福岡ラーメン愛が止まらない

朝ラーや裏メニューでも話題沸騰。福岡の最旬“花系中華そば”

公開日

ライター上村敏行

カメラマン上村敏行

篠栗町

中華そばタンポポ〜第二章〜

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今回は、福岡でラーメンを食べ歩いている筋金入りのファンに「誰かに教えたくなる“最旬”のラーメン店は?」と聞くと高確率で挙がる新店の話をします。僕もそうですが「教えたい」「語りたい」店は味の旨さはもちろんのこと、営業スタイルであったり、大将の人柄であったり、店の雰囲気や立地であったりと+αも相まって私的“萌え”スポットになっていることが多いですよね。さらに、旬=トレンドでありながらも、一過性で終わらないような“確かな勢い”を感じる穴場的ニューカマーこそ、したり顔で教えたくなります。そのような観点で昨今の福岡ラーメン業界、中でもジャンルとしての非豚骨シーンを見て特にファンに熱視線を浴びているのがこの2店。1つ目は「煮干しのビリー」(宇美町)。そして2店目が、本記事で詳しく紹介する「中華そば タンポポ〜第二章〜」(篠栗町)です。

中華そば タンポポ外観

中華そば タンポポ〜第二章〜」があるのは、JR篠栗駅から徒歩約3分の場所。店前に3台の無料駐車場のほか、駅と隣り合う「篠栗町中央立体駐車場」は町営につき1時間無料、5時間まで100円という格安料金で利用できます。何げにこの利用しやすさも好ポイントなんですよね。そして、同店は「朝ラー」スポットとしても有名。現在は、水・木・金曜が6:00〜14:00(土・日曜は10:00〜15:00、月・火曜休み)の営業となっています。僕自身、最初に訪れたのは早朝でした。まだ薄暗い開店前から、どこからともなく客が集まってくる郊外店の様子は飯塚「来来」にも似た独特な雰囲気があってラヲタ心をくすぐられます。九州では福岡や大分を中心に絶賛拡大中の「朝ラー」についてはまた別の機会に深堀りするとして、とにかく「『タンポポ』は平日早朝も営業している」ことを覚えていてください。

店内に入るとL字カウンター7席のみ。白い調理服姿で迎えるのが店主の天本雅也さんです。天本さんは昭和55年長崎県出身。20代半ばまでは福岡市で美容師をしていましたが、元より無類のラーメン好きだったこともあり転職してラーメン道へと入門。「中華そば 郷家」に始まり、次の「来来亭」では熊本・浜線バイパス店の店長も経験、「らぁめん いちむじん」「麺や よかやす」でも修業を積んできました。ちなみに「タンポポ」の屋号に“第二章”と付いているのは「麺や よかやす」での間借り営業から始めたため。2023年12月「麺や よかやす」の朝ラータイムに屋号を変えて「中華そば タンポポ」がスタートし、2024年8月現在の篠栗町へと移り“第二章”を掲げたという経緯です。ここで福岡の熱心なラーメンファンなら気付くはず。現在の天本さんの一杯は、上記の修業先のどのラーメンとも異なるということを。しいていうなら、具は異なりますが天本さんが最初に入った、福岡魚介系ラーメンの先駆者「郷家」に近いのかな。との印象を受けます。

中華そばタンポポ店主

 「大好きな豚骨ラーメンを食べ歩く中で出会った『郷家』の中華そば。味のうまさも衝撃でしたが、一番刺さったのが『地域のじいちゃん、ばあちゃん、女性、子供たちも、食べ手を選ばず日常食として愛されている』ということでした。ラーメン店を志した瞬間から目指すべきゴールはすばりココだと。真っ先に入門した『郷家』での修業後、職人としての厚みを増すために他店でも素材の特性を見極めた炊き方などを勉強させてもらいました。『郷家』新郷社長、『よかやす』大鶴さん、『いちむじん』和田さん、いつもアドバイスしてくれるビリーさんにも本当に感謝しています。そして、一番長く働かせていただいた『来来亭』での経験も、ラーメン店を経営するにあたり大いなる財産になりました」と感謝を込めて話す天本さん。
筋金入りのラヲタが、ジャンルの異なる超名店での修業を経て編み出した革新「中華そば」(通称:花系中華そば)を楽しめる小バコ店。それが「中華そば タンポポ〜第二章〜」なのです。

中華そばタンポポ 麺持ち

スープのおもな材料は鶏ガラ、豚骨、魚介乾物。
熊本県産、山口県産、愛知県産の煮干しを、肉系スープと別取りして、香りが花開くよう毎朝ブレンドするダブルスープの手法。ちなみに誤解されがちですが、肉系素材と魚介素材を同じ釜で煮出す場合は正確にはダブルスープとは呼びません。それは肉系と魚介の“一本炊き”スープと表現するのが一般的です。ダブルスープはあくまで“別取り”したものを指す(トリプルスープも然り)ということをラーメン豆知識としてメモしていてください。

「タンポポ」では正真正銘の、そのダブルスープに甘さの中でもキレのある関東の醤油を合わせています。天本さんの考える、肉系&魚介の黄金比のスープはとても芳醇で、飲むたびに深いコクと旨味が押し寄せてきます。そして後味で舌先がピリリと心地よく刺激されるのを感じるでしょう。

「優しい味の中でも引っかかる“何か”を大事にしたい」。これは天本さんの全ラーメンに共通するテーマです。リスペクトする「郷家」ではその“何か”、アクセント的なものは辛ネギに当たるのでしょうが「タンポポ」ではよりさりげなく、厳選した「一味」を少量忍ばせているのです。この一味はデフォで入っているほか、卓上に山椒と合わせて置いてあるのでお好みで追加を。具材は極太メンマや軟骨チャーシューなど。軟骨に関しては沖縄で食べたソーキそばにインスピレーションを受けたそう。とろとろ食感でスープと溶け合いむちゃくちゃうまいですね。

そして麺そのものも美味。表面が驚くほど滑らかでツルツルしたこの麺は山口県宇部市にある「木嶋製麺所」謹製。九州ではまだ数えるほどしか使っているラーメン店はないですが、先に挙げた「煮干しのビリー」もこの製麺所に惚れ込む一店です。

中華そばタンポポ タンポポめし

「中華そば」(900円)のサイドメニューは「タンポポめし」(300円)がテッパン。ご飯の上に軟骨チャーシュー、ネギ、海苔、天かす、卵黄を盛ったミニ丼で、ラーメンスープとの相性は「そりゃ間違いないでしょ」的な一品。ただし、メニュー表に書いてある通り、「麺を食べたあとにスープに入れる」を実践してください。
これは天本さんが「自分が一番うまいと思う食べ方」をプッシュしているもので、仮に、いつものようにラーメンと丼を交互に食べたりしていると「お客さんタンポポめしに行くのがちょっと早いですね」と天本さんからツッコミが入ります。まあ、天本さん自身「各自の自由ですけどね」と笑いながら話しますがここは「郷に入れば」で、ぜひ麺を完食してから残ったスープに“ダイブ”させてください。「ごはん」(200円)は普段通り、途中にパクついてOKです。

このようにラーメンのうまさだけでなく、早朝からラヲタが集うことや、「タンポポめし」の食べ方など初来店時は少し肩肘張っちゃうのも同店のある種の魅力。一見、怖そう?に見える天本さんもとても気さくな方ですし、慣れてしまえばとても居心地の良い店です。

最後に、店舗のメニュー表には載っていませんが実は裏メニューもあります。ここで紹介するとネタバレになってしまうので、下記公式インスタグラムを随時チェックしてみてください。ほんのさわりだけお伝えすると。

「つけ麺は何といっても麺の“しめ具合”にこだわりあり・・・」ですかね。レギュラーメニューと合わせ、ぜひ体感してみてください。

中華そばタンポポ メニュー表

店舗名

中華そば たんぽぽ〜第二章〜(店舗写真

ジャンル

  • ラーメン

住所

福岡県糟屋郡篠栗町中央2-9-10

電話番号

なし

営業時間

6:00〜14:00、土・日曜10:00〜15:00

定休日

月・火曜

席数

  • カウンター7席

メニュー

中華そば900円、中華煮卵そば1,050円、ネギ増し中華そば1,050円、背脂中華そば1,000円、タンポポめし300円、ごはん200円

喫煙について

禁煙
  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

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