豚バラ、野菜巻き……博多の王道焼鳥【3】

未知のうまさに感激!幻の地鶏「天草大王」に最接近

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最終更新日

ライター葉山巧

カメラマン葉山巧

住吉

やきとり稲田

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熊本県が誇るブランド地鶏「天草大王」をご存知ですか? 高い評価を得ながら昭和初期に一度は絶滅。しかし10年に及ぶ努力で復活を遂げた幻の地鶏です。高級素材ゆえ大衆店で見かけることは稀ですが、それを味わえる焼鳥屋を住吉で発見! 焼鳥好きなら避けて通れぬその店は「やきとり稲田」です。

稲田

住吉神社にほど近い「稲田」の店主、稲田ツグヒロさんは元々フレンチの出身。炭火のことを学ぼうと、名店「焼とりの八兵衛」に入社したのがきっかけでこの道に進んだ職人です。「天草大王」に出会ったのは、13年勤めた「八兵衛」を離れ、独立に向けて準備をしていた頃。「他の有名銘柄も試しましたが、この地鶏が一番理想的な味でした」とたちまちポテンシャルに魅了されたそうです。

稲田

「うまい焼鳥には適切な大きさがある」とのこだわりから、稲田さんは毎回「天草大王」を丸ごと一羽仕入れ、そのつど丹念に切り分けます。大柄な鶏なので力やコツを要しますが、「大事な作業だから」とこれだけは必ず自身で行うとか。
しかも丸鶏を扱うことで、超希少な「白キモ」などを含む8種類の部位を出せる強みを獲得。「天草大王の部位がこれだけ揃う店は全国にもほとんどないでしょうね」。そんな稲田さんの言葉に刺激され、僕の期待と食欲は早くも暴発寸前でした。

稲田

やがて待ち侘びた5本が登場。すべて「天草大王」縛りの逸品揃いです。さっそく手前から実食を!
「手羽先」(385円)はこのうえない弾力に満ち、存分に“噛む歓び”を堪能できます。骨周りの身も濃厚で、稲田さんもお気に入りの部位だとか。
続いては「ささみわさび」(308円)。ササミは下手に扱うとパサつく部位ですが、150日間じっくり育てる「天草大王」は脂がたっぷり。それをミディアムレアに焼くことで、しっとり&ふんわりの食感を生み出していました。
緻密なプロの技に感服したのが「胸身」(280円)です。胸身の水分が逃げないよう、ひと手間かけて皮を巻き、皮7:身3の比率で火入れするのがポイント。仕上がりは無類のジューシーさで、思わず陶酔に誘われる傑作でした。個人的にこれがNo.1。
「ソリレス」(363円)は腰の窪み部分にある親指大の部位で、これまた夢見心地の歯応えです。一羽から2本分しか取れない希少部位なので、完売前に頼めて幸運だったかも!
旨味が濃く、ほんのり甘みもある「かしわ」(308円)は塩かタレで。ピリッと味を引き立てるブラックペッパーの存在も効いています。

稲田

脂や身の上品な風味、硬軟のバランスが絶妙な肉質。ぺろりと平らげた感想は「天草大王、凄い!」の一言でした。2013年の開業以来、「天草大王」ひと筋の愛好家が増加中というのも納得。「焼鳥の概念が変わったよ、と嬉しい言葉を貰うこともありますね」
一般的な焼鳥に比べると、1本300円以上とやや割高ですが、それでも「天草大王」にはその価値があります。勢いよくパクつくより、1本1本にじっくり向き合いたくなる……そんな、ちょっぴり優雅な“大人の焼鳥”なのです。

このほか当日締めたばかりの「朝びき鶏」メニューも用意されており、こちらの串は165円からと値頃です。

稲田

その一方で、やけに酒飲みのツボをつく一品料理も気になるところ。「特選和牛のうに巻き」(693円)はその代表格です。60℃で低温調理した佐賀牛にウニを巻き、仕上げに穴子の寿司用のツメをかけた人気品。口に入れると贅沢な甘みが駆け巡り、悶絶ものの至福が吹き荒れました。一口で食べ終えてしまう切なさもまた一興(笑)。

稲田

こちらも定番の「稲田のバーニャカウダ」(1,408円)。華やかで目に楽しく、13種前後の野菜は焼鳥の脂をさっぱり洗い流して、これは頼んで大正解でした。すると「実はもう一つオススメがあるんです」と稲田さん。それがフレンチ時代の技を生かした各種デザート(528円~)で、「ここまで手の込んだデザートを出す焼鳥屋も珍しいのかなって」とにっこり。そんなユニークさも、やっぱり“大人”を感じさせる一軒です。

稲田
稲田

店舗名

やきとり稲田

ジャンル

  • 焼鳥

住所

福岡市博多区住吉3-5-3 平寛堂ビル1F

電話番号

092-261-3966

営業時間

17:00~OS23:00

定休日

なし

席数

  • カウンター8席
  • テーブル11席

個室

5〜6名

メニュー

白キモ363円、砂ずり308円(以上、天草大王)、ぼんじり165円、皮付きせせり528円(以上、朝びき鶏)、コース3,850円~、天草大王の水炊き1人前2,400円(要予約)

  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

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