コーヒーの街・福岡のロースタリー巡り【3】

目標は福岡No.1。垣間見えてきた「REC COFFEE」の本気

公開日

ライター諫山力

カメラマン諫山力

吉塚

REC COFFEE 博多ロースタリー

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REC COFFEE」のここ2、3年の存在感は目を見張るものがあります。振り返ってみると2016年に博多マルイ店がオープンし、同年に代表の岩瀬由和バリスタがワールド バリスタ チャンピオンシップ(WBC)で準優勝を飾ったあたりから加速度的に店舗を取り巻く環境は変化。

REC COFFEE バリスタチャンピオン
REC COFFEE 博多ロースタリー店内

博多ロースタリーは豆売りを主に、テイクアウトドリンクも提供

その当時、とあるインタビューで岩瀬バリスタが店舗展開についてこんなことを言っていました。「店舗数を増やしたいと思っているわけではなく、より良い労働環境を整えるためには共に働いてくれる仲間の存在が欠かせない。スタッフが増えてくれば働く場所が必要になる。そうやって自ずと店舗が増えていて、決して計画的に事業展開しているわけじゃないんですよ」

REC COFFEE博多ロースタリー 外観
REC COFFEE SAISON DES RÉCOLTES

豆売りのショップに直営パティスリー「SAISON DES RÉCOLTES」が併設

確かに当時はそうだったかもしれません。ただ今は明確な目標を掲げ、邁進しています。それが「福岡で圧倒的No.1のコーヒーショップになる」というはっきりとした目標。これがここ2、3年の同店の変化・成長の大きな理由であり、原動力です。
2024年12月時点では、コーヒー豆の焙煎量は1ヶ月でおよそ4トン。これだけの生豆をコンスタントに消費しているロースタリーは全国的にみても多くありません。通販や卸も展開している中、その大半を消費しているのが店舗という事実が、リアル店舗が圧倒的な求心力を持っている証です。

REC COFFEE ハンドドリップ

ハンドドリップコーヒーは580円〜。マシンで淹れるコーヒーは380円〜とリーズナブルだ

「REC COFFEE」に行ったことがある人なら分かるかもしれませんが、店舗に立つスタッフ全員、接客が素晴らしい。しかもみんなプロ意識が高く、オーダー時に豆ごとの味わいの違いはもちろん、抽出方法による変化など、しっかり丁寧に説明してくれるんです。これは“岩瀬イズム”とも呼ぶべき世界的なバリスタ精神が、店舗のDNAレベルで根付いているからでしょう。リピーターが多いことにも納得の強みです。

REC COFFEE 焙煎機
REC COFFEE 焙煎機

サンプルロースターを除き、焙煎機は3台

そんなコーヒー抽出のプロフェッショナル集団が焙煎に着手したのは2018年。まだまだロースタリーとしての歴史は浅いですが、バリスタからヘッドロースターに転身した前田和宏さんらが堅実に、時に大胆に同店の味わいの方向性を導いているからか、個人的に豆売りとしてのRECブランドは確実に定着してきていると思っています。

REC COFFEE ロースター 前田さん
REC COFFEE スマートロースター

カッピングを通してベストな焙煎プロファイルを見つけ出していく

豆売りの分類はブレンド、シングルオリジンが2ライン、スペシャルリミテッドセレクションの大きく4つに分類され、常時20種程度のコーヒー豆を用意。中でも「REC COFFEE」が表現したい世界観をより強く感じられるのが、代表の岩瀬さんやロースターの前田さんが産地で直接選んできたコーヒー豆です。2025年1〜2月はそんな豆のリリースラッシュ。グアテマラやコスタリカ、コロンビア、エチオピアといった産地のシングルオリジン、スペシャルリミテッドセレクションを見かけたらぜひ手に取ってもらえたらと思います。

REC COFFEE コーヒー 焙煎
REC COFFEE テイクアウトコーヒー

生産者とより強固な繋がり、信頼関係を築いていく

もともと世界を舞台に活躍する岩瀬バリスタが代表を務めるショップだけに、産地と密に繋がれる環境にあった「REC COFFEE」。自家焙煎をすることでそのアドバンテージがフルに活かされ始めたのがまさに今。
ヘッドロースターの前田さんは「産地に足を運んで、現地の生産者やエクスポーターの方々と親交を深めることの一番のメリットは、ストーリー性のあるコーヒー豆をお客様にお届けできることです。ひいてはそういったコーヒー豆を扱うことで、私たち自身もワクワクできる」と話します。

REC COFFEE 試飲
REC COFFEE 生豆

試飲もできるので気軽にスタッフに聞いてみよう

原料である生豆の高騰でコーヒー豆は100グラム800円〜1000円が当たり前になってきた昨今。「REC COFFEE」はいち早く、その価格帯をスタンダードなものにしてきた印象を私は持っています。
時に“やや割高感がある”と言われても、ロースタリーとしての地位を守り、高めるために未来を見据えてきた同店のブランディング。良いものを適正価格で売る工夫、素地を作っていくことは、これからのコーヒー業界においてきっと必要なはずです。

店舗名

REC COFFEE 博多ロースタリー(店舗写真

ジャンル

  • コーヒー

住所

福岡市博多区吉塚8-1−43

電話番号

092-402-1845

営業時間

10:00〜18:00

定休日

火曜

メニュー

本日のコーヒー380円〜、ハンドドリップコーヒー580円〜、水出しコーヒー560円〜、レックコーヒーラテ580円〜、アメリカーノ560円〜、、ヘーゼルナッツラテ650円〜、キャラメルラテ650円〜

  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

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