不動産の銀行 大央《福岡食文化応援日記》Vol.2

街の様子は変わっても、変わらぬ味を守り続ける老舗「岩戸屋」

公開日

最終更新日

ライター毛利 智子

大名

岩戸屋

  • x
  • LINE
UMARABI 新規会員登録はこちらから

1916(大正5)年、福岡市大名で創業した「岩戸屋」。会社の歓送迎会や県外からのお客様をおもてなしする時など、いろいろなシチュエーションで何度もお邪魔していますが、いつも変わらぬ美味しい水炊きと温かい雰囲気で出迎えてくれます。私にとっては思わず「ただいま!」と言ってしまいそうな懐かしい祖父母の家(⁉)のような存在ですが、地元の人はそれぞれに心に残るエピソードを持つ特別なお店ではないでしょうか。
長年福岡の人たちに愛され続けている理由を探るべく、受け継がれてきた味へのこだわりを4代目・脇本修治さんにお話しを伺いました。

大名の街とともに100余年

※店舗より提供

創業時は西通りの岩田屋本店横(現在西日本シティ銀行がある場所)辺りだったそうですが、1945(昭和20)年ごろに今の場所に移転、2003年(平成15)にはビルに建て替わり、現在はその5階で営業しています。50年前には敷地内で鶏を飼っていたこともあるとか! 大名に鶏の声が響いていたなんて、とても想像できません。

以前の2階建て店舗の様子は今でも鮮明に記憶に残っていて、入って正面に2階席に上がる階段があり、店内はいつも大賑わいで活気に溢れていました。現在の店舗も開放的な雰囲気は残しつつ、感染症対策のためゆとりあるつくりになっています。

味はそのまま。変わったのは鍋(⁉)だけ

街の様子が大きく変わった大名ですが、「岩戸屋」では100年前から変わらぬ味を守り続けています。4代目の脇本修治さんは1998年(平成10)年に「岩戸屋」に入り、義父である3代目のもとで一から料理を学んだそうです。
「まったく違う業界からの転職だったのですべてが初めてでしたが、義父が細かく指導してくれたのでしっかり “岩戸屋の味”を受け継ぐことができました。同じ材料で同じ手順で作っていても、その日の気候や素材の具合によっても味が変わってきますし、毎日同じように仕上げるのは難しい。経験を積むことで安定した味を提供することができるようになりました。鍋はもちろん、ポン酢や割り下も代々受け継いできた味。お客様に「美味しかった。変わってないね」と言われるのが一番の喜びです。
メニューや味は全く変えてないのですが、じつは鍋を変えました。以前はアルミ鍋でお出ししていたのですが、店舗が新しくなったのでちょっとオシャレにしようかなと。古いお客様からは「なんで鍋変えたの?」と指摘されます(笑)」。

じっくりゆっくりと。体に染み渡るスープ

※店舗より提供

「岩戸屋」は、「水炊き」をはじめ「鳥すき」「すきやき」「しゃぶしゃぶ」などの“ご馳走鍋”メニューが揃います。
「岩戸屋」の水炊きスープは、クリアな透明タイプ。時間をかけて丁寧に煮込むことでゆっくりと鶏のコクと旨みを引き出し、上品な味に仕上げています。スープ一杯で元気100倍! この“駆けつけ一杯”が一日の疲れを吹き飛ばしてくれます。転勤で遠方に行っても、このスープの味が忘れられずに店に帰ってくるお客様が多いというのも納得です。

※店舗より提供。写真は各2人前

お鍋を最後まで味わって欲しいとサイドメニューは最低限にしているそうですが、甘辛のバランスのとれたサイドメニューはやっぱり“別腹”。あれこれ食べたいなら「鳥唐揚」「砂肝の甘煮」「鳥皮酢の物」が付くAコース3,740円がお得です。

※店舗より提供

「最後の1滴までスープを味わって欲しい」と脇本さん。確かに、シメの雑炊までしっかり食べたいですよね。
そういえば、シメの雑炊の前に「やすとみラーメン」をいただくのをお忘れなく! 「あまり聞いたことがないのですが「やすとみ」は麺のメーカーですか?」とたずねると、「じつはお客様の名前なんですよ。シメにラーメン+黒コショウを召し上がるお客様がいらっしゃって、美味しかったのでメニューに採用させてもらいました。“やすとみ”はその方の名前です」。また、「岩戸屋」では「シメの雑炊は上司と一緒だと手が出しにくい」という声を受け、ひとりひとり注ぎ分けて持ってきてくれます。

お客様との距離感が近く、リクエストに応えてくれるところも老舗の懐の深さ。変わらぬ味はもちろんですが、細やかな気配りやお客様とのつながりが、100年以上愛されてきた理由なのだと確信しました。

この記事は不動産の銀行 株式会社大央の提供でお届けしました。

この記事が面白かった方、参考になった方は「いいね!」をお願いします。

店舗名

岩戸屋(店舗写真

住所

福岡市中央区大名1-12-38 岩戸屋ビル5F

電話番号

092-741-2022

営業時間

17:30~22:00

定休日

日曜

席数

  • 座敷28席

メニュー

水炊き(骨付き)2,750円、スープ炊き(ミンチ・四つ身・砂肝)2,750円、ミックス(ミンチ・骨付き)2,750円、鳥すき焼き2,750円、牛すき焼き(佐賀黒毛和牛※要予約)3,850円、豚しゃぶ(※要予約)2,750円

喫煙について

喫煙可能スペース有り/屋外
  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。
UMARABI 新規会員登録

人気記事ランキング

  • 24時間
  • 1週間
  • 1ヶ月
  • ワンタップでUMAGAにアクセス!
  • メルマガ会員募集