皆さん、啜ってますか?
ラーメンライター上村です。早秋に入りだいぶ涼しくなってきて、胃袋のエンジンも絶好調に。麺活で福岡ラーメンの新店を巡るペースもさらに速くなってきました。2025年もラーメン豊作年であることは間違いなく、今まで福岡になかった個性派も続々と登場しています。中でも直近で「これはおもしろい!」と強く感じた店。それが今回紹介する「スタミナそば ワンパク軒」です。

「スタミナそば ワンパク軒」は福岡市高砂の細路地に9月3日オープンしました。この場所で営業している既存の「鶏白湯ラーメン 絶好鳥」が夜だけ屋号を変えて、昼とは全く異なるラーメンを販売。「ワンパク軒」の暖簾には挑戦的な「覚悟はいいか」の文字が踊っています。業態的には最近よく聞く“間借り店”と似ていますが、あくまで「絶好鳥」のセカンドブランド的な位置づけのため、どちらかというと“二毛作”スタイルに近いのかなと思います。ですが、メニュー、コンセプト共、昼夜のギャップがおもしろく、何より「スタミナワンパクそば」がむちゃくちゃうまい! 注目の新店として胸を張りプッシュします。
まず、「スタミナワンパクそば」とは何ぞや? から説明しましょう。
僕自身、オープン前に「絶好鳥」店主・吉冨大輔さんにこの新店の構想を聞いた時、屋号やメニュー名から「ニンニク&野菜どかん!のG(がっつり)系ラーメンやまぜそばみたいなもの」を勝手に連想していました。しかし実際に食べた結果、これまた別モノ。“スタミナ”なのでもちろんボリューム感、ジャンキーさが備わり、カスタマイズの楽しさもある点は想定通りだったのですが、“味の方向性”が意外で、トッピングもユニークなものばかり。しいていうなら、九州でも馴染みとなった「二郎系」、ご飯に合う肉そばで知られる「徳島ラーメン」、牛の旨味も詰めた「台湾ニューローメン」、この3つを融合させ、さらに味変もより自由にした一杯。オーダー方法から見ていきます。

基本のメニューは「スタミナワンパクそば」一択で、強力粉「オーション」を使った「二郎系の太麺」かヘルシーな「太春雨」を選べます。「牧のうどん」のように卓上に置かれた伝票に客が直接記入してオーダーするシステムで、上記の麺の種類ほか、季節限定含めトッピングが全9種、そのほかサイドメニュー、ドリンクなどたくさんの項目が伝票にズラリと並びます。この日は「スタミナワンパクそば二郎系麺200g」(1,200円)に追加トッピングで「うずら5個」(200円)、「とろけるハンペン」(200円)、さらにご飯と生卵1個が付いた「スタミナワンパクセット」(200円)を注文。

正直“色味”はないですが、麺も極太で見るからにボリューム感、ジャンキーさが伝わってきます。にぎやかな具は、角煮のような豚バラ肉にタマネギなどの野菜、追加トッピングで入れた溶ろけるハンペン、ウズラの卵5個。上にねっとりとかかっているのは和牛と豚の背脂です。

「ベースとなる茶濁のスープは牛骨ダシを福岡県産の2種の醤油、たまり醤油、隠し味のオイスターソースをブレンドしたタレで味付けしたもの。脂身も程よく残した豚バラ肉や野菜、追加トッピングの具材をスープと共に鍋で“煮絡める”ことで、奥深いコクが染み出してきます。加えて豚だけでなく和牛の脂を加えているのもポイント。より芳醇な香りと旨味を醸し出してくれます」と吉冨さん。
スープを飲んでみての第一印象は「甘く濃厚な味わい」。肉、野菜の旨味が甘めの醤油と共に渾然一体となるこの感じは、すき焼きを連想する人も多いかもしれません。ゆえにご飯に合う。生卵に合う! 先に例で挙げた「徳島ラーメン」も一般的にこのような甘く濃厚な醤油感があり、さらに“ご飯がススム”ラーメンであるのも通じるところがあります。しかし、徳島ラーメンはスライスした豚肉がのっているのが多いのに対し、この「ワンパクスタミナそば」はゴロゴロとした豚角煮風。そして、麺はオーション使用でワシワシとした食感が魅力の完全なる二郎系。牛骨、和牛の脂など“牛”の要素は「台湾ニューローメン」。この3つを融合したような一杯と称したのはこのような理由からです。
牛や豚の脂の旨味とニンニクも程よく効いたボリューミーな「スタミナワンパクそば」。追加具のハンペンや存在感のある豚肉、極太麺を、別器でといた生卵にディップして食べるのもおすすめですが、卓上のカレーパウダー(無料)、タイ産唐辛子(100円)、麻辣たれ(200円)などで、辛味系、スパイシー系へと味変するのもおすすめです。

現在、「鶏白湯ラーメン 絶好鳥」は11:30〜14:30(LO14:00)の営業で月曜休。
一方「スタミナそば ワンパク軒」は19:00〜23:30(LO23:00)で月・火・日曜休。
昼は洗練された鶏白湯。そして夜は背徳感ありありのガッツリ「スタミナワンパクそば」。全く異なるメニューを楽しんでみてください。上の写真、店主の吉冨大輔さん(右)はおもに昼、店長の中野正好さん(左)は夜の厨房に立ち、それぞれ最高の一杯で迎えてくれます。
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店舗名
スタミナそば ワンパク軒(店舗写真)
住所
福岡市中央区高砂1-18-1
電話番号
営業時間
19:00〜23:30(L.O23:00)
定休日
月・火・日曜
席数
- カウンター5席
- テーブル4席
メニュー
スタミナワンパクそば(二郎系麺200g)1,200円、スタミナワンパクそば(太春雨150g)1,200円、麺大盛り200円、トッピングうずら5個200円、トッポギ5本200円、ナスビ200円、麻辣たれ200円、背脂マシ150円、具マシ(野菜と肉)400円、とろけるハンペン200円、小ごはん100円、中ごはん200円、生卵1個100円、プリッキーヌ(タイ産唐辛子)100円、スタミナワンパクセット(生卵+中ご飯)200円
喫煙について
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