福岡カフェ巡り【2】
色彩や香りが感性を刺激する花とコーヒーが主役のカフェ
おしゃべりを楽しみたい時、ひとりの時間をゆっくり過ごしたい時、おいしいコーヒーやデザートを楽しみたい時など、カフェを利用するシーンはさまざま。今回紹介するのは、感性を刺激したい時にぜひ訪れて欲しいカフェです。
2024年3月に渡辺通にオープンした「TABULA COFFEE &FLOWER」は、福岡市で約30年にわたりブライダルを中心とするフラワーコーディネートや生花店を手がけてきた会社「フロリステ・モデュール」が運営するカフェ。もともと花や観葉植物を販売する「module渡辺通店」があった場所がおしゃれなカフェに生まれ変わっています。「花や植物、そしてコーヒーはすべてボタニカルなもの。これまで培ってきた生花の経験にコーヒーをかけ合わせることで“ボタニカルあふれる世界”というビジョンの実現をめざしています」と店長さん。ちなみに、店名の「TABULA」はララテン語で“まっさらなキャンバス”を意味する「TABULA RASA」に由来するそうです。
洗練された雰囲気が漂う店内にはテーブル席とカウンター席があり、一人でも複数人でも利用しやすそう。無機質なコンクリートやブロックの内装に、有機的な花や植物の装飾が彩りを添えていたり、壁が植物を表すグリーンと土を表すブラウンの配色になっているところにもボタニカルをテーマにするカフェらしさがあふれています。
季節を感じるフラワーアレンジメントはいつも独創的でスタイリッシュ。この時期はクリスマスシーズンに合わせてモミの木や赤い枝のサンゴミズキ、艶やかなグリーンのリトルジェムなどを取り入れたものがカウンターやテーブルに飾られていました。海外製のものがほとんどという花器の形もユニークです。
また、今の時期のクリスマス装飾にも注目を。大人の雰囲気が漂うリースやツリーがこの場所によく合っています。木材を重ねた大きなツリーもスタッフの手作りと聞いて驚きました。
以前、訪れた際に印象に残っていたのが、コーヒーのおいしさ。こちらでは東京・吉祥寺にある「light up coffee(ライトアップコーヒー)」の豆を使って淹れるコーヒーを楽しむことができます。「light up coffee」は、生産者ごとの豆の個性を生かして焙煎するシングルオリジンのスペシャルティコーヒーを提供するコーヒーショップ。「当店のスタッフが『light up coffee』のコーヒーを好きだったことから相談し、“花とコーヒーの可能性を広げる”というコンセプトに賛同していただいて、豆を使わせてもらっています。福岡で『light up coffee』のコーヒーを提供しているのはここだけです」と店長さん。
常時4種ほどが揃うコーヒーには、生産地や生産者、環境といったデータやスタッフのみなさんが感じた味わいの特徴が詳しく書かれたオリジナルカードが添えられていて、コーヒー愛の深さが伝わってきます。そして豆の品質のよさと同時に、コーヒーショップで腕を磨いて集まったスタッフさんが丁寧に淹れてくれることもおいしさの理由。コーヒーは、ドリップのほかに、エスプレッソ系のメニューも用意されています。
この時は「エチオピア/シャンタウェネ」というフローラル系のコーヒー豆を選びました。「ハンドドリップコーヒー」(HOT/ICE 600円)は、ビーカーのような形をしたグラスのピッチャーで提供されます。自分でカップに注ぐ時にふわりとコーヒーのいい香りが漂うのもこのスタイルならでは。一般的にはコーヒー1杯は150ml前後のところ、温度の違いで変化する味わいを楽しめるように、200mlと多めにしているそうです。確かにひと口目と少し時間が経って飲んだ時の印象が違いました。また、カップやプレートは「1616 / arita japan」のもので、“まっさらなキャンバス”という店名に合わせてマットな質感のものが選ばれています。
コーヒーと一緒に楽しみたいスイーツは、カッサータやアフォガード、季節のパウンドケーキなどがメニューに並びます。定番の「ティラミス」(700円)は、マスカルポーネチーズのコクと、浅煎りコーヒーを浸したスポンジの酸味が合わさり、絶妙な味わいでした。
コーヒーのほかにお茶のメニューも用意されています。茶葉は六本松にある「日本茶専門店 蘊(-on-)」のセレクトによるもので、八女茶が中心とのこと。ハンドドリップの煎茶のほか、抹茶を使ったドリンクも選べます。茶せんで点てた抹茶にフォームドミルクを注いだ「八女抹茶ラテ」(HOT/ICE 700円)は、なめらかな口当たりで、優しい甘さと抹茶の苦みをバランスよく楽しめました。
季節限定のメニューは3ヶ月ごとに替わり、12月から2月は「モークチョコレート」(HOT/ICE 700円)と「クランベリーとホワイトチョコのパウンドケーキ」(650円)が登場します。チョコレートドリンクはオーストラリアのクラフトチョコレートブランド「モーク」のチョコレートをミルクとあわせたもので、心も体もほっとする味わい。クランベリーやホワイトチョコがふんだんに使われたパウンドケーキは、上にかかったクリームチーズソースの濃厚な味わいも相まって、満足感のあるおいしさが口に広がります。
自宅でも花とコーヒーを楽しめるように、テイクアウト用の花やコーヒー豆も用意されていて、今の時期はクリスマスに向けたアレンジメントも販売されていました。また、12月21日(土)から23日(月)の3日間は「大切な人に贈るプレゼント」をテーマに、アレンジメント(上の写真2枚目)を作るワークショップも予定されているので、お店のInstagramなどをチェックしてみてください。
また、12月からは金・土曜の夜営業も始まり、夜のスタイリッシュな雰囲気のなか、夜限定のメニューを楽しむこともできるそうで、こちらも楽しみです。
素敵な空間でほっとひと息つくことができるのはもちろんですが、花や植物の色彩や造形を見たり、こだわりのコーヒーの香りや味を感じることで、感性を刺激する経験ができるのも「TABULA」の魅力。おいしいコーヒーを飲みながら、気分をリフレッシュしたい時にぴったりのカフェです。
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店舗名
TABULA COFFEE & FLOWER(タビュラ コーヒーアンドフラワー) (店舗写真)
ジャンル
- カフェ
住所
福岡県福岡市中央区渡辺通2-8 1F
電話番号
営業時間
10:00~19:00(OS18:45)、2024年12月から金・土曜10:00~19:00、19:00~23:00(OS22:45)
定休日
不定
メニュー
エスプレッソ(HOT)450円、アメリカーノ(HOT/ICE)550円、カフェラテ(HOT/ICE)550円、エルダーフラワーエスプレッソソーダ(ICE)750円、ハンドドリップ八女茶(HOT/ICE)600円、カッサータ550円、エスプレッソアフォガード650円
喫煙について
- ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
- ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
- ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
- ※OSはオーダーストップの略です。
- ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
- ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
- ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。
記事に関する諸注意
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