コースが3,900円から！香椎宮そばにハイコスパな鉄板焼の店が登場

専門職人が肉・魚介・野菜を目の前で鮮やかに焼きあげる鉄板焼。調理中の臨場感も含め、客の五感を刺激する魅力的なジャンルです。が、コースだと10,000円以上することが多く、敷居の高さを感じている人も多いでしょう。
しかし今年の９月、なんと3,900円からコースを用意する専門店が東区香椎に登場しました。興味を引かれ、さっそく予約したその店の名は「Messi」です。

場所は香椎宮のお膝元、澄んだ空気が漂う参道沿いの一画です。西鉄香椎宮前駅から徒歩４分ほどなので、博多からのアクセスも良さげですね。店内もシンプルモダンにまとまり、涼やかな感じが参道の雰囲気と馴染んでいます。

耳納連山の巨石が支えるカウンターの存在感も印象的。奥の方は鉄板と向き合う通常のカウンター席ですが、手前は両側に客席を設け、４、５人がゆったり対面で座れるようになっています。
「ご家族やグループでも楽しめるよう、こういうデザインにしました」。親しげな笑みを浮かべ、そう話すのはオーナーシェフの江上明義さんです。

いくつかのホテルや料亭で、長年和洋中の素養を磨いた江上さん。「お客様の笑顔を見られる空間を作りたい」と思い、独立にあたってこの業態を選んだと言います。
「それに、日本が世界に誇る素材＝和牛を扱えるのも魅力でした。鉄板焼きならその素晴らしさをダイレクトに訴求できますし、何よりシンプルに焼いたものが一番うまいと僕は思うんです」
ちなみに江上さんは大のサッカーファン。もちろん店名の由来はあの偉大な名選手だそうですよ。

さて、こちらには3,900円・6,600円・8,800円のディナーコースとアラカルトがあり、「コースがお得ですよ」と背中を押されコースを注文。一番人気の6,600円を選びましたが、しかしこれ、なんというコスパ感でしょう。この内容でこの価格、都市部ではちょっと考えられません。東区という立地の利点と、一人で切り盛りする江上さんの「お客様の笑顔」を求める奉仕精神が実現した“おもてなし”なのです。

なお冒頭で触れた3,900円コースも同じ10品ですが、糸島豚などを使うなどして、よりカジュアルに構成。8,800円の方は鮑やフィレなどを含めた14品の豪華版でした。

ここで扱う和牛は九州産黒毛和牛のみ。前職から付き合いのある業者から、確かな品質の素材を仕入れています。高価な希少部位はほぼ使わず、Ａ３等級を中心にして値頃感をキープしているとか。

その魅惑をふんだんに散りばめたコースの１品目は和牛寿司からスタート。この日のネタは、熊本のあか牛のリブロースです。寿司の経験も持つ江上さんが仕立てたシャリは、赤酢がほんのり効いた江戸前風でした。
中盤を盛りあげる牛たんは、鉄板でミディアムに焼きあげてから提供。「良いものを少しずつ」を忠実に実践するコースは、なるほど実にお得です！

そしてメインのステーキは、必ず赤身と霜降りの２種を提供。今日は宮崎産の赤身(写真左)と鹿児島産の霜降り(同右)の食べ比べを楽しめました。さりげないサービスかもしれませんが、こうした「わざわざ」の配慮が満足度を高めるんですよね。

穏やかな人柄の江上さんとの会話も弾み、あっという間に食事は終了。入店前の緊張はどこへやら、とてもリラックスしたひとときでした。東区には珍しい鉄板焼の店は、記念日からお子様連れにもフィットする、期待のグルメスポットになりそうです。