路地裏の名店【7】

ステーキの隠れた名店。長期熟成した赤身肉は旨味、柔らかさが段違い!

公開日

最終更新日

ライター諫山 力

カメラマン諫山力

アカミヤコウシ熟成肉

春吉

Akamiya COWSI(アカミヤコウシ)

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春吉公園から住吉へ抜ける道から、さらに一つ筋に入った場所にある「Akamiya COWSI」。店の入口は小さく、腰をかがめる必要があります。アジトに潜入するようなワクワク感に浸りながら、いざ入店です。

こちらのウリは赤身の熟成肉。長期熟成するのは交雑種の雌牛の赤身のみで、短いものでも30日、長いものになると120日ほど寝かせているそうです。

今やポピュラーになった熟成肉ですが、オーナーの福富康馬さんもその旨味に魅了された一人。「熟成させるためには枝肉を骨付きのまま、徹底した温度・湿度管理の下、保管しておく必要があります。当店は乾燥状態で置いておくドライエイジングを採用しており、赤身肉の旨味が凝縮するのはもちろん、独特な風味を帯び、さらに肉質も柔らかくなる」と話します。

その日準備している熟成肉は、店の壁に貼られたメニューとなり、イチオシは牛一頭からわずかしか取れない「ポーターハウス」と呼ばれる部位。牛の腰の部分(ショートロイン)の一部で、サーロインとフィレ両方が味わえ、かつフィレの割合が3分の1以上必要となります。ステーキで食べるのが最もおすすめとされており、食べごたえも十分です。

店長の片山清晃さんがその日おすすめの「ポーターハウス」を焼いてくれました。この日は、佐賀県産交雑種の雌牛で、熟成期間は120日。価格は100g2084円です。厚さ3cmはあろうかという塊肉を炭火で豪快に焼いていきます。肉の脂が落ちて炎が上がり、さらに炭に油をかけて炎の勢いが強まります。「こんなに強火で焼いて大丈夫?」と見ていたら、肉の弾力を確かめて、炭火から離してしばらく静観。

片山さんは「炎で表面に焼き目を付けたのはあえてなんです。焦げる直前まで焼き切ることで無駄な脂を落とすのをはじめ、食感のコントラストを出し、メイラード反応を起こすことで旨味をアップさせるためです。さらに高温の熱を加えたことで、塊肉の中の血が中で暴れているんですね。そのまま一気に焼いてしまうと、おいしさの元ともいえる血が暴れすぎて外に逃げてしまいます。それを避けるために、肉の弾力を確かめながら、随所で休ませる工程が必要なんです」と教えてくれました。なるほど! 燃え上がる炎で焼いていたのはそういう理由があったんですね。

塊肉を焼くこと約30分。カットされた状態で「ポーターハウス」が運ばれてきました。もちろんステーキは2〜4人などでシェアOKです。味わいが深いサーロイン、柔らかさが際立つフィレ。最初はフィレから食べるのがおすすめで、どちらも噛むほどにおいしさが広がります。サーロインの比率がやや多いものの、フィレも十分なボリュームがあり、それらを一度に味わえるのは「ポーターハウス」の魅力です。
調味料はまろやかな塩気の岩塩に加え、自家製の粒マスタード、ニンニクの醤油漬け、ワサビなどが用意されているので、味変しながらステーキを楽しめます。

熟成肉はその日準備しているものだけになるので、売り切れ次第終了です。ほとんどの客の目当てが熟成肉なので、早々と売り切れることもあるそう。予約しておくのがベターかもしれません。
ただ、熟成肉が売り切れていても、他のステーキは食べられるのでご安心を。それがもう一つの名物、長期肥育の雌の和牛です。こちらは熟成をかけずに提供しています。「内モモ」(2,310円)、「マクラ」(2,200円)、「シンシン」(2,860円)など赤身のみで常時8、9種の部位をラインナップしています。こちらはすべて100gからの提供。この日は糸島市の「吉岡牧場」の博多和牛でしたが、時期によって仕入れる産地、牛肉が異なり、価格もその都度変わります。

ステーキ以外に、アラカルトも準備されています。メニュー内容は不定期で変わりますが、定番として常時用意しているのが「幻のブッラータとフレッシュトマト」(1,980円)。ブッラータはイタリア発祥のフレッシュタイプのチーズで、イタリア語で“バターのような”という意味があります。モッツァレラチーズの中に生クリームを入れていることから、ナイフを入れると中からトロリと生クリームが流れ出てきました。とにかく濃厚でクリーミーなブッラータとトマトの酸味は相性抜群で、お酒も進みます。

そしてもう一つの定番が「牛テールの炙り焼き」(1,980円)です。こちらは約5時間、ひたすら弱火で煮込んだ牛テールを提供直前にバーナーで炙って提供されます。ステーキと同じく焦げ目を付けることで、香ばしさがプラスされ、よりおいしく味わえるんですね。ポン酢とニンニクを漬け込んだ醤油がかかっていますが、薄味で牛テール本来の旨味を生かしています。じっくり煮込まれているので、肉が骨からホロリと外れるほど柔らかです。

単品だけでなく「飲み放題付き和牛赤身堪能コース」(6,930円)、「飲み放題付き長期熟成肉コース」(9,130円)など、前日までに要予約のコースもあります。ちょっと贅沢したい時や特別な日の利用にもおすすめです。

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店舗名

Akamiya COWSI(アカミヤコウシ)(店舗写真

ジャンル

  • ステーキ

住所

福岡市中央区春吉2-17-2

電話番号

092-791-2592

営業時間

16:00〜OS23:00

定休日

日曜

席数

  • カウンター12席
  • テーブル28席

個室

2〜4名

メニュー

熟成牛ポーターハウス100g2,100円程度、熟成牛リブアイ100g1,350円程度、和牛内モモ100g2,310円、和牛外モモ100g 2,310円、和牛イチボ100g 3,080円、和牛ランプ100g 3,080円、幻のブッラータとフレッシュトマト1,980円、セロリの和風ピクルス385円、チーズの盛り合わせ770円、牛テールの炙り焼き1,980円、COWSIカレー825円、ヒレカツサンド3,850円

喫煙について

禁煙
  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

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