のおでんは、メスのズワイガニを使った贅沢な逸品で、カニ身や内子、外子が詰まった「香箱蟹」をまるごと出汁と一緒にいただくとたまらない。最後に熱燗を注いだ「甲羅酒」も是非楽しんでもらいたい。ただ、こちらは残念ながら期間限定（11月15日～12月22日）だったので、来年の冬に是非食べてみてほしい。

シメの「豚角煮丼」（550円）は、お茶碗サイズだからサクッといただけそうだが、味がしっかりついているので、シメでも良いが酒のアテとしても良さそうだ。
年末は12月30日までで、年始は1月5日から営業する予定とのこと。最近は土曜日の閉店時間を1時間ほど延長しているようだから、2次会か3次会で寄ってみよう。