焼鳥ではなく「鳥焼肉」という新境地【5】

溶岩プレートで焼く鶏は絶品!気軽に使える美野島商店街の人気店

公開日

最終更新日

ライター葉山 巧

カメラマン葉山巧

ippon食堂五種盛り

美野島

IPPON食堂

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八百屋、鮮魚店、和菓子屋など、古くから看板を掲げる店が集う美野島商店街。2019年に仲間入りした「IPPON食堂」も、このエリアの温かな色彩がよく似合う大衆店です。
しかも溶岩プレートで焼く鶏料理が好評で、開店以来ファンを増やし続けているとか。これは一度出向かねばと、夕暮れの商店街に足を延ばしました。

IPPON食堂店内

裸電球が灯る店内の雰囲気は、まさしく庶民的な“THE 食堂”。1階はカウンター4席とテーブル8席、2階には18名まで入れる座敷を備えています。
さて、目を引くのはテーブル上の8角形の黒い板──そう、これが桜島の溶岩プレートです。「これを用いていろんな鶏の部位を焼くスタイルは、“地鶏食堂”さんという店で知りました」と言うのは、ご主人と一緒に「IPPON食堂」を立ち上げた、奥様にして店長の松本美奈さん。「その時の美味しさが忘れられず、私たちもこういう店を始めたいなと思ったんです」

ippon食堂メニュー1

その溶岩焼きのラインナップがこちら。銘柄鶏の「宮崎地頭鶏」と、「地鶏食堂」が卸してくれる「種鶏」の他は、すべて九州産の朝引き鶏を仕入れています。
定食類もあるので、これなら一人でも気軽に使えそう。「単身赴任の方や学生さんなどが一人で来られても、栄養ある食事を値頃に提供できたらなって」という美奈さんの言葉に、松本夫妻の優しさがうかがえました。これぞ「食堂」の心意気ですよね。

IPPON食堂五種2

そんな飾らぬ空気の中で、まず頼んだのは「五種盛り」(1,480円)です。その日のお勧め部位を盛り合わせた一番人気メニューで、今日はご覧の6種類がドンと登場!

IPPON食堂鶏焼き1

熱くなったプレートに並べると、やがてジリジリ音を立て、パチパチと脂を跳ねる鶏肉たち。溶岩石という天然の調理器具だからでしょうか、その眺めには焼肉屋の鉄板にない野趣が感じられます。
焼けた鶏肉から染みだす脂はある程度プレートが吸ってくれますが、表面に流れでた分は随時ペーパーで拭き取るのが美味しさの秘訣とか。美奈さんいわく「紙エプロンをしていても脂が散ることが多いので、綺麗な服での来店はご注意くださいね(笑)」

ippon食堂鶏焼き2
ippon食堂鶏焼き3

とはいえ焼きあがった鶏肉は、そのリスクに十分見合ったうまさ。仕上がりは遠赤外線効果でふっくらと香ばしく、熱々で甘い脂がそこに極上のアクセントを加えます。シンプルに「肉を喰らう」醍醐味と、鶏の滋養がじんわり体を駆け巡る感覚も良いなぁ。薬味は柚子胡椒、ニンニク、岩塩、自家製味噌ダレ、ニンニク入り塩コショウが用意され、味変も自由自在です。

ippon食堂チキン南蛮

ただ、じっくり火を通す溶岩焼きは、鉄板焼肉よりも少々焼きに時間がかかります。そんな“隙間”を埋めてくれるのが、事前に頼んでおいた「チキン南蛮」(680円)でした。胸身とももの中間のような食感の部位=フリソデを使った身の歯応えは快く、舌に馴染むタルタルソースとの相性も抜群。タルタルにはピクルスの代わりにキュウリが入っており、これは美奈さんの故郷・宮崎県のエッセンスだそう。大ぶりの身が5ピースも入ったサービス精神もあっぱれです。

IPPON食堂の唐揚げ

これに劣らず人気なのが「百合子の唐揚げ」(680円)。こちらはご主人のお母さんのレシピを再現した一品で、甘い醤油とニンニクたっぷりの風味が食欲をかき立てます。片栗粉をはたくことで生まれる、独特のサクサク感も印象的でした。「これとご飯だけ頼んで帰る常連さんもいらっしゃいますよ」と美奈さんもニッコリ。

ippon食堂女将

味よし、雰囲気よし、コスパよし。まるで「食堂」のお手本のような「IPPON食堂」は、まさに「一本取られた!」と脱帽する店でした。「鶏肉はセロトニンという“幸せホルモン”を出しやすくする食材だそうです。私たちもこの店を、そんな幸せ一杯の場所にしたいですね」
今宵の客たちの表情から、その願いはすでに叶っているように見えました。こんな庶民のオアシスが、きっと街の活力を支えているんですよね。

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店舗名

IPPON食堂(店舗写真

ジャンル

  • 焼肉・ホルモン焼き

住所

福岡市博多区美野島1-16-15

電話番号

092-481-2223

営業時間

18:00〜OS22:00

定休日

月曜

席数

  • カウンター4席
  • テーブル8席
  • 座敷18席

個室

なし

メニュー

溶岩焼き五種盛り1,480円、チキン南蛮680円、百合子の唐揚げ680円、溶岩焼き/宮崎地頭鶏(もも・せせり)各780円・朝引き鶏(レバー・むね・砂肝)各540円、地鶏だし卵焼き580円、溶岩焼き定食1,280円~

喫煙について

禁煙
  • ※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。
  • ※「税別」という記載がない限り、文中の価格は税込です。
  • ※掲載している料理は取材時のもので、季節や仕入れにより変更になる場合があります。
  • ※OSはオーダーストップの略です。
  • ※定休日の記載は、年末年始、お盆、祝日、連休などイレギュラーなものについては記載していません。定休日が祝日と重なる場合は変更になる場合があります。
  • ※編集部の都合により撮影時にマスクをはずしていただいたり、アクリル板をはずしていただいて撮影している場合があります。
  • ※掲載しているメニュー内容、営業時間や定休日等はコロナ禍ではない通常営業時のものですので、おでかけの際にはSNSや電話でご確認ください。

記事に関する諸注意

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