コロナ禍のステイホーム中に、配信などにより韓国ドラマやK-popにハマる人が続出し、第4次韓流ブームが起こった日本。福岡も例に違わずブームをきっかけに韓国料理店が急増し、その勢いはいまだ活発です。かくいう私も韓流沼にまんまとハマった一人で、いろいろな韓国料理店に行っていますが、今回、新しく誕生した「seesaw」にはちょっと驚かされました。結論から言うと、ほかとは一風違ったスタイルなんです。
お店は警固本通りの西サイド、筑紫女学院の方へと曲がる道筋に建つ新しいビルにあり、1階が食堂、2階がバーという2つの側面をもちます。驚かされたのは2階のバーで、ここでは韓国のパンチャン(おかず)をおつまみに、合わせるお酒は日本酒と本格焼酎がメインというのです。
日本酒・本格焼酎は九州や山口を中心としたラインナップです。聞くところによるとオーナーは韓国の方で、日本酒・本格焼酎のインポーターかつソウルで飲食店を経営されているそうです。
店舗からの提供
料理は、旬の食材をふんだんに使った「おまかせコース」(5,500円・要予約)と、「カンジャンセウ(天使のエビ醤油漬け)」(2尾・800円)、「海鮮チヂミ」(2,200円)、「糸島産ポッサム(ゆで豚)」(3.500円)などの単品があります。
まずは単品をちょこちょこと味わってみたく「おつまみ4種盛り合わせ」(1,500円)を注文。日本酒は、料理に合わせて福岡県みやま市にある菊美人酒造の純米吟醸酒(グラス650円)をセレクトしてもらいました。
日本酒は幅広のワイングラスに注いでくれ、口に運んだときに芳醇な香りがふわっと鼻に届きます。ドリンクって器選びが重要だなぁとつくづく感じました。
盛り合わせも、これまた美しい! 螺鈿細工の器に盛られていて、なんだか『チャングムの誓い』を思い起こします(例えが古くてすみません)。
「もしかして、宮廷料理ですか?」と聞いてみると、「いえいえ、違いますよ。ふつうにパンチャンです」と笑って答えてくれたのは、店長兼料理人の鄭恵允(ジョン・ヘユン)さん。なんでもジョンさんは、東京の調理師学校で和食を学んだ経験もあり「ふだん韓国で食べているパンジャンを、和食のようにアレンジしているんです」と話します。
写真は右上から時計回りに、ズッキーニとシイタケの炒めナムル、トラジ(桔梗)のキムチ、うずら卵の醤油煮とモヤシのナムル、クリームチーズとイカの塩辛です。盛り付けに負けず劣らず味も上品で、お酒の吟醸香を邪魔することなく見事にマッチ! この盛り合わせだけで、どんどんお酒が進みました。
バー空間はこのように落ち着いた雰囲気です。カウンターは広く、また天井も高くとてもリラックスして過ごせます。カウンター奥にはテーブル席もあります。
ちなみに韓国でも日本酒、日本の焼酎は人気ありますが、基本的には和食と合わせて飲まれていて、このように韓国料理と合わせるスタイルは本国でもないそうです。つまり、いち早く新しい楽しみ方を知ることができたというわけです。
このバーは12月9日にオープンしたばかりですが、1階の食堂は先行して10月25日にオープン。こちらについても触れておきます。
韓国のカフェをイメージしたという食堂は、明るくモダンな空間です。
「コチュジャン豚肉炒め定食」(1,250円)、「スンドゥブチゲ定食」(1,180円)などの定食や「海鮮チヂミ」(1,750円)、「ジャパゲッティ」(980円)などの単品が楽しめます。
写真は「糸島豚産ポッサム定食」(1,800円)です。定食には6種類ものパンジャンが付いていて、これはいろいろ味わえて嬉しい! スープとパンジャンは日替わりで、この日のスープはわかめスープ、パンジャンは白菜キムチ、黒豆、卵焼き、オイキムチ(キュウリ)、小松菜のナムル、おでんでした。
「糸島豚は脂身が甘いから、それを存分に味わってください」とジョンさん。分厚くカットされたポッサムは柔らかく、甘く、食べ応えも十分! サムジャンの風味がとてもよく、聞くと、ジョンさんのお祖母様から受け継いだ味だとか。「私、とってもおばあちゃんっ子なんです」とジョンさん。定食で出すパンジャンもお祖母様の味をベースに、現代風にアレンジしているそうです。
食堂では、日本酒・本格焼酎のほか韓国焼酎やマッコリなどザ・韓国のドリンクを提供しています。お馴染みの「眞露焼酎」をはじめ、オーナーの出身地・釜山の「デソン焼酎」もありました。
そして最後に、出ました! 現地の食堂や韓ドラでも見かける、サービスのコーヒー。もちろん私も1杯いただきました。これこれ、この甘さ。時々、無性に飲みたくなるんですよね。
店名の「シーソー」は、両者がうまくバランスをとってこそ楽しめる遊具からとったもので、そこには韓国と日本の架け橋になりたいというオーナーの想いが込められているそうです。まさに1軒のお店で食事やお酒が楽しめ、韓国と日本の味や文化を同時に感じられる……いくつもの魅力がバランスよく、さらには互いの魅力を高めながら表現されています。また、女性料理人・ジョンさんの繊細さと今風の感性の韓国料理が味わえるのも特筆すべきところです。
「シーソー」で、新感覚な韓国料理の楽しみ方を味わってみてください。
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店舗名
seesaw(シーソー)(店舗写真)
ジャンル
- 韓国料理
- 定食・食堂
- 日本酒
住所
福岡市中央区赤坂3-13-38
電話番号
092-753-4708(2F)092-753-4707(1F)
営業時間
18:00〜23:00(1階は11:30〜OS14:30/17:00〜23:00)
定休日
火曜
席数
- カウンター12席
- テーブル26席
- テラス8席
個室
なし
メニュー
おまかせコース5,500円、おつまみ4種盛り合わせ1,500円、韓国のチャンジャ650円、カンジャンセウ(天使の海老醤油漬け)2尾・800円、糸島産ポッサム(ゆで豚)3,500円
【1階】糸島豚産ポッサム定食1,800円、コチュジャン豚肉炒め定食1,250円、スンドゥブチゲ定食1,180円)、ジャパゲッティ980円
喫煙について
- ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
- ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
- ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
- ※OSはオーダーストップの略です。
- ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
- ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
- ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。
記事に関する諸注意
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