“天神ビッグバン”で沸き返る福岡都心部を横目に、福岡市内でもっとも活気がある街が六本松だろう。元九大キャンパスの再開発計画としてその跡地に建った「六本松421」を皮切りに、今なお建設ラッシュが続いている。さらに新築のみならず、周囲の古い建物や古民家の物件にも若い店主を中心とした飲食店が続々と誕生。その中の一軒が、昨年11月にオープンして1周年を迎えたばかりの「酒喫茶 白昼夢」である。
1.昼から自然派ワインが飲める酒喫茶

店主の渚ちゃん(榎原渚さん)と僕はソムリエの同期で、およそ半年間一緒に試験勉強をした、いわば戦友のような間柄。当時、彼女が務めていた「フランマンローズ」オーナーの牛島治さんが師匠で、毎週1時間の勉強会で机を並べていた。5人の生徒の中では僕がもっとも出来が悪く、今でも渚ちゃんから「江月さんは絶対落ちると思ってた」とイジられている。その後、彼女はフランスに渡って自然派ワインに出会い、帰国後は大名に「黄昏」を開店。愛好家の堪り場として、福岡を代表する自然派ワインバーとなった(現在は閉店)。


そんな彼女が結婚、出産を経て、六本松で新しく出店したのが「酒喫茶 白昼夢」だ。店名の通り、喫茶店感覚でサンドイッチやナポリタンをつまみにワインを飲める店がコンセプト。この日は山梨のワイナリー・共栄堂の2024年ヴィンテージが入荷しており、さっそくテイスティングすることに。ここのワインはエチケットが毎年変わり、24年は「鶴亀」をモチーフにしたおめでたいデザイン。ワインは白、赤ともに数種類の葡萄をブレンドした果実味に溢れた味わいで、グビグビ飲めてしまう。

料理はトーストやサンドイッチ、ナポリタンといった純喫茶風ながら、ブルーチーズやぬか漬けなどを使って酒に合う味付けに。写真は有明の秋芽一番摘み海苔を使った「成清のりと卵のサンド」(800円」で、ワインのアテとしても最高だ。基本は朝11時開店だが(金土曜は15時〜)、育児をしながらのワンオペ営業なので、店休日や営業時間はその都度インスタをチェックして。
2.書店の中にあるカジュアルな角打ち

次に向かったは、新しい六本松のランドマークになった複合ビル「六本松421」。中核テナントである「六本松 蔦屋書店」は書籍や音楽・映像ソフトにとどまらず、生活雑貨やアパレル商品も置いた生活提案型の複合店で、毎週のようにポップアップショップも開かれている。そのフロアに「スターバックスコーヒー」とともに入居しているのが「住吉酒販」だ。


ここは”酒に笑う人生”をモットーにする住吉酒販が運営するカジュアルなスタイルの角打ち。酒販コーナーでは九州を中心に全国の酒蔵から厳選した日本酒、焼酎、ワインをはじめ、酒に合うつまみや珍味などの食品も販売している。

僕のお気に入りは油山の工房で手作りしている「CHEESE STAND」のナチュラルチーズで、白カビやセミハード、カチョカヴァッロなど6酒類がオンメニュー。中でも塩とオリーブオイルをかけた「出来たてモッツァレラ」(660円)は、白ワインとの相性がバツグン! 日本酒好きの左党には4種類が飲み比べできる「名物イロハニ升」(1,155円)も用意されているので、ぜひチャレンジしてみてほしい。
3.大衆的な雰囲気の立ち飲み焼き鳥

ほろ酔い気分で「六本松421」を後にし、最後に向かったのがジモティ御用達のスーパー「エルロク」の正面にある「トリスタンド酒場 NiCE」。焼鳥、立ち飲み酒場は数多くあれど、立ち飲みスタイルの焼鳥店はありそうで、なかなかない。カウンターメインの店内の壁にはテレビが設置され、いかにも大衆的な雰囲気だ。


ここは焼鳥激戦区の六本松の中でも串1本143円〜という最安値クラスの価格帯。つまみも一品275円〜で、近所の常連客でいつも賑わっている。かくいう僕もその一人で、サッカー好きの店長とサッカー談義をするのが楽しみだ。この日も先日行われた日本対ブラジル戦の歴史的勝利の話で盛り上がり、ついついレモンサワーを2杯、3杯と飲み干して、すっかりご機嫌に。つるべ落としのように日が暮れる中、徒歩5分の自宅へと帰途についた。

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店舗名
白昼夢(店舗写真)
ジャンル
- バー
- カフェ
- コーヒー
- ワインダイニング・ワインバー
- 立ち飲み
住所
福岡市中央区六本松2-2-13 斎藤ビル1F
電話番号
なし
営業時間
11:00頃~18:00頃
定休日
月曜
席数
- カウンター2席
- スタンディング12名くらい
個室
なし
メニュー
チャージなし、名物ブルーチーズトースト800円、ピザトースト800円、吉野さんの卵でハムエッグ600円、ナポリタン1,200円、コップワイン500円、グラスワイン1,000円~、スパイスハイボール1,000円、ヒューガルデン500円~、デイドリームブレンド(BASKING COFFEE)500円
喫煙について
店舗名
住吉酒販 六本松421店(店舗写真)
ジャンル
- 日本酒
- 立ち飲み
- 食物販店
住所
福岡市中央区六本松4-2-1 六本松421-2F
電話番号
営業時間
12:00〜OS20:30
定休日
施設に準ずる
席数
- スタンディング20名くらい
個室
なし
メニュー
日本酒660円〜、ビール・ハイボール・サワー各770円〜、おつまみ440円〜、チーズ各種660円
喫煙について
店舗名
トリスタンド酒場 NiCE(ナイス)(店舗写真)
ジャンル
- 焼鳥
- 立ち飲み
住所
福岡市中央区六本松2-10-20
電話番号
営業時間
15:00〜OS23:00
定休日
不定
席数
- スタンディング15名くらい
個室
なし
メニュー
ハイボール484円〜、生ビール550円〜、日本酒484円〜、焼鳥143円〜、おつまみ275円〜
喫煙について
- ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
- ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
- ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
- ※OSはオーダーストップの略です。
- ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
記事に関する諸注意
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