豚バラ、野菜巻き……博多の王道焼鳥【1】

誰もがこの味の“虜”! 中央区港の焼鳥店は今宵も大盛況

公開日

最終更新日

ライター葉山巧

カメラマン葉山巧

とりこ

焼きとりの とりこ

  • LINE

焼きとりの とりこ」は、荒津大橋を望む博多漁港のそばにあります。都心を離れた静かな立地ですが、2012年のオープン以来、談笑する客の姿が絶えたことはありません。果たしてどんな力が働いて、人々をここまで引き寄せるのでしょうか?

とりこ

店舗は外観・内装ともモダンな雰囲気で、「もてなし」にかける店の意気込みが伝わります。客席は早々に埋まっており、外にいても人々の熱気が感じられるほど。聞けば店主の金子トシユキさんは「焼とりの八兵衛」に10年在籍した卒業生で、なるほど、ガラス越しの光景は「八兵衛」のそれとよく似ています。あの名店の“伝統”である温かな賑わいは、ここにも正しく受け継がれたようです。

とりこ

予想どおり、店内には陽気なテンションが充満。幅広い年代の客たちと若く快活なスタッフが、「焼鳥屋はこうでなきゃ!」と微笑みたくなるライブ感を創りあげていました。
「お客様はもちろん、働く僕らも一緒に楽しめる店を目指しています」と金子さん。「焼鳥屋にはそれができることを『八兵衛』の大将が教えてくれました。だから今でも、大将に学んだ焼鳥の技や接客の大事さを忘れたことはありません」。真っ直ぐ響く言葉の中に、「八兵衛」卒業生たちの店が愛される理由が分かった気がしました。

とりこ

その熱意はネタケースにも見て取れます。ズラリと並ぶ、多彩な串の一本一本がとにかく美しいのです。鮮度の良さは言うまでもなく、満遍なく火が入るよう計算した切り口や、丁寧な成型が端正なフォルムを形づくるからでしょう。
「ネタごとに特徴が違う焼鳥を美味しく仕上げるには、適切な切り方や刺し方──つまり仕込みがとても重要です」と金子さんが続けます。「しかも炭の扱いは難しいし、お客様のタイミングに合わせて焼くので、焼鳥って実は大変な料理(笑)。でも、それを大衆価格で提供できるところが魅力であり強みなんですよね」

とりこ

そんな焼鳥から、悩みに悩んで5本をチョイス。右から順に、圧倒的な脂の甘みに驚かされる霧島山麓豚の「豚バラ」(198円)。表面はカリッ、中はふっくらと仕上げた「もも」(165円)は火加減が見事でした。「とり肝」(132円)はこだわり素材を使ったトロフワ感が絶品で、看板串の1本というのも納得。下処理で血合いを抜いているので、臭みもほとんどありません。一度マリネして、極上の弾力と風味を引き出した「和牛さがり」(506円)も忘れ難い秀作。串メニューでは最高額ですが、それだけの価値がある一本です。「手作りつくね」はもも・胸肉・やげん軟骨を手切りで細かくミンチにしたもので、ソフトな食感が好印象。食べごたえも十分でした。
慈しみをもって焼き上げた串物は、どれも上質な肉料理の品格を備えたものばかり。まさに心・技・体が揃った「感動のある焼鳥」だと思います。

とりこ

また、焼鳥以外に色々食べたい……という時も「とりこ」は頼れる存在です。一品料理の充実ぶりは居酒屋を名乗れるほどで、とくにお勧めは沖縄でヒントを得たという「そーきの塩焼き」(1,078円)。7種のスパイスに漬け込んだ骨付きの煮豚をこんがり焼いた名物で、豊かな風味と歯応えが絶妙! 気づけば無言&夢中でかぶりついていました。

とりこ

〆に選んだのは「鳥スープごはん」(528円)。鳥ガラと野菜で丹念に取った白濁スープと、仕上げに加えた焦がしネギ油がヤミツキものの滋味を生み、レンゲを持つ手が止まりません。終わりよければすべてよし、を地で行く理想的な一杯でした。

あらゆる面で満足度の高い「とりこ」も今年で10周年。大手門に構えた2号店「炭焼 とりこ」は今年5年目を迎えます。節目の年の抱負を金子さんに問うと「お客様の笑顔が僕らの原動力なので、喜ばれる店づくりへの努力をさらに進めます。それとこの先、もっとスタッフたちが輝ける場所を増やしてあげられると良いな」。こんなふうに人への想いが溢れる店だから、きっとここでは誰もが“とりこの虜”になるのです。

店舗名

焼きとりの とりこ

ジャンル

  • 焼鳥

住所

福岡市中央区港2-10-3 第2土肥ビル1F

電話番号

092-711-7188

営業時間

17:00~OS23:30

定休日

不定

席数

  • カウンター10席
  • テーブル22席

個室

なし

メニュー

とり皮132円、せせり176円、なんこつ176円、手羽先一夜干し唐揚げ176円、赤字覚悟の特上タンステーキ1,738円、坦々めん528円

  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。
週刊「UMAGA通信」メルマガ会員登録はこちらから(毎週配信)